リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

瀬川千鶴

2024年10月04日 11時05分52秒 | 音楽系

リュートやクラシック・ギターの世界では女性奏者は普通だと思うのですが、ジャズやロックの分野では大半が男性だというイメージがあります。私が知らないだけなのかも知れませんが。

少なくとも40何年か前にフュージョンが流行り始めた頃は、フュージョンギタリストと言えば男性だと相場が決まっていました。その頃私は渡辺香津美のギターアルバムに衝撃を受けていろんな人の演奏を聴いていたのでそれは多分間違いないです。

最近 You Tube で The Jazz Averngers という女性ばかりのジャズ・フュージョングループの演奏をたまたま聴きました。編成は、サックス4人、キーボード、ギター、ベース、ドラムです。その中でギターがとてもいい感じなので名前を調べてみましたら瀬川千鶴というまだ30代の人でした。

キャリアはもう結構長いみたいですが、確実な技術とセンスのある音楽性を聴くことができましたので、早速ソロアルバムを探しましたら1枚出していました。

こっちの分野はシロウトなのであまり詳しくはないですが、昔に比べるとインストルメンタルはぐっと少なくなっている感じがします。そんな中、伝統的?なフュージョンやジャズの分野がまだ受け継がれていることがとても嬉しく思いました。車の中やワークアウト時の新しいお伴です。 次のアルバムが楽しみです。


驚きのワイヤレス

2024年10月02日 10時43分12秒 | 音楽系

iPhone でときどき英語のリスニングをするので、どこにいても出来るようワイヤレスイヤホンがあったらいいなと前から思っていました。はい、大層勉強熱心な私です。

ワイヤレスは多分そこそこのお値段がするだろうからと思いこんでいたのでなかなか購入には至りませんでした。大して勉強熱心ではない証拠です。

一昨日急に思い立ってネットでしらべてみましたら何と安いものは1000円台からありました。まぁ音楽用ではないので、昔の携帯ラジオで使われていたような片耳だけのコード付きイヤホン程度の音が出れば充分と、Xiaomi Redmi Buds 6 Play1380円をポチってしまいました。アマゾンのポイントがあったので実際は0円です。

注文が23時58分頃でしたのであと2分以内に注文すれば明日に届きますと脅されたのであわててポチったのですが、ホントに14時間後(つまり昨日のお昼過ぎ)に置き配されていました。

早速iPhoneとBluetoothのペアリングを行い音を聴いてみましたが、何と驚くことに片耳イヤホンどころの騒ぎではないのです。それどころか高級品に匹敵する?くらいの音が出ています。え?これが1380円?という感じです。

そこで高級品と比較をしてみました。比較品は泣く子も黙るShure SE846です。100倍のお値段の品です。比べてみるとまぁもちろんSE846と比べると音の解像度は劣り音質も少し薄い感じはしますが、それにしてもてっきりドンシャリだと思っていたのでこの音質なら大健闘です。高音域から低音域までナチュラルにバランスよく音が出ています。以前持っていた3万円台の日本製やデンマーク製の品よりはいい感じがしました。クラシックの音楽も充分聴くことができます。

Redmi Buds 6 Playはこの夏に出たばかりの新商品のようですが、ペアリングもとても楽で確実でしたしどうしてこんな値段で出せるのか不思議な感じがしますが、Xiaomiはスマホの巨大メーカーなので量産効果が高いからでしょう。ただこの品、お値段がお値段だけにケーブルは付属していませんでしたので、アマゾンで注文しました。こちらもポイントを使いましたが。

 

 


Finaleがフィナーレ

2024年10月01日 09時20分08秒 | 音楽系

現在楽譜作成アプリは Sibelius を使っています。まだヤマハが扱っていた頃の Sibelius 4 のマニュアルを持っていますので、20年以上前からのユーザーです。初めて買ったのは Sibelius 3だったかも知れません。

現在作曲、編曲に Sibeliusをフル活用しています。孫達のチェロ教室用の作・編曲を始め、少し前に名古屋のミューズ音楽館から出版したギター合奏曲集など楽譜はほとんど全て Sibeliusで書いています。Sibeliusでプレイバックできるので作・編曲で楽器を使うことはありません。バッハのリュート編曲も Sibelius を使います。ルネサンスもバロックも、そしてどんなスコルダトゥーラも対応できます。楽譜を手書きするのはアイデアをメモするときくらいになってしまいました。

スイスにいた頃すでに Sibeliusを使っていました。バーゼルの私の周りの人たちも皆 Sibeliusユーザーでした。噂ではバッハのカンタータ1曲を1日で打ってしまうという人もいたとか。その頃日本では Finale という別の会社のアプリを使う人の方が多かったみたいです。

実はそのFinaleも購入して使ってみたことがありました。でも 直感的に操作できるSibeliusと比べると、Finale はいちいち手順が面倒くさく使うのをすぐ止めてしまいました。ことばで言うと intuitive な Sibelius VS logical な Finale ということになるのでしょうけど、楽譜を書くというもっとも実用性を求められる作業においては Finale では話になりませんでした。

その後 Finale は改善されたのかも知れませんが、日本では一定数の方が Finale を使っているのが不思議でした。しかしついにそのときがやってきました。Finaleは今年の8月一杯をもって開発・販売を終了することになったのです。やはり支持する人が減り販売減に陥っていたのでしょう。

