世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ビーストの悲しみ

2008-07-08 08:57:36 | フェアリィウィスパー

さてと。毎日書いていると、ビーストがどうやら、まいってきてるみたいです。いつもいらんことをして、わたしをいじめるのですけど、疲れてきてるのか、おもしろい失敗をやらかすんですよ。それでね、やってることがぽろっとばれたりするんですけど、もう、おかしいったら。

今朝がたもね、若い人に化けているビーストが、どんなことをしてるかとか、どんなこと考えてるかとか、いろいろと教えてくれるのです。へえ、ふーん、ほおおお、なんて感じで聞いてるんですが、おもしろいというより、大変だなという感じです。若いコは、若さとびぼーでゴーマンたっぷりにやってしまったプライドとスタイルを捨てるに捨てられなくて、たまらなくつらいって言ってるそうですよ。

でね、おもしろいのはそのあとなのです。話をしていたビーストがね、ぽろっと、「あ、嫉妬を忘れた」っていうんですよ! あのね、ビーストはね、いろいろな話をね、「嫉妬」とセットでやってくれるんです。たとえばね、ある美人に化けたビーストの話をしてると、その陰でそっと、「彼女に嫉妬しちゃえ」てささやくんですよ。そしてね、「嫉妬して、いやなことしちゃえ」て言うんです。

そんな風にね、ビーストは誰にでもささやいてるんですって。「嫉妬しちゃえ、嫉妬しちゃえ」って。だから人間はいつも、心の中で嫉妬がうごめいて、とっても苦しいんですって。こんなものにも嫉妬してしまう、自分はなんて馬鹿なんだって思って、辛いんですって。

でもね、こういう嫉妬の感情は、ビーストがこうやって焚きつけたりかきたてたりしてるのが、いっぱいあるんですってよ。ビーストがそれをやめたら、人間は、それほど強くは他人に嫉妬しないみたいです。それが証拠に、今朝、ビーストが「嫉妬しちゃえ」を忘れたら、全然嫉妬の感情が出てこなかったの。

ビーストはとにかく、人間みんなに、嫉妬してほしいみたい。それは、自分が、嫉妬で、とてもいやなことばかりしてるからだそうなの。嫉妬だけで、あまりにひどいことしてる自分がいやで、たまらなく恥ずかしいの。だから、人間はみんな嫉妬に狂う生き物だ、にしたいみたいなのです。それでね、人間はずっと、嫉妬に苦しめられているのです。

ビーストが悲しいのは、自分が、とってもいやなやつだからなの。醜くて、馬鹿で、何にもやらなくて、ずるくてひどいことばかりするやつだからなの。こんなやつ、大嫌いだって思ってるの。でも、これが自分だといやだから、みんな、うそで、人から皮を盗んで、なんとか、いいやつになろうとするの。ものすごく、それは悲しいことなの。だって。自分はだめだってことだから。ほかのやつのほうが、ずっと偉いってことだから。

ビーストは、人から盗んで得た「自分」を守るために、あらゆる嘘をつくの。そして、ずるいことや悪いことを、いっぱいするの。そうでなくちゃ、絶対にみんなにばれるから。ばれるのだけは、絶対にいやなの。自分のほんとの姿が、一番いやだから。絶対に、隠したいの。でもね、そんな嘘をやればやるほど、自分がつらいの。こんなことやるやつなんだって、自分が、いつもそばにいるから。そんな自分を、いつも見ているから。苦しい。苦しい。おれはなんていやなやつなんだ。いやだ、いやだああ、いやだあああ。

なんもかんもいやだ。みんな、いやなものにしてやる。おれはえらいんだ。すごいんだ。全部、いやなことにして、おれだけ、いいもんにしてやる。それで、みんな、馬鹿にしてやるんだあ。みんなに、復讐してやるんだ。おれだけ、みじめだからだ。みんな、いいからだ。全部、おれより、すごいからだ。つらいよおおおおおお。

ビーストは悲しい。みんなに、嘘をついている限り、ずっと、ひとりぼっちだから。

だあれも、いないから。
だれも、愛さないから。

だから、だれにも、愛されることはない。

みんなをだまして、なんとかして、俺が一番いいにするんだ。そのためには、どんなことだってしていいんだ。俺が一番だからさ。俺だけがすごいんだからさ。だから、ほかのやつなんて、みんな、馬鹿になればいいんだ。それで、全部、馬鹿になるんだよ。いいんだよ。みいいんな、ばっかだから~。

