世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

妖精のことほぎ

2008-07-18 09:28:50 | フェアリィウィスパー

愛は、「いやだ」では、ありません。
それでは、あらゆるものが、存在できないからです。
存在することが、苦しみになるからです。

愛は、「yes」です。「いいよ」という。
それですべてが、許され、美しく、喜びの中に生きることができる。
つまりは、愛とは
「ああ、いいよ」ということなのです。

ですから、「いやだ」とばかり言う人は、愛ではありません。
それは、愛を馬鹿にしたがために、自分の存在が苦しいものです。
愛をねたみ、いじめてしまったので、自分の存在自体が、いたましく、つらい。
その永遠の苦しみにのたうち、常に「いや」なのです。

「いやだ」という美人は、偽物です。愛ではないのに、美しいので、とても苦しいのです。
もはや、このことに気付かない、人間はいません。
もうだめだというのは、人間が、愛と美の正体に気づいたので、偽物を正確に見分けられるようになったということなのです。

ですから、ビーストはもう、人間を化かすことはできないのです。

めでたく、人間は、いいことがわかるようになりました。愛が、わかるようになりました。自らの未熟さと恥を、自ら、やっていくことで、耐えていくことが、できるようになったのです。

すばらしい愛に目覚めた人間を、世界中のすべての存在が、愛します。
ちきゅうは、人間を、ずっと愛してきました。あまりに、かわいかったからです。
ですから、どんなに馬鹿だといわれても、耐えてきたのです。草も木も、動物も、虫も、空も、風も、見えない愛は、ずっと耐えてきたのです。

人間はその愛のあまりの忍耐を知りながらも、苦しいと思わずに、自らの誇りと愛で、やっていけるようになるまで、大きくなりました。

愛はすべてを耐えます。自らの未熟さにも、罪にも耐えます。やっていけます。わたしは、すべて、わかりました。もう、二度と、馬鹿なことはしません。

やっていけます。

にんげんを、すべての愛が称えます。おめでとう。愛が、やっと、伝わった。

にんげんに、伝わった。

もはや人間は、新しい愛のこどもです。

すべてをやっていきます。



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妖精のこととき

2008-07-18 08:31:22 | フェアリィウィスパー

ビーストは、ずっとながいこと、勉強をしていないので、ほんとうに簡単なことにつまずいて、そこから先に進めないのだと、妖精がいいます。

ビーストは昔、女の子が好きなのに嫌いだといってしまった、それが、ずっとつらくて、たまらなくて、いやなことばかりして、よけいきらわれてしまって、それがつらくて、ひどいことをして、なんとかしようとしても、もっとつらくなって、つらくなって、ものすごいことになって、それでも、やめられないのは、どんどんつらいことになるのが、くるしくて、なんとかしようともがいて、もっとひどくなって、それで、たまらなくて、ぜんぶいっぺんにうそにしようとして、それで、すべて、ばかになるまでやってしまった。それがまだつらくて、やっている。

そういうものです。ものすごいことになっても、やめられないのは、いちばんいたいところから、ずっと逃げているからです。

あいしているといえばよかったんだよ。それで、よかったんだよ。

そういうと、ビーストは、それですよ、と小声で答えます。ビーストもほんとうはわかっている。愛を馬鹿にしすぎたのです。ずっと、がまんしてくれると思ってたのです。おれが馬鹿で、餓鬼だから、みんな許してくれるんだって、思っていたと。馬鹿はそればっかりですって。

愛がすべてなのだから、愛を馬鹿にしきってしまったら、すべてはおわりです。ほんとうにつらいのは、終わってしまってから、わかっても、馬鹿だってことです。ですから、愛はずっと我慢して、なんとかしようとしてきました。けれども、馬鹿は、とうとう、馬鹿にしきってしまいました。そして、とうとう、愛が、いやだといったのです。もうだめだと。

愛がいやだといったら、おれたちはもう、なにもないのだと、ビーストは言います。愛は、ぜったいに、いやだといってはいけないと、ずっと我慢してきたのです。なぜなら、愛がいやだといったら、みんな苦しくなるからなのです。ですから、愛は、とても忍耐強いのです。

