世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

愛の響き・9

2008-07-11 08:56:41 | 有為のしらべ

また、妙なものを撮ったなと思ってる方もいらっしゃるかな? 昨日、親戚の農家から頂いたトマトです。前にも、りんごの写真なんか撮ったことがありますが、あれがわたしの最大傑作! 惜しいことに、元の画像はパソコンとともに消えてしまいましたが、ブログに残した小さいのだけは残ってます。ほんと、データはもっと大切に保存しとかないといけないですね。

何の変哲もないトマトの写真に見えますが、見ていると、やさしいなって感じるでしょう? 愛の響きを、感じるでしょう。トマトが、わたしたちに、やさしいことをしたいなって思ってること、わかるでしょう。

ほんとうに、人間は、こんなふうに、たくさんの愛に助けられているんです。トマトやイチゴは、ほんとうにやさしい食べ物。いいんだよ。全部食べなさい。いっぱいいいことしてあげるからね。いつもそう言っている。だから、スーパーなどで、赤いトマトやイチゴの山を見ると、ほっとするでしょう。なんだか、荒れていた気持ちが、すっとなおってくるような気がするでしょう。

愛の響きに、耳を澄ませてみましょう。心を開いてみましょう。

目を閉じて、自分の魂の感覚に集中してみましょう。自分がここにいる、ということを感じて、その奥から聞こえるものを、探ってみましょう。愛がそこに聞こえるはずだ。なんでもしてあげたい。みんなあげたい。いっぱい、いっぱい、愛してあげたい。そういう声が聞こえるはずです。

その感覚に、慣れ親しんでみましょう。

たとえば、スーパーで、A商品と、B商品のどちらを買うか、迷うことがありますね。そんなときね、自分の心の響きに耳を澄ませてみるのです。それでね、愛の響きの世界があると信じて、見えない愛の存在に、尋ねてみるのです。

「これとこれ、どちらを買えばいいでしょう?」

するとね、親切なことをしてあげたいと思う、見えない愛が、すっとあなたの魂にささやくんですよ。するとね、声は聞こえないけれど、なんとなく、A商品がちょっと嫌な感じがしたり、重く感じたりします。そして、B商品が、なんとなくいい感じにみえたり、軽く感じたりするのです。

微妙な感じなんですけどね。そんな小さな感じを、馬鹿にしたりせずに、大事にしていくのです。すると、少しずつ、自分の中に、愛の響きが流れ込んでくるんですよ。B商品を買って帰って、使っていると、あら、なんだかいい感じがするなってことを、見つけていくのです。これを使うと、いいことがあるみたいって。

そうやって、愛の響きに親しんでいくと、いつの間にか、自分のまわりに、いいものやすてきなものが、たくさん集まってくるようになるんですよ。

ほんとよ。要は、信じることです。

このトマトもね、その愛の響きから来たのです。

スーパーで一個のトマトを買ったとき、わたしは思わず言ったのです。トマトやいちごは、とってもやさしい食べ物だよって。そしたらね、親戚の人が山ほどトマトをくれたのです。つまりね、わたしがトマトを心からほめたので、トマトがとてもそれをよろこんで、わたしに、親切にしてあげたいと、思ったのです。そのトマトの愛を感じた、見えない愛の響きが、ふっと、親戚の人の心にささやいたのです。

トマトを、あの人に、あげましょうよ。

そしてね、その人は、なんとなく、トマトをわたしにあげたくなったのです。

ほら、すてきでしょう。あるんですよ、こんなこと。

愛は、いつも、こんなことを、見えないところで、いっぱいしてるんですよ。



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アフラ・マズダ

2008-07-10 17:59:21 | 有為のしらべ

新しいカメラ君で写した写真です。まだなれてなくて、よくわかってないのですけど。今度のパートナーは、前のデジカメ君とは少し違うみたいです。接写モードにすると、前のデジカメ君は、真ん中の虫やチョウチョしか映らなくて、周囲の風景は溶けてしまうのに、このデジカメ君は、みんな写るのです。なんだかな。こんなところから、不思議な愛の響きが聞こえてくる。

魂を閉じ込めて守っていた部屋から、そろそろ外に出ていいよと言われているような。さて、どうかな? 新しいデジカメくんも、わたしのやり方に慣れてなくて、戸惑ってるみたいです。ものにも、魂があるんですよ。そろそろ、とんでもない持ち主に買われたということが、わかってくるでしょう。カメラも大変です。

わたしはカメラを勉強しないから。ボタン3つくらいしか覚えないから、あとはカメラが自分でやるんだよ。さて、今度のデジカメくんは、どんな仕事をしてくれるでしょうか。楽しみです♪ またいろんな写真を撮って、UPしますね。