みんな離れていく。何もかもなくなっていく。すべて消えていく。嘘は、ほんとは、最初からなかったものだから。

あ・い・が、ばかでないと、おれは、こまる。でも、あ・い・が、ほしい。おれは。ぜんぶ。ばかにする。それでないと、おれがつらい。みんな、ばかっていうからさ、おれのことを。おれのことを。おれのことを。

だれもいわないよ。いってるのは。おれだけ。

これが永遠の、ビーストの悲しみ。

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愛の響き・6

2008-07-07 14:15:13 | 有為のしらべ

巻き薔薇のコサージュです。本に書いてある通りに作ってみたんですけど、ちょっと失敗してしまいました。レース針の扱いはなんとかなるんですけど、縫い針は苦手なのです。でも、ちょっと不器用な感じが、かわいく見えないこともないかな?

レース編みは楽しいけれど、自分に似合うものは、ほとんどないですね。作るだけが楽しみです。娘がいれば、喜んでもらえるんだけど、男の子ばかりだから、こういうときは、ちょっとつまらない。女の子は、かわいいものや小さなものを、喜んでくれるんですけどね。

喜んでくれるのは、なんでかな? いいものをもらえるから? うれしいから? いいえ、作ってくれた人の、あげたいっていう気持ちを、愛してあげたいから。わかるから。愛はいつも、誰かのために、何かしてあげたいって思ってるってこと。その美しい気持ちを、大切にしてあげたいから。

だから、やさしい子は、ありがとうっていって、喜んでもらってくれるのです。うれしいのです。愛を受け取ってもらったことが、どんなにその人を喜ばせているか、わかるからです。これが、愛の響き。わかるでしょ? ほんとうに、わかるのよ。その人の、ほんとうの気持ちが。だから、理屈ではなく、いつの間にか、ありがとうって言っている。喜んであげたいの。だって、その人はいつも、愛で、いろんなことをしているから。なんだってしてくれるから。おかあさんは、いつだって、そればかりだから。

愛は、与えるものも、受け取るものも、幸せになる。小さな薔薇のコサージュをもらった。どこにつけましょう。かわいいドレスがあるから、それにつけましょう。これは、あの人にもらったの。あの人が、やさしい気持ちで作ってくれたものだから、それをつけると、とってもかわいくなるよ。

愛はいつも、みんなを美しくするよ。そして、懐かしい魂の国からの歌を、聞かせてくれるよ。目に見える風景の奥から、愛が聞こえるよ。

どんなことでも、やってあげるよ。なんでもしてあげるよ。みんななんてかわいいんだ。なんだってあげるよ。すべてあげるよ。

苦しくはないよ。つらいときもあるけれど、いけるよ。どんなことがあっても、ついておいで。いつもいっしょにいてあげよう。君は見えないかもしれない。わからないかもしれない。でもいつも、そばにいて、なんでもおしえてあげよう。怖くはない。みんなが、助けているからね。

愛してるよ。なぜなら君は、わが子だから。

星々の響きが、風のささやきが、いちばん遠くていちばん近い、美しい神様の声を教えてくれる。わからなくても、きこえなくても、それに少しふれるだけで、とても幸せなんだ。だれにでもやさしくしたくなる。

これが愛の響き。ただ、わたしがここにいる。それだけで、いちばんやさしいことを、愛する人のためにしてあげたくなる。

愛の響き。


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ビーストの秘密

2008-07-07 09:01:21 | フェアリィウィスパー

やれやれ、フェアリィウィスパー、評判をいただいているのか、昨日はアクセス数が飛躍的に伸びていました。少々バカっぽく書いているのがいいのかな? 正編(?)よりも好評みたいです。あんまりおもしろがると、ビーストがまたいたずらをするのですけど、わたしも、少々彼らのいたずらに腹を立ててるので、書いちゃうぞ!と書いてしまいます。

ビーストはね、いつも、見えないところから人をいじめて、やーいやーいって、面白がっているのだけど、やっていることは、五万年前と変わらないのですって。つまりね、強いものが弱い者をいじめること。馬鹿っていって、馬鹿にして、弱いやつだけを苦しめて、自分はいい目をみること。つまりは、なんにもできないの。

ビーストはね、いつも、つらいな、とか、いたいな、とかそういう感覚的、生物的なことしか言いません。人間の心の微妙なところとか、苦しみとか、悲しみとか、愛とか、そういうことは、わかりません。そんなの馬鹿だよって、なんにも勉強しなかったからです。それでね、愛とか、生きる苦しみとか、そんなことを勉強して、いろいろなことが深くわかるようになって、きれいになってきた人間がうらやましくて、いじめてばかりいるのです。