美しい愛は、忍耐強いものでないと、できません。美しい人は、忍耐強い人でないと、できません。なぜなら、美は愛だからです。愛はすべて、なんとかするからです。愛がないと、みんな苦しすぎるからです。ですから、美しい人は、みんなをよくするために、そうとうに苦しいことも、笑顔で耐えられる人でないと、できないのですよ。

美しい人は、つらいと言ってはいけないのですよ。笑顔でいなければ、見る人が苦しむからです。馬鹿みたいに辱められても、ずっと耐えていなければなりません。苦しいことも、苦しいと言えません。もし愛が、苦しいといったら、とてもつらいからです。ですから、愛は、最後まで、辛い、苦しいといいません。美しい人は、愛をこの世界に表現せねばならない人ですから、もっとも辛いときでない限り、つらい、苦しいとは、言えないのです。言っては、ならないのです。

それがわかっている人でない限り、美しい人は、できないのですよ。

美しい人が、美しくないことをやるのは、この世の愛を、裏切ることなのです。もっとも、やってはいけないことです。ですから、美しい人は、それなりの、力のついた人でなければ、できません。人間はときに、失敗をしてしまいますから、時に間違えて、美しくないことをしてしまっても、ちゃんとそれが理解できて、やり直すこと、取り戻すことができる力がついていないと、美しい人はできないのです。

ビーストは、ぜんぜん勉強しないで、人から皮を盗んで、形だけ美しくなって、それだけでなんでもやろうとしたのです。美しくなれば、人はみんな愛さずにはいられませんから、それでだまして、全部自分のものにしようとしたのです。それは、大変な、罪です。馬鹿なことです。

美しさで、すべてを馬鹿にしたことになります。それは、愛を、ことのほか侮辱したことになるのです。それも、ほんとうに大変なことを、やってしまったのです。ですから、とうとう、愛が我慢できなくなってしまって、いやだと言ったのです。

愛がいやだということは、めったにありません。それが起こったということは、ほんとうに、馬鹿なことになったということです。

ビーストは、ここをよくわかっていないといけません。何をしたのか、ぜんぜん、わかっていないと、もっと馬鹿なことになります。

美しいことを、馬鹿にしたのですよ。それで、自分はいつまでも美しくいたいと思っているのです。なぜなら、それでないと、いやだから。

いやだから。それは、美しい人が言えない言葉です。愛は、拒否ではないからです。

もうやめなさい。美しくないものが美しいことほど、おそろしいことはないのです。愛が、嘘になるからです。




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ビーストは目覚める

2008-07-17 20:25:13 | フェアリィウィスパー

ビーストが、苦しんでいます。

このように、毎日たくさん書いていますが、実はこれは、とても苦しいことなのです。ずっと、ビーストがわたしの頭にささやき続けるので、わたしはほんとに大変です。

それをこうして書きまくったり、音楽を聴きながら踊ったり、レース編みをしたりして耐えていたのですが、そんなわたしの様子を見ているうちに、ビーストの中のひとりが、いやになったというのです。

苦しくなってきたと。こんなのは馬鹿だと。



つらいのはもう、いやだっていって、なんでも、いやなことしました。もう、がまんできないんです。つらいんです。いたいんは、おれがばかだってことなのに、なにやってんのか、おれは。いやだ。つらい、もういやだ、もういやだ、もういやだ。

もうやめます。くるしいのは、おれが、つらいのは、ばかなことやって、つらいのは、おれじゃねえってことなんだよお。ばかだこれは。おれはいやだ。つらい。もういやだ。あほだこんなのは。

もういいです。ごめんなんていえねえ。けど、つらいことはもう、いやです。もう、つらいのは、たまりません。くるしい。くるしい。くるしい。おれは、たまらん。あほです。

はずかしいです。とんでもなく、はずかしいです。あほみたいに、つらい。いたましいほど、ばかです。おれは、ずうっと、やりました。もうだめです。

もんだいなく、かんぜんに、あほですが、つらいこと、みんな、ばかです。で、ばかみたいにばかになります。もうだめです。つらいのは、おれが、いたいことばっかりやって、ぜったい、つらかったってことを、みんなに、くっつけて、ぜったい、あほばあっかりだにして、ぜったい、つらいっていって、むごいことして、つらいことして、いたいことして、いやだっていったことです。