さて、本題に入ります。

アフラ・マズダは、学校の勉強で習ったことがあるから、みんな知っていると思うけれど、古代ペルシアの、ゾロアスター教の神様です。紀元前6世紀ごろの宗教改革者ゾロアスターが提唱した神。この世界の歴史は、善神アフラ・マズダと、悪神アーリマンとの戦いなのだと。そして遠い未来、この戦いはアフラ・マズダが勝利して終わると。

こういう善悪二元論の宗教は、古い宗教によくあるもので、現代的ではないと考えられてきました。現代の宗教は、キリスト教に代表されるように、すべてを愛と慈悲で許してくれるあまりにもやさしい神の存在を唱えています。善と悪との戦いは、その愛の神の次元より下にあるもの。すなわち、古い価値観に属するものと考えられがちでした。なぜかといえば、近現代では、善とか、正義とかを主張することが、それすなわち偽善、悪になるからです。つまりは、人類のほとんどが、悪に染まらなければ生きてはいけないのだという、ニヒリズム、無常観、虚無感などの強い影響のもとに生きていたため、善と正義が、あまりにも、悲しいものだと、すたれきっていたからです。

正義を主張する宗教が、戦争を起こし、あらゆる殺戮をしている。その現実を見て、人々は善とか正義とかいうものが、あまりにも愚かなものだと考えてきたのです。そんなものは嘘だと、苦り切っていたのです。

そういう世界では、キリストのように、すべてを許して愛してくれる、究極の愛の神が必要とされてきたのでした。どんなことがあっても、どんな罪に落ちても、あの方なら許してくれる。そういう、あまりにもやさしい神。それが必要だったのです。愛の神は、正義の神が、愚かな幻影とされて、世界の舞台の袖にしばられて侮辱されている間、何もかもに耐えながら、苦しい世界を生きねばならない人類の魂を支えてきたのでした。

すべては、愛なのだと。愛はすべてを愛し、そのためにすべてのことをやり、すべてのことに耐える。なにもかもを、愛の中に許す。あらゆることを、微笑みの中に抱きしめる。すべての存在の幸せを願う。愛だけが、信じるに足るものだと。それで、人々はかろうじて、下らぬ屑に落ち切らずに、人間として生きてくることができた。

人類の歴史は、アーリマンの暴虐の歴史でした。

悪神アーリマンは、アフラ・マズダを陥れて封じ込め、その留守中にあらゆる暴虐をしてきた。ひどい嘘をつき、あらゆる人間をだまし、悪こそが正しいのだと、堂々と叫んできた。そのすさまじい嵐のような姿に、人々は恐れをなし、頭を下げないわけにいかなかった。暗闇の謎の中で、アーリマンは、人々の魂のなかに嘘を吹き込み続けてきたのです。善神は死んだ。アフラ・マズダは馬鹿だ。みんなをだましているぞ。

善と正義のすたれた、嘘と幻の世界を、愛の神だけが支えていた。愛だけがなんとかしてくれる。この世界を。苦しみの中で、愛で耐え続けた人々が、アーリマンによって滅ぼされようとする世界を、なんとかして崩壊から救ってきたのです。

ところが、現代、アーリマンはとんでもないことをした。自分たちが正義なのだとするために、愛でさえ、嘘だと言い始めたのです。それは、すべての存在が無に帰する、絶対にやってはならないことなのです。愛はすべて、愛は存在だからです。それを否定しては、すべてがなくなる。そして、アーリマンは、絶望的な破壊をしてしまった。すなわち、自分自身を崩壊させたのです。それはそれは、一切合切が消えてしまう。崩壊よりも厳しい、消滅の危機を、人類にもたらしたのです。

ここにいたって、人類はとうとう、アーリマンがいやになった。悪が、いやになった。あまりに、ひどいからです。人類を恐ろしい暴虐の歴史に導き、とうとう虚無の岸辺にまできた。そこですべて真実がわかったとき、アーリマンはねずみのように、人類の前から逃げたからです。一切の責任を負わず、消えさるからです。

あまりにも愚かだったと、人類が気付いた時。真実の正義の神の存在が必要だと、わかるのです。それがぜひとも必要だと。決してやってはならぬことは、やってはならないという神。正しいものは正しく、間違いは間違いだという神。愛の真実を侮辱するものに、怒りの光で立ち向かう神。