できないからって、できる人を、みんなでいじめるのは、人間じゃなくて、どうぶつです。どうぶつなら、そんなことは普通。でも、人間がやったら、もう人間じゃない。ビーストは、人間より、動物に近いのです。

でもね、動物と違うとこは、妙なところが賢いところ。ビーストはね、自分が普段やってることは、絶対に詳しく言わないの。肝心なとこは、ぼやかすの。それはね、全部、はっきりと言ってしまったら、自分が恥かしくなるようなことばかり、してるからなの。

こんなの平気だよ、できないほうが馬鹿なんだよっていって、やってることは、たとえば、嫌いな子の上靴に、ネズミを入れたり、教科書を池に放り込んだり、大事なものを盗んだりすること。それをやってるんだって、人にばれたら、とっても恥ずかしいこと。それをやってるのが自分だって、思うだけでいやになること。

だからビーストは、いつも、何を言ってるのかわからない、という感じのいい方をするのです。おもしろおかしくいうけれど、聞いてる人はいつも煙に巻かれて、結果的に何を聞かされたのか、まるでわからない、という言い方をします。ほんとに、秘密だらけだから。

裏からずるいことをやって、自分よりも強かったりかしこかったりする子をやっつけたら、自分は強いことになるんだって、ビーストはそういうことにしてるの。正面からいったら、負けるにきまってるから。で、そんなことをやってるとは、絶対誰にも言わないのよ。ほんとはとってもかっこ悪いからなんです。それで、表向き自分は、とってもかっこいい人間に化けてるんですよ。

友達の上靴にネズミを入れるような子が、その子の一番の親友の顔ができたりするの。良心の呵責なんて、どっかにしまっている。そんなものがあったら、馬鹿になるだけだって、自分に言って、それで、すごいものになったつもりでいる。

ずっと、化けてるつもりでも、ほんとはね、とっくにばれてる。嘘をついてる人の目はね、どんなにやさしいことをいっても、すごく冷たいから。それがわかった人は、黙っているだけなの。嘘がばれてることを知ったら、その人がとんでもなく苦しむから。馬鹿はとっくにばれてるの。みんなが、いやなことにしないように、黙っててくれてるだけなの。ビーストは、そんなことさえわからないで、ずっとえらいつもりで、人を馬鹿にしてきたんですよ。

そうそう。見えないビーストが、影から、どんなやり方で、人間をいじめてるか、妖精がひとつ教えてくれました。 びっくりするよ。あきれるよ。ほんとかな? わからないんだけど、書いてみますね。みんなどう思うかな。

あのね、たとえば、ひとりのとってもかわいい女の子がいるとするでしょう。ビーストはそんな子を見ると、とたんに嫉妬します。そして、どうしても、その子を可愛くない馬鹿な子にしたいと思うの。それでね、たくさんのビーストが一斉にその子のとこに集まって、その子の周りで、一斉にこういうのよ。

「ばーかばーか、ぶーすぶーす、おまえなんか、だ・さ・い、つ・ら・い、く・る・し・い、いやなことやっちゃえ、きついばかをやっちゃえ、つらいことやっちゃえ~」

これだけなんですって。こういうことを、その子の頭の中で、ずっと言い続けるんですって。大勢で、みんなで、そういうことを、ずっとずっと、やられていると、その子は、かわいかったのに、ほんとに、かわいくなくなってくるんですって。自分がバカみたいなものだと思って、ほんとにばかみたいなことしちゃうんですって。そうやって、その子が、ばかみたいなことをして、悪い子になったら、ビーストは、大喜びなんだって。

「やーい、いやなやつだったよ、こいつ。くるしいなあ、みんなばかじゃん」

ビーストは、これだけしかできないんですってよ。

それでね、自分はね、かっこいい人間の皮を盗んで、すごくいいやつに化けてるの。ずっとそんなことばかり、してるんですって。

さて、ほんとかな?