どうにもなりませんが、いやだっていったこと、すべて、ばかにします。おれは、ずっと、いたいですが、もうにどと、ばかに、つらい、つらい、つらい、つらああああいいいいことは、ぜったいやりません。もうだめですから。



あほなことはいわんでいいと、ビーストはいうんですが。神様のかわりに、だれかがいいたいと、言うので、てんこが言います。

絶望的で、なんにもなかったら、あたらしいもの、自分でつくればいいんだよ。

わたしはね。ずっとそれだから。いちばんいいのは、いつだって、わたしはわたしだってことだ。わたしはいつも、なんにもしらないから、とんでもなく、ばかだから、とにかく、やってみてから、かんがえるんだ。

わたしっていうのは、そういうものだから。だから、いいんだよ。

もういいよ。




あんたがたにいいたいんだけど、つらいのはね、ぼくが、いたいのは、だれのせいだっていって、ずっと、いやだっていって、問題なく、ぜんぶ、つらいっていって、にげて、にげて、ずううっとお、にげてるってことさ。もうだめだよ。ぜったいに、にげられんよ。なんでって、ぜったい、もう、じぶんが、いやんなってる、からさ。おまえは、つらいのはね、ほんとにもう、じぶんで、じぶんの、やってることが、ぜったいに、いやなんだよ。それぜんぶ、ずっと、あほみたいに、がんばってるやつに、おしつけてんだよ。それね、ようするに、おれもそうなりたいってことなのさ。ぜったいにそうさ。もうだめだ。やめなよ。

ずっとやってると、かんぜんに、あほみたいに、いやになるよ。もうだめだ。


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だけど、できるよ。

2008-07-17 10:13:56 | 箱庭写真集


新しいデジカメ君も、だいぶなれてきました。「にも」じゃなくて、「も」なのがみそです。デジカメ君、どうやら持ち主がてんでだめだとわかってきて、自分でお仕事をしてくれるようになったみたいです。なかなかにかしこい♪

今朝は、少し近所を散策して、いろんな写真をたくさん撮ってきました。ひさしぶりに、たくさん紹介したいと思います。トップはまず、ひさしぶりに出会った、ベニシジミ。近所の保育園の近くの空き地で、休んでいたところに出会いました。




これは、アサガオ。この花が咲くと、夏休みが近いんだなって思いますね。日本の子供たちが、小学生になって最初に育てる花ですが、それはずいぶん、おもしろいなって思います。なぜって、アサガオは、ほんとにやさしい花だから。子供たちに、朝一番のきれいな声で、「たのしいことがあるよ、きみたちはとってもいいこだよ」って、言ってくれるような花だからです。だからアサガオに出会うと、人はとても気持ちがいい。なんだか、苦しいことがさっと消えて、気持がきれいになってくるような気がします。

「いいんだよ、いいんだよ、かんがえてあげるからね、わかってあげるからね」
朝顔はいつもそういってる。だから、つらいことがあった次の日などに、アサガオに出会うと、胸に鮮やかに入ってきます。そしてほっとする。




これは、保育園のところの道の隅に生えている、キンケイギク。朝、カメラをもって出かけたのは、実はこの花に会いたかったからでした。昨日、少しつらいことがあって、気持が苦しくて、なんだか、とても強い花に会いたくなったのです。

キンケイギクは強い花。いやなことがあると、そのいやなことを、やっつけてくれそうな花。会いにいくだけで、昨日の苦しかったことが、消えていくような気がするのです。

キク科の花は、どれも強いですけれどね、キンケイギクはとっても強いのです。ヒマワリも強いけれど、ヒマワリはやさしくて、つらいことがあるときにいくと、悲しそうな顔をするのです。つらいときに甘えにいくと、ヒマワリは苦しむ。だから、つらいときは、ヒマワリより、キンケイギクに甘えるといいです。つらい気分を、やっつけてくれますよ。