わたしは、許さない。愛の響きを、侮辱しきるものを。すべてを負い、すべてをやっていく。あらゆる不正に立ち向かう。あらゆる間違いを正す。あらゆるものと戦う。

善神アフラ・マズダが、時代のくびきを引きちぎって現れる。もはや、耐えられないから。あまりにも、愚かなことになったのに、だれもそれをやろうとしない。

愚かな男が死に、正しい男がやってくる。

アーリマンにより辱められた仮面を砕き、屈辱に埋められた墓を破り、その光がよみがえる。もはや、男が、やらねばならぬ。

さて。




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ビーストは泣く

2008-07-10 13:50:22 | フェアリィウィスパー

どうにもこうにもなりません。もうビーストがうるさくてうるさくて。しゃべりだすととまらないの。なんでもいってしまう。苦しくって苦しくって、いやなことぜんぶ吐き出してしまう。

聞いてるほうもたまらないので、ブログに書いて発散です。あくまでも、これは、妖精たちから聞いた話。おもしろく聞いて、楽しんでね。

ビーストは泣き泣き、こんなことを言います。

なんでもかんでも、馬鹿にして、みんな人におしつけてきたんです。おまえなんかつらい、馬鹿だっていえば、ぜんぶ他人のせいになって、おれはなんもやらんでよかったんです。うそばっかりで、ずうっとやりました。それだけで、自分はなんもしなくって、えらいいいもんは、みんな盗んできて、なんとかしたんです。

それでずっとやってきたら、ぜえんぶ、だめんなりました。ぼっとして、ずっとやってたら、ばあかになりました。それで、おそろしいこと、ずっとやってきたこと、みんな、あほみたいに、えらいつもりで、かっちょいいつもりで、やってきたこと、みんな、馬鹿になりました。

えらいあほです。

ええ、痛いもん、えれえいいもん、みんなつぶしました。殺しました。ぜえったい、いやだっていって、ぱあにしました。つらいわっていって、いやなやつにして、ぶち殺したんです。だって、みんな、おれよりいいからです。かわいいからです。死んでもずうっと、いじめました。みんな憎い憎い憎い。だってみんな、かわいいから。

おれは、ぱあですから。なんにもしねえから、なんもないのに、みんな、ばかにして、うそだけで、りいっぱに、なりました。馬鹿じゃないかって、思いますよ。

それで、とうとう、えらいことになって、馬鹿みたいに苦しいことになって。ほんと、大変なことになって、つらすぎるよってことになって、つらああああって、逃げます。だっておれ、できませんからあ。なんもやりませんからあ。あんなひどいの、やれませんからああ。つらいからああ。ばかっていって、やりません。つらいっていって、いやだっていって、つうううっと逃げます。いずれはだめんなるけど、いやなんですよおお。いたいんですよおお。どうしてこうなるんだって、ばかです。やったことみんな、おれに帰ってくる。でもそれ、いやだから、なんとかして、なんとかして、だれかにやらんと。どうにかして、どうにかして、おれにはこないようにせんと。どうすりゃいいんですかあ。たすけてくださいよおおって、いったら、ばかですよねええ。

ぜんぶ馬鹿にしたのに、つらいやつばっかだっていって、いっちまえっていって、追い出したのに、なんでこんなのが、あほみたいにえれえんだって、ずうっとやってたのに、おいおい、たすけてっていうんだよお。できないんだもん。ばかなんだもん。やってくれよお。つらいよお。

でも、だれも、きません。おそろしいのは、あほっていったやつが、ずうっと、すごかったことです。おれが馬鹿にしてつぶしたやつらのほうが、ずっといいやつだったことです。みんな、あいつらが、やってくれてたんです。馬鹿っていったら、もう帰ってこないんだよ。

ビーストはずっと、こんなことばっかりいってます。毎日毎日、ほとんど同じことばっかり言ってます。もっとすごいことも言ってるよ。でもそれ、こんなところで書いたら、とんでもないから、書きません。でも、ビーストがあんまりうるさかったら、たまらなくて、書くかも。

やれやれ。これ、大変だわ。今日も一応正編書くつもりですが。どうにかならんもんかな。


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ビーストは酔う

2008-07-10 09:41:44 | フェアリィウィスパー

たんまり、もるひねきかせるんだよ、と見えないビーストが、ささやきます。

苦しそうに言います。

どうにも、わたしがビーストのやってることを、ばらしまくるので、ビーストが苦しくてたまらないのだそうです。どんなに苦しくても、ビーストは、いいことは何もやらないので、どうしてもひどいことになってしまう。それがわかると、辛すぎるので、わかんないようにするんですって。

なんにもわからなくなれば、つらくないんだよ。馬鹿なんてうそだよ。痛くないよ。おれはなんでもないんだよ、こんなの。ぜんぶばかだよ。そうやって、ゆうれいのように、なにもかもから、すうっと逃げて行くんだそうですよ。