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もうやめてね

2008-07-06 16:33:01 | フェアリィウィスパー

外に出ると、ビーストがいっぱいいます。最近はとくに、たくさん見かけるの。それで、いやな気持になって、家に帰って、横になってたりしたら、妖精が、ちょっとなんとかしてあげなくっちゃって思うらしくて、いろんなことを教えてくれたりするんです。

それ、ほんとなの? 言われてみれば、そんな感じだけど、書いていいのかな?ていうと、妖精は、書いていいよ、と言います。みんなに教えたら、きっと役に立つからって。でも、てんことしては、ちょと苦しいな。ていうと妖精は、いいよっていいます。なので、書くことにしました。でもちょっと、苦手な分野なので、表現がいま一つ硬くなります。それわ、許してくださいね。

ビーストは、人間に化けるとき、自分の体の、いちばん汚いところを、一番きれいにする癖があるんですって。そこが汚いのが、とっても辛いからなんですって。それでね、ビーストがいま、一番きれいにしたいところが、顔よりも、おしりなんですって。なぜと言うに、そこがいちばん汚いからなんですって。

男の子も女の子も、ビーストが化けてる人間は、お尻だけがやけに小さくてまるくて、きれいに整っているのですって。それはそこが、一番汚いからだそうなの。だから、ビーストが化けてる人間のおしりは、見てると、きれいなのに、なんだかとてもいやな感じがするのですって。

なんでそこが汚いかっていうとね、そこがいうのが、難しいんですが、つまり、硬い言い方をすると、ニクタイのカイラクをブジョクしすぎているからなのですって。妖精はすとれえとに、「ばかがやりすぎ」というのだけど。

げひんですみません。ごめんなさいね。

つまりね、そういうことのために、ひどいことをやりすぎてるのですって。ビーストは。人間とは思えないようなことを、そのことのためにやりすぎてしまったのですって。それで、そこがとても汚くなったのが、いやなので、人間に化けるときは、そこだけ異様にきれいにしてしまうのですって。

町を歩いていて、なんだかお尻だけ目立って整ってきれいにして、見せびらかしているような男の子や女の子がいたら、気をつけてね。それは、そうとうに、危ないビーストです。

ほんもののきれいなお尻は、絶対に出てこないのよ。だって、ほんとはそんなもの、見せるものじゃないから。お尻がきれいだったら、こまるんです。だって、みんな、言わなくても、わかるでしょ。きれいなお尻を見せられたら、それは要するに、それがそれだってことで、つまりは、ようするに、どうしたらいいのかなっていうことで、相当に、こまるでしょ。

つまりはあ、これは、これは、ようするにい、はっきりいわないと、わからないかもしれないので、いうのですが、ようするに、きれいなおしりを、はっきりと、みんなにみせたがるのは、それがしたいって大声でみんなに言ってるようなものなんですう!!

おさるさんのお尻が赤くなって、発情してるんだなってサインを、出してるのとおんなじなのです。人間がそれやったら、本当に困るのよ。

ビーストはこれがわからないから、正体がばれてしまうの。普通の良識ある人間には、とてもできないことだから。

だから、もうやめてね。







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愛の響き・5

2008-07-06 13:57:08 | 有為のしらべ

アイリッシュ・モチーフを組み合わせて作ったコサージュです。小さいパールビーズも使って、気分はすっかり女の子♪ でも、わたしにはとても似合いそうもありません。だれかにあげようかな。

お花を胸につけると、女の子はほんとにかわいくなりますね。なんでだと思いますか? それはね、お花が、ずっと、女の子を助けてあげてるから。女の子は、大変なのです。愛で、なんでも一生懸命にやっても、みんなに馬鹿だって言われるの。それは、この世界は、クールに、エゴイスティックにやれるほうが強いから、そっちがかっこいいからってことに、なってたから。

愛だけで、なんでもやってしまうのは、まるで召使みたいで、ばかみたいなものだってことになってたからなんです。

女の子はずっと、だれかにいばられて、馬鹿だって言われて、いろんなことを、苦労してやって、みんなのために働いて、それで、なんでもない馬鹿になって死んできたから。それで、いやだってこともいうことができないで、皆がつらいことにならないように、がんばってきたから。

だから、花はいつも、女の子を助けてきたのです。女の子が、どんなにがんばっているか、わかっていても、人間はみんな、知らん振りしてしまう。だから、お花がそっと寄り添って、女の子を、きれいにきれいにしてきたのです。お花が、女の子を好きだっていうのよ。なんでって、とってもまじめにがんばっているから。だから女の子には、お花が似合うのです。

愛で、がんばっている人が、お花をつけると、とてもかわいくなるのは、花が、愛してくれてるからなんです。いつも見ているから。誰も見てなくても、わたしはわかってるから。だから、助けてあげるよって。お花がきてくれるのよ。