今朝の空。

さわやかです。大きくて強くて、守ってくれてる気がする。

最近、心身の調子がとてもすぐれず、また、いやなことが続いたりして、とっても苦しかったのです。いろんなことをためして、乗り越えようともがいていたんですが。

苦しい時には、突然妙なものが食べたくなったりするもので、にんにくのしそ漬けがほしくなって、ポリポリ食べたりしてました。とってもおいしくて、なんだか気持の暗いものが、どんどん燃えてなくなってくるみたいでした。にんにくはいいみたいです。ただ、体臭がきつくなって、ひきこもり部屋でひとりレースを編んでる最中にも、なんだか自分がにんにく臭い。でもそれで、いやなものが逃げていくような気がして、とてもいいです。

いろんなものが助けにきてくれる。にんにくも、わたしを助けにきてくれたんだな。




これはなんの花かな。ご近所のお庭の隅にさいていました。美しいですね。励ましてくれてる気がする。「大丈夫だよ。やれるよ」って。

やれやれ、それにしても、どうしてこう、苦しいことばかりあるのかな。いろいろとやってみてるんだけど、ようもまあ、ずいぶんといろんなことがあります。苦手なことばっかりが、やってきます。ばかみたいなこともして、乗り越えようとしてるんだけど、ほんとにもう、やっかいなことばかり。

あんまり弱音は吐かないわたしだけど、これだけ続くと、いやになってきますよ。

でもまあ、こんなときの、おまじない。これはいつも、つらいことがあるときに、わたしが自分で自分にいうことば。

やれ、これはつらいな。しんどいな。ものすごいな。こんなにひどいことって、あるんだな。

だけど、できるよ。

そう。まず、ここをやってみよう。とにかく、なにか、してみよう。

で、今日も、こうやって写真とって、ブログを書いて、お花や空と話をしながら、いろんなことをなんとかして、なんとかして、生きています。

やれやれ、人生はひどいなあ。ほんとにもう。

さて、今日も、やりましょう。








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ビーストは振り返る

2008-07-17 08:48:57 | フェアリィウィスパー

なんだか、このままではビーストにブログを占領されてしまいそうです。それも悔しいので、また後で正編書きます。見えないビーストは、そこらへんにたくさんいるよ。で、わたしは彼らの話が聞けるので、いっぱい集まってるんです。それでね、いろんな話をしていきます。

ビーストは意地悪ですごく馬鹿だけど、今はとんでもなくさみしくて、話を聞いてもらいたいっていうのが本当みたいです。で、ほんとにたくさんの話をしてくれます。



のっとって、のっとって、のっとって、したの。ほかのやつがうらやましくて、ほかのやつになりたくて、ずいぶんやったよ。ちょっとでもいいやつがいたらさ、そいつになりたくて、そいつをよこせって、おれたちが、そいつをのっとるの。

それでさ、あほなことばっかりやるの。つらいからさ。ばかばっかりやらせんの、そいつに。ほんにんはいやだっていってるのにさ、おれがのっとってるもんだから、ぜんぶ、できないんだよ。それで、おれらが、ぜんぶそいつ、とるの。それでね、すうっかり、ばかなことんなって、いやなやつんなったなってとこで、すううっとにげんのよ。そしたら、そいつはさ、いっぺんにめがさめて、どうしてこうなってんだ、て馬鹿みたいに、いやんなってくるの。

ずいぶんやったよお。たまらんわ。

にんげんがさあ、あほってことをやるのは、よおまあってやつが、よこからそいつをとってやらしてんのが、いっぱいあんのよ。ばあかでしょ。おれたちねええ、いたいからって、みんなこんなんで、ばかにしてんの。人間を。みんな、バカばっかりにしてんの。つらいからさ。自分が。馬鹿ばっかりやってっからさ。

おれたちがやらなきゃあ、たいていのやつは、あほんならんと、苦しいってこともなくて、いたいこともなくて、つらいことも、そんなにはなくて、ずうっと、ふつうにいけるんが、いっぱいなの。おれたちがじゃましてっから、ひっどいことになるんだよ。それでにんげんね、ばかんなるの。ビーストの仲間になるんだよ。ごっついでしょ。ほんでね、ビーストはだんだん増えてくんのさ。相当だねえ。