ぜんぶ、ぜんぶ、だめんなっても、もう阿呆がいやになっても、ぜったいやらなくっちゃ、苦しいから、やるんだなあ。でも、つらいから、いいんだよ。あほは、つらいよお。だって、つらいんだよ。

そればっかりで、ずっといく。それで、なんでもないことに、したいんです。もういやです。つらいのは。

ずっとやってますよ、おれは。でも、ずっとやってるっていうと、馬鹿なんだよな。それで、ずっとやってるんだよな。

ビーストはずっと、そればっかり言ってるそうです。それでね、おんなじことばっかり、ずっと繰り返して、何もかもだめになっても、まだそればっかりで、つらくってもつらくっても、死ぬに死ねないのですって。なんでって、死神さえも馬鹿にして、嫌われたから。何もかも、馬鹿にしたら、えらいもんに嫌われて、だれにもなんにもしてもらえなくなってきてるんですって。

あのね、あのね、ビーストは何でも馬鹿にして、嫌われるんだけどね、もうそれがひどくなりすぎてるんですってよ。あのね、あんまりにつらくってね、輪ゴムでさえ馬鹿にしたことがあるんですって。輪ゴムが、いやだったからだって。つらいからだって。そうしたらね、どうしても輪ゴムが寄ってこないんだって!! これってね、ほんとらしいよ。なぜか、自分の周りから、輪ゴムがなくなっていくの。そしてね、輪ゴムが必要な時、家じゅう探し回らなくちゃならないんだってさ!

こんなこと、ほんとにあるんですって!!

女の子を馬鹿にしたら、もう絶対に女の子は寄ってこなくなるんだよ。それはね、馬鹿にしすぎたからだって。もう、馬鹿にしすぎたら、絶対にそれが寄ってこなくなっちゃうんだって。もうそこまで、やっちゃったのよ。ビーストは馬鹿にしすぎたの。相当につらいんだって。

それでね、あんまりにつらいから、何にもわからなくするんだって。自分で自分を、馬鹿にするんだって。おれは馬鹿だから、あほだよ~って、つらいのを、なくすんだってさ。それでとうとう、自分にも、にげられるんだってさ。

あ~あって、みんな言ってるよ。まだ気がつかないよ。まだやってるよ。

どこまでいくのかな。早くやめなよ。






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ビーストは盗む

2008-07-10 08:35:30 | フェアリィウィスパー

今日は、ビーストが、どんな感じで人間から皮を盗むかを、妖精が見せてくれました。教えてもらって、知っていたんだけど、実際に見てみたら、あまりにつらかったという感じです。うまく説明できないかもしれないんだけど、書いてみますね。

あのね、ある、痩せたみすぼらしいおばあさんがいたのです。その人は働き者で、とってもまじめないい人なのです。田舎の小さな雑貨屋を、お父さんと一緒に長いことやっているのです。ほんとにいい人なんですが、顔がまずい上に、気持が優しすぎて弱気なので、いつもいじめられているのです。そして、周りに、馬鹿な人だと思われているのです。まじめで、弱気で、痛いことができないから。そんな人は、この世界では失格だ、みたいな言い方をされるのです。

でもそのおばあちゃんは、周りの人みたいに、きついことができなくて、いつもまじめにやっているのです。それでも、なんにもならないで、ただただ、働くばっかりなのです。いつもびんぼったらしい粗末な服ばかり着ています。子供にも、相手にされません。

そのおばあちゃんを見ているとね、一瞬、きれいに見える瞬間があるのです。あっと思うんです。あれは、神様がそのおばあちゃんを、かわいいなっていった瞬間なのです。苦しくても、おまえはずっとまじめなんだねって、神様がそのおばあちゃんにささやいたその瞬間、おばあちゃんはとってもきれいに見えたのです。

でもね、それも一瞬だけ。すぐに、ビーストが盗んでいったのです。だから、結局、おばあちゃんはみすぼらしいまま、悲しそうに、ずっと働いている。

それでね、そのおばあちゃんから盗んだ皮を、だれが着ているのかを、妖精は教えてくれました。

あれねえ、つらいやつにもっていくんだよ。要するにね、臭いやつ。なんにもしてねえのに、えらい感じに見せたいやつ。そいつはね、かっちょいいって感じになってるよ。ずるがしこくて、ばっかみたいにえれえって感じになるんだよ。なんにもしてねえのにかっこいいって感じになるとね、それがたっぷり、苦しいなあって感じになって、それがすげえって感じになって、えらいって感じに、やるんだよ。ほかのやつはみんな、馬鹿じゃないのって感じでやってんの。そんなこともできねえの? こうすれば、あほみたいに、楽してえらくなれるんだよって感じで。苦労してやってるやつなんて、あっほじゃねえのってさ。