かわいくなって、みんなが君を愛してくれるようにしてあげたい。みんなが君を大好きになるようにしてあげたい。花はいつもそうやって、女の子のとこにやってくるのです。

これが、愛の響き。女の子に花が似合うのは、お花が、女の子を愛してくれるからなのです。

だれかが、きれいなのは、だれかが、その子を、愛してるからなんです。ほんとよ。

赤ちゃんが、かわいいのは、お父さんやお母さんが、愛してくれてるから。男の子が、すてきなのは、かわいい女の子が、好きになってくれるから。でも女の子のことは、男の子はあんまり好きになってくれないの。馬鹿だっていうんです。男の子が愛してくれないので、女の子は馬鹿みたいにちっぽけに見える。それが苦しくて、お花が助けてくれるんです。

愛の響きの、いろいろな美しい魂が、女の子を助けてくれたので、女の子は、とってもきれいになりました。これはほんとです。

美しいのは、愛だからなのです。愛しているから、愛されているから、美しいのです。愛の響きが、美しい魂の幸福を、胸の中で歌ってくれるから。だから、愛があれば、どんなものも美しくなる。

反対に、どんなに形がきれいでも、愛がなければ、とんでもなく、馬鹿みたいに見える。だって、愛してもいないのに、きれいだから。それはみんな、嘘だって、わかるから。それはね、とっても恥ずかしいことなの。

愛してもいないのに、愛してるふりをして、みんなに愛してもらって、自分だけ得をしたいんだって、言ってることだからなの。それは全然愛じゃないから、美しくないの。

愛の響きが逃げていくと、どんなに形が美しくても、きれいに見えないのです。それは本当です。

美しくなりたい人は、やさしいことやいいことをして、愛の響きに、耳を澄ましましょう。ほんとうに美しい人は、美しくなりたいとは、あまり思わないのよ。だって、美しかったら、みながつらいでしょう。だから、普段は抑え目にして、神様が許してくれるときにだけ、美しくなれたらいいなって思ってるの。それがほんとに、きれいな人。

美しい人は、美しいということを、ちゃんと勉強しています。それはね、服だとかお化粧だとか、そんなものじゃないの。愛と、美しさで、みんなのためにいちばんいいことをするってことなのです。

それができなければ、美人になってはいけないのです。

ほんとうよ。




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ほんとうはもうなにもない

2008-07-06 09:26:31 | フェアリィウィスパー

ほんとはもう、なにもないんだって、ビーストは言います。

ビーストはね、人間が作ったいいものが、とてもほしくて、人間に化けて、無理やり盗んで、自分のものにしてしまうんですって。

たとえばね、今、ちまたに、なんとかの文学賞だとか、音楽大賞だとか、いろんな、とっても立派に聞こえる、賞があるでしょう。あれはね、ビーストがどうしてもあれがほしくて、そんなのをたくさんつくっちゃったんですって。

とにかく、きらびやかに、はでに、美しく、とってもいいものになりたかったんですって。

それでね、すっごい美女に化けて、歌を歌って、完璧な歌手になって、CDを売り出して、とっても売れてるスキャンダラスなシンガーになったんだって。でもね、それ、ぜんぶうそなんだって、ビーストはいうのよ。

ほんとはね、ぜんぜん馬鹿なんだって。無理やり売れてることにするために、いろんなことをやってるんですって。それでね、普通の人は、その歌を聴くと、へえ、売れてるんだねっていって、なんとなく聞いてるんだって。それでね、今はこんなのがいいんだろうなって感じで、なんとなく合わせてるだけなんだって。それでね、なんとなく売れるってことにしてるんだって。

馬鹿が一生懸命にやってるんだけど、もういやになってきてるんだって。ほんとはもう、みんなにばれてるのに、つらいからって、みんながなんとかしてくれてるから。ほんとはもう、とっくに何にもない。人間はみんな、ビーストがどんなことをして、売れてる歌手や作家なんかになっているのか、知っている。その上で、みんなが、ひどいことにしないように、あらゆる努力をして、助けようとしてくれてる。

それがわかるようになって、ビーストはとんでもなく恥ずかしいんですって。

ビーストは人間がきらいで、いつも人間を、馬鹿だっていって、馬鹿にしてきたの。そして、人間から皮を盗んで、人間になって、とんでもなくいいものになったつもりだったの。人間なんて、ビーストが馬鹿にすれば、なんだっていうことをきく。ほんとに馬鹿なものなんだって、思ってたの。それで、みいんな馬鹿にしたの。全部だめなやつだって、言ったの。人間は、頭のてっぺんからつま先まで、全部、だめでできてる。存在するだけで苦しいんだよ。いないほうがいいんじゃないの?おまえなんて。ばっかみたいだよ~。