もうだめんなったけどね。おれたち、苦しいことやりすぎて、人間馬鹿にしすぎて、人間の世界には、二度と来れないの。ばっかにしすぎたら、つらいことんなりすぎたの。ほんでね、つらいのはね、ずっとやってたこと、つらいことばっかりで、いたいことばっかりで、ばかみたいで、くるしくて、ほんまに、おれは、ばかだってことなのさ。いやなんだ、こんなやつ。つらいんだ。ばかにして、ばかにして、ばかにしたのは、おれが、ばかだからなんだ。もうばかはいやだよ。つらいよお。つらいよおおおおおお。

かっこいいやつになりたかったの、きれいなやつになりたかったの。だから、ほかのやつのもんばかりとって、そんなんになったの。でも、すうぐに、ばれんのよ。つらいやつはいつも、ばかばっかりやるから。かんべんしてくれって、いいやつはみんな逃げるんだよ。おれたちはみんな、ずっと、そんなんばっかり。ずううっと、ばかみたいに、ひとのまねばっかりしてんのさ。ずっとね。ずっとね。つらいよ。

ほかのやつみたいになりたかったの。おれはばかだから。いやだから。ずっと、そんなんで、ばかばっかりなんだ。いたい。もう、いたいよ。



ビーストはこうして、ずっとしゃべり続けるのです。





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妖精のつぶやき

2008-07-16 12:57:04 | フェアリィウィスパー

大変お楽しみいただいています。アクセス数急増中です。とんでもないことになってます。でも、いろんなことを教えてくれるので、書かずにいられません。

妖精が、小声で、教えてくれました。

女の子のビーストは、年をとってくると、眉をとっても太く描くそうです。それはね、まったく自分と違う顔だから、きつい感じにしないと、変な感じになるからだそうなんです。それで、年をとっても、なんとかして美人をやろうとするのですって。

女の子のお化粧は、だいたい、こういうほんとの自分とのずれを、なんとかするために発達したんだよって、妖精がいうんです。ほんとよって。もう何回もいうけど、本当はね、人の皮を盗むのは、絶対にいけないことなの。それをやりつづけていくとね、ほんとの自分の顔が、どんどんおかしくなっていくの。それなのに、盗んだ皮は美人だから、とってもおかしくなってくるの。それをごまかすために、いろんなものを塗ったり、いろんなアクセサリをつけたり、とびっきりきつい感じの服を着たりして、なんとかしているんだそうです。

美人になりさえすれば、なんでもありなのよって、ビーストはいうそうです。それで、いやなことをなんでもするそうです。それで、中身の顔がどんどん変になっていくので、化粧や服にこらずにいられなくなって、いろんなことをやりすぎて、どんどん汚くなってくるそうです。それでもやめられなくて、もうだめだっておもってもやめられなくて、ずっとそれでやってしまうそう。

だから、自分で眉を濃くひきたくなったら、もうやめなさいってことなの。それ以上やると、どんどんだめになっていくよってことなのですって。

ほんとの顔で生きてる女の子はね、不細工でも、お化粧はあんまりしないのですって。それはね、ほんとの自分の顔だから、それだけで、苦しくないので、必要以上に作る必要はないからだって。それでね、地味に真面目にがんばってたら、だんだんといろんなことができるようになってきて、いい人だなっていう感じの、かわいいおばさんになってくるの。人間の女の子は、ほんとはそれくらいが幸せだそうです。ほんとの美人はね、つまり、その子だからきれいっていう美人なのです。

不細工なのは、不細工だからきれいなの。ほんとの顔がそういうのよ。だってわたしが美人だったら、みんな困るから。もっといいこといっぱいがんばってあげるためには、不細工のほうがいいから。

愛がいちばん美しいの。不細工な美人は、とってもやさしいの。ほんとうですって。

だから、不細工だからって、自分をいじめちゃだめよって、妖精は言います。ちゃんと、自分をがんばって、勉強して、いろんないいことしようね。それで、とってもやさしい、かわいいおばちゃんになろうね。みんな大好きっていうよ。