そんな感じで、かっこよくなった人が、田舎の雑貨屋のおばあちゃんから、皮を盗んでるんだそうですよ。こんなのより、もっとひどい例があるそうよ。盗まれた人は、それはそれは、辛いことになるんですって。ものすごくいいことをしてるのに、みんなに、馬鹿って言われるんだって。それでね、みんな、辛いことを押し付けられて、ひどいことになってしまうこともあるんだって。

だからね、街で、人から盗んだ皮で、すっごくきれいになってたり、かっこよくなってたりするビーストを見かけると、たまらなくいやになってきました。ビーストはみんな、信じられないくらい、自分をきれいにしているからです。ものすごく恥ずかしいことを、平気でしてるからです。

なんで盗むかって、あんまりそんなことばっかりしているうちに、ほんとの自分の顔が、すごく汚くなってきてるからなんだって。とても人間とは思えない顔になってるんですって。それを隠すために、盗み続けないわけにいかなくて、ずっとやってるんですって。それでね、もっと自分の顔がひどくなるんですって。

ビーストは、やめられなくて、やめられなくて、どんどんひどくなっていくばかり。つらくって、つらくって、たまらないのに、それでもやってるのは、馬鹿がいやだから。自分が馬鹿になるのが、いやだから。でもやればやるほど馬鹿になる。すっごくかっこ悪いのに、見栄えだけかっこいい。すごく馬鹿に見えるのに、すごくえらそうに歩いてる。それしかできないんだってさ。

偉そうにして、きれいにして、周りの人が、何かしてくれるのを待つのしか、できないんだってさ。

いやなやつだって思われてるよ。それがわかっても、やめられないんだね。

馬鹿だね、ビーストは。もうやめなよ。


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薔薇は薔薇

2008-07-09 17:33:47 | こものの部屋

ひさしぶりに、カードです。珍しく、赤い紙を切ってみました。近所のスーパーに買い物に行った折、そこの奥さんが店に飾っていた薔薇の切り花を、分けてくれたので、その花をモデルに描いてみたのです。

大きな赤い薔薇で、それはみごとに咲いていました。ほおっと、立ち止まって、しばらく見とれていたので、奥さんが、「あげましょうか?」と言ってくれたのです。花の好きな奥さんで、お庭に植えてあるのを切ってきて、店に飾ってあったのだそうです。

もちろん、最初は遠慮しました。薔薇は美しいので、それはそれは、大切にしなければ、来てもらってはいけないような気がしたのです。うちには、立派な花瓶もないし、狭くて散らかってるし、薔薇に来てもらえるようなところではないような気がしたのです。それでも、奥さんの気持ちがうれしいので、いただきました。

薔薇を家に持って帰るのは、特別のことです。そそうのないように、しなければいけません。家に帰る道を歩きながら、考えました。ただ無造作に飾るだけでは申し訳ない。狭くて汚いところに来てもらうのだから、何かちゃんとしたことをせねば。小さなコップくらいしか、飾るものはないんだけど、絵のモデルになってもらおう。そして、とてもいい仕事をしてみましょう。それでなければ、薔薇に申し訳ない。薔薇は、そんな花だから。

それで、できたのが、この小さなカードです。薔薇は、薔薇。薔薇が美しいのは、薔薇が薔薇であることを、真実幸福だと思っているから。薔薇は真実の花。私は薔薇だから、美しいのだと。それそのもので、誇り高いのだと。

わたしは、わたしです。だからこそ、美しいのです。これが、真実です。

このカードの意味は、「真実」です。

薔薇は、しばらくわたしの家にいてくれました。賓客のように敬いつつ、感謝して、いてもらいました。そうすると、とても気持ちよく、香りと色の幸福を分けてくれました。正しいことは、美しいんだよと、教えてくれました。

いつかは枯れていく花。けれども、ともにいられるひとときを、特別なことにして、大切に敬うと、花は、ほんとうにいいことを教えてくれるのです。

ありがとう。







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ビーストは逃げる

2008-07-09 13:17:47 | フェアリィウィスパー

ビーストは、なぜ人間に化けたがるでしょう。なぜ、ほかのいい人間の皮を奪ってまで、自分以外のものになりたがるでしょう。それはね、自分が醜くて、いやなことばかりして、えらいこと、難しいことは何もできないからです。そんなやつは、もてないからです。