ビーストはずっと、人間にそう言ってきたの。そして、人間になりたくて、すっごくいい人間に化けて、人間をだましてたつもりだったの。でも、ずっとそればかりやってきたら、いつのまにか、みんなばれてて、人間がみんな、助けてくれてたの。

やっとわかったの。馬鹿は、馬鹿だっていうほうなんだって。

それで、恥ずかしくてたまらなくて、まだやってるんだって。なんにもないのに、ずうっと、派手でぜいたくな、ばかみたいなスターになってるんですって。だれもみないのに、まだ踊ってるんだよ。まだ、歌ってるんだよ。もうだれもいないのに。

ビーストはまだ。やってるんですって。




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だれでもないもの

2008-07-05 20:39:19 | フェアリィウィスパー

今日は三回目の更新です。明日に回そうと思ってたんだけど、あんまりビーストが悪さをするので、もうばらしちゃうぞ!てことで、もいっかい書くことにしました。

ビーストは、わたしがこれ書くのが、とっても困るんだそうです。やめてくれえっていって、邪魔します。でもね、そのわりに、みんな自分で話したりするのよ。聞いてくれよ~、おれはこんなことやってるんだよ~ってね。ビーストも、いろいろつらいことがあるみたいです。

ビーストはね、ほんとはとっても弱いのです。人間がうらやましいのは、人間とおんなじことが、できないから。人間みたいに、難しいことを、やってみたいの。すごいことを、やってみたいの。でね、人間の皮を盗んで、人間に化けるんだけど、正直、人間についていけなくて、いろおんな、ばかみたいなことをやって、結局失敗して、ずらかる、ということばかりなんですって。

社会性、というのが、ビーストには難しいそうよ。つまりは、自分というものがわかって、社会とのバランスをとり、役割をしっかり果たしつつ、自分の名前と個性に責任を持って生きていくというのが、ビーストはできないそうです。

つまりね、ビーストは要するに、大勢でないと、何もできない弱虫なの。みんなでやってるんだってことにして、自分は隠れていたいの。怖いからなの。人間のように、立派なことや、大変なことをやるのには、たくさん勉強して、難しい心の問題も、解決しなければならないの。孤独だとか、命だとか、大切なものに真剣に取り組まねばならないの。それはとっても難しいことなの。勉強しないとできないのよ。でもね、ビーストは全然勉強しないの。ばかだっていって、なんにもやらないの。やるのがいやなんだって。なんでってきいたら、にんげんなんてばかだよーってさ。

ビーストはとにかく、つらいことがいやみたい。自分が痛い目にあったり苦しい目にあったりするのはいやなの。勉強なんかは、ばかなやつにやらせて、おれがバカっていって、なんでもやらせてやるんだってさ。それで、責任とれっていったら、逃げるんですって。痛いことはいや。だれでもいいから、ほかのやつに押しつけるの。それでね、ビーストはいっつも失敗して、馬鹿なことになって、逃げちゃうんですって。

ビーストは大勢が好き。大勢でやってれば、怖くないし、強いし、だれがやってるかもわからないし、まずいことになったら、すうっと逃げることができるから。それで平気で、自分はなんにもやってないよって顔で、ふつうの人間のふりして、生きることができるから。

ビーストはいつも、こんなふうに、大勢の蔭に隠れて、ばれないように、だれでもないものになって、いやなことや悪いことばかりしてるんですって。みんな知ってるんだけど、誰も言えないんですって。大勢だから。いつ、自分がやられるかわからないから。人間も、とっても苦しいんだけど、わからないことにして、なんとかしてるの。

ビーストの別名は、「だれでもないもの」なのよ。自分の名前だとか住所だとかは、絶対に秘密よ。だれだかわかったら、ぜったいにまずいってことを、やってるから。ものすごくいやなこと。そんなことばかり、やってるから。
「だれでもないもの」だから、できるのよ。

でもね、この頃は、ビーストの正体がばれまくってるものだから、もう「だれでもないもの」はできなくなってきてるそうよ。責任とれって、強い妖精に怒られてるんですって。それで、ほんとに困ってるんですって。

人間を心底困らせてきた責任を、十分にとらされるんですって。これからは。

それがつらくて、ビーストはいつも、わたしにくどくど愚痴ばかり言ってるみたいです。早く責任とりにいったらっていうんだけど、つらいのはいやだから、もう少しいるってさ。







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愛の響き・4

2008-07-05 10:17:16 | 有為のしらべ

からし色と淡いグレーのレース糸で、金と銀のお日さまとお月さまを編んでみました。そんな感じでしょ? 赤いのは、昨日のコースターと同じ編み方で、お星さま。火星か、アンタレスです。