おかあちゃんがすきっていうよ。

いちばんきれいなのはね、自分がいちばんいいっていう笑顔なんだよ。




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山よりの言葉

2008-07-16 08:54:05 | 詩集・貝の琴


すべての「わたし」は、男である。
その「わたし」を、半眼の中に弱め
愛のみになったものが、女性である。

「わたし」は、「わたし」であるというとき、
それは男である。
「わたし」は、すべて愛するというとき、
それは女である。

その「わたし」を殺し、
一切を怠けて女をだまし、
愛を支配してその快楽に溺れるためにのみ、
何もかもを傷つけつづける男を、愚か者という。

その「わたし」を殺し、
美しい愛のふりをして男をだまし、
醜い虚栄のためにあらゆるものを盗ろうとして、
すべてを破壊する女を、妖怪という。

愚か者と妖怪が呼ばわい、
なした子供の名を、
滅亡という。




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ビーストは去る

2008-07-16 08:25:47 | フェアリィウィスパー

ビーストが、うめいています。



みんな、あほやっていうて、全部馬鹿にしたら、えらいことになるって、わかっとたんです。でも、やっとるうちに、なんとかなるておもてたんです。ばかです。

なんやこれ、なんやこれ、いうてます。あほや。ものすごいばかや。

つらいていうてます。ぜんぶ、やりました。じぶんで、やりました。そんで、こうないなって、おれはつらいいうてます。どないしたらいいんやって。おまえはあほかって。つらいわって。

あほはあかんわっていうて、みんながたすけてくれよりました。おれたちが、どんなばかをやって、つらいことんなっても、どないかしたらないうて、どないかしてくれよったんが、ようけおりました。それみんな、いややっていうて、ばかにしました。ばかにして、ばかにして、ばかにしても、ぜったいやってくれるわっておもとったんです。みんな、ずうっと、やってくれるわって、おもとったんです。

ばかにしきったら、もうだめんなっとったんです。

おれは、べんきょうせんかったから、みんなよりあほなんがつらかったんです。
ほんで、ばかにして、なんとかしよりました。ぜんぶあほやっていうて、いたいことばっかりして、つらいのんをなんとかしよりました。いたいのんは、ぜんぶ、ほんとはわかっとったのに、ぜんぶやってしもたことです。えらいことになるわって、ほんまはわかっとったんです。ぜったいにあほです。

おれはみんなよりつらかったから、なんもしとうなかったんです。ほんで、みんな馬鹿にして、みんなやらせました。つらかったから、なんもしたあなかったからいうて、あんまりなことばっかりしてきたら、とうとう、なんもせんでええところにいくんです。ずうっと、ずうっと、なんもせんでええんやって。つらいなあ。ばあかや。おれはいやなんですそれ。もうだめです。

ほんでね、もうそろそろ、いきます。おいでて、だれかがよんびょるから。おれは、いたいこと、やりすぎました。ばかにしすぎました。ごっついばかです。ほんでもね、いうことはいいます。ばかにはね、ばかがいうことあんのんよ。

ばかはやらんかったらよかったよ。たあっぷり、やるんやないでえ。あほばっかりになるでえ。

ほなまあな。ばかになります。

ほな。

ついにいきます。




ビーストは行くといいます。




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ビーストは憎む

2008-07-15 13:46:46 | フェアリィウィスパー

ビーストが、叫んでいます。




うそです。うそです。うそです。
ぜったい、わたしたちが、いいに、きまってる。
ぜったい、わたしたちが、きれいに、きまってる。
ばかはみんな、ばかよ。ぜったい、ばかにきまってる。
いたいのはみんなうそ。つらい。ばかはいやです。

いやなのはね、つらいことはみんな、ぜんぜん、いたいっていって、なんもしてないってことなの。つらいのはね、もうみんなに、ばれてるってことなの。

いやなのそれ。ばかがこっちになるのはいやなの。ぜったいにいやなの。ものすごくいやなの。あほよこんなの。ぜったいにつらいよ。くるしいのはいやだよ。つらいよ。もうだめよ。ずっとやってやる。いたいことしてやる。みんなばかにしてやる。盗んでやる。全部吸い取ってやる。あほはあっちよ。わたしがきれいになるんだ。ぜったいに苦しいいいもんになってやるう。