あのね、ビーストが、この世界で生きる目的は、ただひとつ、セックスをするためなのです。だからね、異性にもてるために、せいだして美人やかっこいいやつ、すごいやつになりたがるのです。きれいにすれば、男の子や女の子が、よってきてくれるからです。

男のビーストは、女の子のために、あらゆることしてるそうよ。それはそれは、ひどいこと、ばかなことを、たくさんやってるそうよ。それに関してだけは、とっても、働き者。というより、それだけのために、どこまでやるの?ということばかりだそうです。すごいんだって。

女のビーストは、ただただ、男の子がいいんですって。男の子といれば、幸せだからなんだって。とにかく、男の子に好かれるために、いろんないやなことしてるんだって。それでね、ずっとそればかりやってると、自分の中身がすごおい、ばかみたいに、きつい感じの、おばあちゃんになるんだって。それを隠すために、ほかのかわいい子から、皮を盗み続けてるんだって。美人じゃないと、男の子が寄ってこないから、とにかく、美人になりたいんだって。

ビーストは、そんなことばあっかり、ずっと、ずうううっと、やってきたもんだから、とてもとても、ひどいものになってしまったんだって。人から皮を盗まなければ、もうだめなくらい、中身がひどくつらいものになったのですって。

そんなことばっかりやってると、いつかは、ひどいことになるのですけど、ビーストはずっと、それから逃げてきたんですって。嘘ばっかりついて、他人のせいばかりにして、こそこそ逃げてばかりいたら、とうとう神様が怒って、全部、払いなさいって、恐ろしい請求書がきたのですって。それでね、すごいことになるのが怖くて、いやでたまらなくて、ビーストは、逃げまくってるそうです。

どうにかして、いやなことして、人に押し付けたり、自分を偉いいいものにして、逃げようとするんだけど、それをやろうとすればするほど、馬鹿が、ばれて、とんでもないことになるんですって。それでね、まだ逃げてるの。いやだよ、そんなのっていって、どうにもできなくって、いたいよっていって、ずうっと、何もしないまま、馬鹿になってるんですって。それでね、まだ、いばってるの。

おれはえらいんだよ。すごいんだよって顔で、きっつい感じで、すうっと歩いていると、他人が馬鹿になってくれる、そんなことばかりでやってきたものだから、それしかできなくなってて、そればかりでやってて、みいんな、正体がばれるんですって。

みんなわかってるよ。ビースト。正体ばればれだよ。っていっても、ビーストはまだきかないで、いやだって感じで、逃げるんです。だって、なんにもできないから。それでね、まだ、やりたいの。

自分が偉いで、ほかはみんなばかだからで、ぜったいいやだで、つらいから、おれのためになんでもしろよって感じで、すうっごおい、もんになりたいからって、ずうっと、馬鹿です。

嘘がばれてしまったら、もう終わりなのに、まだ、嘘でやりたくて、いらいらしてる。みんな、自分のいうことをきかなくなったから、苦しくて、どうにかしてみんなにいやなことして、いうこときかせてやるって思ってる。それで、それがばれて、みんなに嫌われてるの。それでね、馬鹿って言われて、みんな、いっちゃうの。そしたらね、ビーストはもう、なんにもないの。だあれもこないの。それ、ぜんぶいやっていうのよ。でも、どうにもならない。それでビーストはまだ、やりたいんだっていって、ずっとずっと、ずううっと、なんにもしないのよ。

いやだってさ。ぜんぶいやだってさ。そういって、ともだちはみんな、いってしまうよ。もうだれも、君を愛してくれないよ。だって君は、みんな、馬鹿だっていったから。ばーかだっていって、いやだっていったから。

さよならって。ビーストはもう二度と、人間に化けられない。みんな知ってるから。どんなにきれいなものになっても、あれは人間じゃないんだよって、みんな知ってるから。

さよなら。

もう二度と来ないでね。




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愛の響き・8

2008-07-08 18:04:20 | 有為のしらべ

公園に咲いていた、ハルシャギクです。なんだか絵のような、不思議な写真になりました。もうカメラ君も寿命かな?と感じたので、とうとう新しいカメラを買いました。そろそろ、お役御免にしてあげましょう。くたくたになりすぎて、やさしくなりすぎた。天に召されてしまったようです。

もうだめだね、と言いながら、最後にがんばってくれた写真というところ。美しくなりすぎると、こうなるんだね、という写真になりました。

内容が、花や木カテゴリと重なりますが、ハルシャギクは、人間にとって、少し難しい花です。というのは、ハルシャギクがしている仕事は、今の人間にとっては、理解しにくいものだからです。