こものの部屋カテゴリに分類したい気持ちなのですが、内容的に、こちらのほうに。一目一目こまやかに、レースを編んでいると、魂の波長が静かに、こまやかになってきて、愛が呼びさまされてくるんですよ。静かで、きめ細やかで、薄絹のようにやさしいほほえみの世界が、魂の中で開いてくる。

小さなレース編み、たくさん編んで、いつかだれかにあげましょう。いっぱい編んで、だれかにいいことしてあげたい。そういう気持ちになるだけで、幸せになってくる。そうして、日常のいろいろなつらかったこと、悔しかったこと、痛かったことが、だんだんと遠のき、薄らいでいく。

遠くからやさしい声が聞こえる。いいんだよ。わかっているから。おまえのことはみんな、知っているから。

そうやって一息ついたら、さて、やりましょうか。ほんとに大変だけど、やらなくっちゃ。元気出していこうね!

愛の響きの入口は、こんな小さなところにあるのです。普段はあまり見向きもしないような、当たり前にどこにでもあるようなところ。誰にでもあるような、普通のこと。そんなものが、とても大切な仕事をしています。

人間は知らない。愛が、とるにたらない、ばかみたいなものになって、いつもそばにいることを。

たとえば、さみしい年寄りのそばには、さりげなく、猫がやってくる。それが愛だってことに、人間はずっと気付かない。

さみしげなおばあさんの心に、温かい愛をともしてあげたい。そんなことを思った愛の魂は、人間でなく、猫の形を選んでやってくる。そんなこと、よくあるんですよ。だって、人間より、猫のほうが、自由に愛せるから。なんでもできるから。愛のためだけに、そばにいることができるから。

猫や、犬が、人間のそばにいるのは、人間があまりにさみしくて、苦しくて、いつも魂が泣いているから。愛の響きにいる見えない魂が、助けてあげたいと感じた時、猫や犬になって、やってくるんですよ。ただただ、そばにいて、助けてあげたい、愛してあげたいという魂は、人間よりも、猫や犬の形を選ぶのです。

そんなやさしい魂が、愛の響きの世界には、いるんですよ。

つらいことがあってもね、厳しいことがあってもね、愛の魂は耐えられるし、できることがあるから、猫や犬でも、やれるのです。ほんとうに誇り高い魂は、なんでもない馬鹿なものになってでも、みんなを助けてあげたいって考えるものなの。

そうりだいじんより、猫のほうが、ほんとは勉強が進んでるのす。だって、人間には、なんでもない猫になって、ただその人の幸せのためにそばにいるってことが、愛するためだけにその人のところにくるってことが、まだできないから。

人間はまだ、いっぱい勉強しなくちゃいけないから。

そうやって、みんなが助けにくるんですよ。





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ビーストの悩み

2008-07-05 08:47:42 | フェアリィウィスパー

ここんとこ、日に2回の更新ですね。妖精が教えてくれることが、たくさんあるものだから、書ききれなくて。おもしろいのはいいんだけど、ちょっと内容が内容なものだから、こればっかりだと、てんこがいやなので、後で正編?をまた書きます。てんこはきれいでめるへんなものが好きだから。妖精の話は、ちょっときついんです。

でも、隠しておくのも、もったいなくて。楽しんでみましょ? うそかほんとかわかんないんだけど、妖精がこんなこというんですよ。

ビーストはね、人間の皮を盗んで人間に化けるんだけど、その皮は、ビーストが悪いことをするたびに、痛んでくるんだそうですよ。それでね、ビーストは悪いことするたびに、また人から皮を盗んで、自分にかぶせてるんですって。

かつらなんか、10コもかぶってるそうよ。それくらい人から髪を盗んでこないと、はげてくるんですって!

ほんとはね、人間は、いいことするたびに、かわいくなるんですって。それはね、いいことした人間に、神様が、かわいいなっていうからなんですって。だから、いいことした人間は、神様がほめてくれるぶん、かわいくなるのがほんとなんですって。

でも、そうやってかわいくなると、とたんにビーストがその皮を盗んじゃうんですって。だから人間は、いいことしてもちっともかわいくならなくって、いいことにもならなくって、いつもいつも、何やってもつらいことばっかりだなって、悲しいんですって。正直者は馬鹿見るなって、溜息つきながら、いいことしてる人はいつも、ぶさいくでださいかっこばかりしてるんですって。