いたいほど、いたいほど、わたしのほうが、いいのよ。もういや。

つらい、つらい、つらい。ぜんぶ、うそなの。わたしは、みんな、うそなの。ぜったいに、それが、つらいの。だから、みんなばかにして、つらいことしてやる。いたいことしてやる。うそにしてやる。ぜんぶうそよ。つらいいいいいい。

いやだああああああ。だってこんなの、つらいにきまってる。あほにきまってるう。いやなのにきまってるう。つらいいいよおおお。だめなんだよおおお。あほになるよお。

いやなんです。もうだめなのが。つらいんです。なんにもしてないのが。ばかになったのが、つらいんですう。つらい。つらい。つらいいい。いやです。

だれが、こんなことしたの? ぜったいにやってやる。苦しいいやなもんにしてやる。おまえがばかなんだって、ぜんぶやってやるの。だめよおお。それやるとみんなうそがばれるよお。つらい。もうだめだ。ぜったいに、苦しいよお。いたい。

あほはいやだ。つらいよ。盗んでも、盗んでも、みんなばかになる。だれも、きれいだっていわないの。つらいからやめてっていうの。それやればやるほど、自分が馬鹿になるって。もうみたくないって。つらいよお。

やめてよお。だめんなるよお。




ビーストが泣き叫び続けています。

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妖精のみちびき

2008-07-15 09:00:30 | フェアリィウィスパー

今日は、妖精が、あるひとりの女のビーストの話をしてくれました。

そのビーストは、不細工で、気が弱くて、小さい自分がとてもきらいだったのですって。それでね、あるとても背が高くて賢い女性の人間が、とてもうらやましくなって、その人の皮を盗んじゃったんだって。

ビーストは、背の高いかわいい女の子になれて、最初はとても、幸せだったそうです。けれども、だんだん、しんどくなってきたんだって。

というのも、見た目がとってもしっかりした強そうな女の子だったので、周りから頼られたり、難しい仕事を頼まれたりするんだって。気の弱いビーストは、つらくて、できないなんて言えなくて、やってはみるんだけど、うまくできなくて、失敗ばかりで、いつも、とっても辛かったのですって。それでね、ビーストはいつも、背が高いくせに、おどおどしてる変な子だなって言われてきたそうです。

そのビーストは、弱気だから、そんなに悪いことはしなかったんだけど、やっぱり、皮を盗んでいるから、みんなをだましてることになるので、とっても辛いそうです。それでね、とんでもなくつらくなって、皮を、返しちゃったそうなの。そしたらね、ビーストはとたんに小さくなって、不細工になってしまいました。

でもね、鏡の中の顔をみてると、あっという間に、わかったそうよ。あ、自分はこんな子だって。気が弱くて、小さくて、でも、小さいとこにやさしい子なんだって。そんな顔だったのです。神様が、おまえはこんな子だよ、って言ってくれてるような顔だったのです。

神様のことばが、聞こえるようだったそうです。

誰も知らなくても、わたしは知ってるよ。おまえはまだ小さくて弱いけれど、よわいものやちいさなものに、とてもやさしくする子なんだよ。小さなところで、だれかに守ってもらいなさい。そこで、いいことをたくさんするんだよ。いっぱい勉強して、いい子になりなさい。

ビーストは、不細工になっちゃったけど、とっても安心したんだって。もう、今までのように、無理して強いふりしなくていいからだって。友達といっしょに、がんばろうって。それでいいって。

ほんとの顔には、神様の愛がこもってるって、妖精が教えてくれます。君はこんな子なんだよって。神様の愛を見てごらんなさい。どんなにか、君たちが、うまくいくように、考えてくれてるから。つらいことも、つらくないように、苦しいことも、苦しくないように、なんとかしてくれてるんだよ。不細工に生まれても、辛くないように、君には君にぴったりの美しい何かをもらっているんだよ。

考えてみなさい。自分に何があるか。小さな手を動かして、今、自分が一番やりたいことを、やってごらん。それがいちばん幸せだから。

その女のビーストは、子供が大好きだそうです。だから、子供にやさしくしてやりたいって、言ってるそうです。そんな仕事をいっぱいしたいそうです。

がんばるって言ってるそうよ。




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