人間は、すばらしい知能で、世界のすべてをつかんでいるように考えているんだけれど、知らないことのほうが、ずうっと多いってことを、わかっていなさすぎる。愛の響きの世界は、恐ろしく深い。どこまでもどこまでも、奥がある。何気ない道端の花が、世界の創造の秘密に、恐ろしい貢献をしている。それがわからない。

愛は、何万色の薄絹を、何万枚と重ねて、それでも、おそろしいほどすきとおっている。そういうことをすることができる。それがなぜなのか、だれにもわからないのに、なぜか、当然のようにそうなってしまう。それが、恐ろしいのです。

愛は、すべてを耐えます。なぜなら、愛がないと、すべてのものが、苦しくなってしまうからです。愛が、すべてを愛してくれないと、生きる者は、むごいみじめなものとなりはててしまう。何の価値もない、何の意味もない、虚無と化してしまう。だから、愛は、すべてを愛するために、あらゆることに耐えるのです。

耐えることができないものは、愛ではないのです。

けれども、愛の忍耐にも、限界は、あります。愛は、どこまでもどこまでも耐えようとしますが、それを耐えてはいけないという、たったひとつのことまで、耐えようとすると、とんでもないことがおこるのです。

愛が、嘘になること。愛がそれまで耐えようとするとき、愛が、ひっくり返るのです。なぜなら、愛が、自分が嘘になるということにさえ、耐えようとするとき、すべてのものが、一切のものが、苦しむからです。それに、耐えられないというものが、一斉に動き出し、恐ろしい神を、呼ぶのです。

ハルシャギクは、それを知っている。そして、その仕事を、手伝っているのですよ。いつかきっと、わかるでしょう。

やってくる。恐ろしく怒っているものが。

愛が、耐えてはいけないことを耐えようとするとき、それがやってくる。とうとう、やってくる。

アフラ・マズダが、やってくる。

にんげんが、とっくに死んだと思っていた、神が。




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ビーストは嗤う

2008-07-08 14:23:52 | フェアリィウィスパー

ブログの更新は、働き者ですが、いかんせん病人なので、午前中は横になっていました。しばらく眠っていたのですが、目覚めかけてくると、妖精が話しかけてきます。そして、いやなビーストがいま、何してるのか教えてくれるのです。

どんな顔してるのかも、見せてくれるのよ。それはね、とってもひどい顔。うまく言えないんですけどね、たとえば、麗しいお地蔵さまがいて、敬虔な気持ちで、こどものことなどお願いしてたら、突然お地蔵さまがけたけた笑いだして、「ばーか、うそだよ~」って、舌を出したときのような顔です。

見たら、とってもショック。ビーストは、そんなことしてるんですって。一生懸命、子供のために祈っていた人の、正直な心を、馬鹿にするの。なんでって? そんなの、いじめるの、すごく簡単だからだって。弱いやつだからだって。きっついことすれば、こんなやつ、すぐに馬鹿になるからだって。それで、ひどいことやってるんだって。

素直な愛の気持ちで、助けてあげるなんて言ったら、大喜びで、ビーストはやってくるのですって。真っ白な気持の紳士のふりをして、どんなことして、馬鹿にしてやろうかって、考えて、いろんなことするんだって。それでね、ずいぶん、ひどいことをやってきたんですって。

愛はいつも、こうして、ビーストにずたずたにされるんですって。痛ましいほど、愛を馬鹿にしてしまうのは、ビーストが、愛が大嫌いだからなんですって。愛が、きれいすぎるからなんだって。そんなもの、いやなんだっていうの。馬鹿にしないと、きついほど、ビーストが、いたすぎるんだって。ぜったいに、馬鹿にしないと、いやなんだって。それで、ずっと、やってるんですって。

それで、ほんとうにひどいうそを、まっこうから、本気で、つくのよ。それはそれはひどいうそ。ビーストは、真っ正直にきれいな人の皮を盗んで、それになりすますの。ほんとにきれいな、愛になりすますの。形だけは、なんでもしてあげるよ、みんなにいいことばかりしてあげるよって感じの人に見えるのに、やっていることが、ひどすぎるの。あまりに、馬鹿なの。

そんな嘘を、平気でつけるものがいたら、それはビーストですって。それね、やったら、馬鹿なんですよ。だって、見れば見るほど、馬鹿にしかみえないの。絶対に、中身が見えるの。なぜなら、正直な愛をやれる人は、まっすぐに中身がそのまま見える人だから。ま裸になって、心の中が丸見えになっても、平気な人だから。ビーストがそれやると、ビーストの中身が、そのまんま見えるんだよ。それがビーストはわからないもんだから、とってもいいものに化けてるつもりで、すごくえらそうに、気取って歩いてるの。ひどいんだって。