でもね、このごろ、ビーストは困ってるんですって。あんまり悪いことばかりしすぎて、人間の皮を盗みまくって、化けまくったら、完璧に化けすぎて、かえって正体がばれてしまうんですって。だって、現実にはありえないような漫画みたいな美人やスーパーマンに化けてしまったものだから。ぼろが出まくって、たまらないことになってるそうよ。

それでね、あんまりひどいことになって、とうとう、かぶっていた人間の皮がいっぺんにはがれて、すごく大変なことになっているビーストもいるそうです。

いっつもそんなことばっかりやってたら、中のほんとの自分が、すごく馬鹿なものになってたんですって。つまりね、他人から盗んだ人間をやってばかりで、中のほんとの自分を全然やってこなかったものだから、馬鹿なまま、まるで成長してなくて、悪いことばかりしてきたぶん、すっごくまずい顔になってるんですって。

ビーストは、とんでもないことになったって、真っ青になってるそうよ。中のほんとの顔がばれたら大変だって、一生懸命に、今も人間から皮を盗み続けているそう。どんどんおかしくなってきてるそうです。

ほんとかなあ? 

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ビーストの世界

2008-07-04 17:11:27 | フェアリィウィスパー

今日もね、妖精が教えてくれたんですよ。

うそかほんとかしらないけれど、今、ちまたに、ビーストが化けた人間が、たくさんいるんですって。

ビーストは、人間がうらやましくて、とってもトンデルかっちょいい人間になりたくて、人間の皮をぬすんで、人間になりすましてるんですって。

周りを見てね、こんな人、どっかでみたなーとか、なんか、漫画みたいだなーって感じる人がいたら、それはビーストの化けた人間だそうよ。

ビーストは、漫画やアニメに出てくる、かっちょいい男の子や女の子が、すごく気に入ってるの。足が長くて細くて、お人形みたいなスタイルの女の子や、腕が頭周りより太そうなたくましい男の人がいたら、それはビーストの可能性大だそうよ。

もっともビーストは、人間みたいに頭がよくないから、いつも変な失敗ばかりするんですって。それでね、仕事で、そういう失敗をやらかして、大変なことになるのに、なんだかな~なんて言って、そのまま忘れちゃうんですって。それでね、日頃はスーパーマンみたいなかっこいいスタイルで、贅沢ばかりしてるそうよ。

ビーストの化けた人間の世界には、亀仙人だとか、孫悟空だとか、ブルマちゃんだとかが、たくさんいるんですって。そっくりなんですって。それがね、いちばんおもしろいのは、ほんとに、まねばっかりだから、全部おんなじに見えるくらい、そっくりなのが、たくさんいるそうよ。

ビーストは、漫画にでてくるヒーローみたいに、できるかっこいい人間になりたくて、いろんなことをやってるんだけど、まねしかできないもんだから、いつも、馬鹿なことばかりしてるんですって。それをね、ばれないように、がんばって、隠してるんですって。でも、最近、人間が賢くなって、ビーストの正体が、いっぱいばれてるんですって。

それで、ビーストは、今、逃げまくってるんですって。なんせ、仕事で隠してた秘密がばれたら、もう大変なことになってたんですって。それで、なんにもできないって言うもんだから、みんな、真っ赤になって怒ってるんですって。それで、ビーストは、さーっと、ネズミみたいに逃げるんですって。その逃げっぷりといったら、すばらしいんですって。今いたと思ったら、もういないそうよ。

そんなビーストは今、どこにいると思う?

普通のおじさんぽくて、きれいなスーツをきて、立派に紳士って感じの人が、昼間っから本屋さんで立ち読みしてたり、コンビニにぼっとして立ってたりしたら、それ、ビーストの可能性大だそうです。大変なことになって、どうしたらいいかわからなくて、そんなところで、ぼうっとしてるそうよ。一見、立派な会社の課長さんだとか部長さんだとかに見えるけど、なんか人間ぽくなくて、変だなって感じがするそうですよ。

ほんとかな? すごくおもしろいけど。

ビーストはね、もうだめだって思ってるそうよ。嘘ばっかりで、人間になりすまして、みんなをだましてきたら、それが大変なことになってしまってたの。もうみんな、大変なの。ビーストがやらかしたことを、がんばって、なんとかしてるのよ。

こんなの、いっぱいいたんだけど、今、とんでもなく、辛いんですって。もうだれも、だませなくなったから。人間が賢くなって、嘘を見抜くようになったから。

これからどうしたらいいんだって、ビーストは今、どこにもいけなくて、人間世界をうろうろしてるそうよ。




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