バルトロメウス・スプランヘル
アテナはゼウスとメティスの娘。ウラノスとガイアによって、メティスが産む子供は父親を害するだろうと予言がされていたので、ゼウスはメティスをのみこんだ。すると激しい頭痛に苦しんだ。ヘパイストスの助けを得て、自分の額を割らせると、そこから槍を持ったアテナが生まれてきた。ゼウスの頭から生まれたアテナは、知恵の神となった。
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ローマ神話のミネルヴァに当たります。彼女は永遠に処女だが、エリクトニウスという子供もいることになっている。そこらへんの物語はずいぶんとこじつけられています。武装した女神は誰にも負けてはならないからでしょう。結婚をするということは、古代の社会では男に屈するという意味でした。処女性は永遠に誰にも屈しないということになる。絵の中でアテナが踏みつけているのは無知です。無知ほど人の世界に不幸と乱をもたらすものはない。彼女は男には従わず、無知と永遠に戦っていくものらしい。すべてではないでしょうが、これからの女性の生き方を導くための、暗示として採用されるべきでしょう。