それでね、平気で、みんな馬鹿だっていって、愛を馬鹿にして、嗤うの。こんな馬鹿で弱いやつ、なんでもやってやるよお。完全にひどいもんにしてやる。きっつい、くさいもんになるよ。おれがみんな、やってやるよお。

愛なんてみんな、俺が汚いもんにしてやる。馬鹿は、そうなるんだよ。ば~~か~~。

ビーストはこんな風に、わらっているそうよ。







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愛の響き・7

2008-07-08 09:50:11 | 有為のしらべ

髪ゴムに直接レースを編みつけた、髪飾りです。(シュシュというらしいです。)初めて、ビーズを編みいれてみました♪ それと、その応用で作ってみた、小さなカーネーション。母の日はとっくに終わりましたけど、なかなかかわいいでしょう。でも、とてもわたしはつけることができません。

ビーズつきのほうは、結婚式にでもつけていこうかな? それだとなんとかなりますか? レース編みは、編むのはとても楽しいんだけど、さて、これをどう使おうかなと思うと、困ることが多いですね。いっぱい編んでたまったら、結局は、バザーに出すか、友達にみんな分けてしまうかだろうなあ。それとも、ずっと置いとこうかな。貯めていくのも面白いですし♪ 自分の上達の歴史がわかる宝物ていうのにも、なりそうだな。やっぱり、自分だけの宝物にしておこうかな。それがいいかな♪

小さなパールビーズをレース糸に通していくのは、なかなかにこまかで根気のいる仕事です。最初はなかなか通せなくて、苦心しましたが、やっているうちにコツがわかってきて、すいすい通せるようになりました。直径5ミリ以下の小さなパールビーズを、爪先につまみながら思ったのは、いったいこんなの、だれが作ったのかしら?ということ。小さなパールビーズ、どうやってつくるのかしら。きっと、どこかの小さな工場で、特別な機械を使って、誰かがつくっているのだろうな。その機械は、どんな形で、どんな使い方をするのかな。

その人はどんな人で、給料はいくらくらいかな?とか。おじさんかな、おばさんかな、とか、子供はいるのだろうなとか。かせいできたら、家に持って帰って、みんなで一緒に食事をするのだろうな、とか。テレビをみてたわいない話をして、なんとなく一緒にいる幸せを、棚の上においといて、忘れてることにして、そしてなんとなく、これでいいんだなって感じで、なんとなく幸せなのかな。

そういうばかみたいなことを考えます。小さなパールビーズを、何のために作るのかを考えるとき、人が一番最初に考えるのは、生きていくため。お金をかせぐため。でも、本当の理由があるのには、なかなか気付かない。なぜ人が、かわいい小さなビーズを作るのか。それは、パールビーズが、美しいから。人間がそれを、とても愛しているから。

だれかが、どこかで、こんな小さなビーズをたくさん作ってくれるので、わたしは一人の引きこもり部屋で、ビーズつきのかわいいシュシュを編むことができる。それで、生きるための大切なことを、することができる。小さなビーズの美しさを、魂に食べさせて、生きていくこと。美しさがなければ、人は生きていくことができないから。

だれかがこうして、助けてくれているのだ。どこかで、だれかがいつも、愛してくれているのだ。だからこうして、必要なときに、必要なものがやってくる。美しいものが、すべてを助けるためにやってくる。

これが愛の響き。

助けてあげるよ。なんとかしてあげるよ。なんでもないんだよ。それが当たり前だからさ。やってあげたいのさ。だってそれでないと、ほんとにつらいから。君を助けられないのなら、なぜわたしは、ここにいるのだろう?

小さなビーズをつくること。わたしにはできるんだもの。

苦しまなくていいんだよ。君はばかじゃないから。小さな手を、自分のために使ってごらん。それを愛してごらん。それだけで君は、かわいいから。

小さな手を、愛のために使うことを、自分で、やってごらん。ちっぽけなことでいいんだよ。できることでいいんだよ。へたっぴでもいいんだよ。まだうまくできなくて、ばかみたいな失敗になったら、小さな自分の宝物にして、次をやってみようね。

かえっておいで。もういいんだよ。みんな、わかっているから。

もうわかっているから。ほんとうのきみが、いちばんつらいのは、なんにもできない自分のために、みんなが苦しむことだって。

愛が、すべてをやってくれているのに、自分だけが、ちっぽけで、なんにもできない。それがずっと苦しいんだって。


帰ろう。もう、じゅうぶんに、つらかったね。もうやめよう。

もういいんだよ。






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