Finale の開発元は Steinberg の Dorico の優待販売をするみたいですが、Finale ユーザーで楽譜を沢山書いていた人であるのなら、アプリの性能を考えると絶対に Sibeliusに行くべきでしょう。Doricoでは力不足、ましてや無料のアプリや日本のベンダーのアプリではもっと力不足です。もっとも楽譜をあまり書かない人であればどれに行っても同じかも。そもそもそういう方は楽譜アプリは必要がないとは思いますが。


BWV1006a(26)

2024年09月29日 14時52分24秒 | 音楽系

ジグの25小節目から終わりまでです。

技術的には大きな問題点はありません。29小節目と30小節目のそれぞれ2拍目3拍目に1,2コースの5フレットを押さえる箇所が出て来ますがここは小指によるプチ・バレです。

31小節目の4拍目のバスはオクターブ弦だけを弾きます。

プレリュードでは3コースをシ♭にすることによるメリットがいくつかありましたが、このジグにおいては特にシ♭でなければという箇所はありません。多少指使いが楽になった感じのところもありますが、まぁ大差はないというところでしょう。

次回からブレに入ります。


あなたにとって

2024年09月28日 14時42分38秒 | 音楽系

テレビ、ラジオ、新聞などマスコミの人から取材を受けるときに決まって同じ質問をされます。それは「あなたにとってリュートって何ですか」という質問です。

マスコミの方が私から聞きたがっている答えは・・・

多分、私の人生そのものです、生きがいです、私を音楽に導いてくれたかけがいのない相棒です、No Lute, No Life といったところでしょうか。考えるのもアホらしいですがマスコミの人はそういう流れの返事がほしいようです。

で、私の本当の答えは・・・

「そんなんきかれても知らんがな」

です。でもそういってしまうと質問者はお困りになるでしょうし、それを読んだり聞いたりしたリスナー、リーダーの方もがっかりするでしょうから適当にそれっぽいことを答えることにしています。

山男にどうして山に登るのですかと尋ねたら、「そこに山があるからだ」という答えが返ってきたという話はよく知られた話ですが、(多分ネタだと思いますが)その山男にしても本当の答えは恐らく「そんなん知らんがな」だと思います。

いっそ「リュートにとってあなたは何ですか」の方がいい質問だと思いますね。これなら真剣に考えて答えるかもしれません。

 


BWV1006a (25)

2024年09月27日 21時25分01秒 | 音楽系

後半から24小節までです。(17小節目のアウフタクトg の八分音符が抜けていますが、ご了承の程を)

ものすごく簡単という訳ではありませんが比較的引きやすい箇所です、24小節目を除いては。

24小節めのバスが16分音符で下っていくところは、Esが出てくるために10コースの1フレットを押さえてEsを出さなくてはいけません。ここはなかなか技術的なリスクの高いところです。私の楽器はネックが細いので実は10コースがギリギリでしか指板にかかっていません。11コースは全く指板外でここを押さえてド♯を出すことは物理的に不可能です。(確かヴァイスの曲で11コース1フレットを押さえてド♯を出す曲があったと思います)

かなり練習しても人差し指が11コースのオクターブに触ってしまってドの音が出たり、そもそも10コースの1フレットにパッと届くのはかなりリスキーです。

まぁこういうリスクを避けるために、このバスのフレーズをまるごと1オクターブ上げたり、ミ♭とレだけ1オクターブ上げて5コースで弾くという少々インチキっぽい方法も考えられますが、あまりこういうことはしたくないです。


山下愛陽ギターコンサート

2024年09月26日 17時34分15秒 | 音楽系

今村氏桑名滞在2日目、津市の三重文化会館大ホールで開催された山下愛陽ギターコンサートを一緒に聴きに行きました。コンサートの入場料は何と破格の500円!ただチケットの前売りはなく、受付で500円を払うというシステムです。

コンサートの開始が11時30分、開場が10時45分なので、もし入場できないといけないので家を8時30分に出ました。到着したのが9時半過ぎでしたが、まだ10人くらいの人が並んでいるだけでした。時間があるので併設のカフェでゆっくりしましたが、カフェから出たら驚いたことに目の前には長蛇の列。

この写真のあたりが最後尾で左カドを曲がったところからもずっと列は続いていました。

コンサートのプログラムは

デ・ラ・マーサ/暁の鐘、ソル/モーツアルトの「魔笛」の主題による変奏曲、バッハ/リュート組曲BWV997、テデスコ/悪魔の奇想曲

で休憩無しの約1時間のコンサートでした。

終演後はサイン会もありました。

終演後は桑名まで戻り、今村氏を長島温泉に連れて行って日頃の疲れを癒やしてもらいました。温泉のロッカーキーの番号が何と998でした。(笑)組曲ハ短調の次、プレリュード・フーガ・アレグロですね。リュート奏者なら気になる数字です。

 


唐田さんのスタジオを訪ねる

2024年09月25日 23時02分56秒 | 音楽系

桑名滞在中の今村氏とチェンバロ製作家唐田さんのスタジオを訪ねました。私は二度目ですが、今村氏にとっては初めての訪問。

唐田さんのスタジオは蒲郡市の少し山沿いの地域にあります。先月大きな崖崩れがあったところはすぐ近くだったそうです。無事で何より。

スタジオで作りかけの楽器や完成した楽器を見せてもらっていましたらお昼になりましたので唐田さんお薦めの料理店に連れて行ってもらいました。三河湾の海岸にほど近い所にあるお店でいろんな地魚を食べさせてくれると評判だそうです。

3人とも注文したのは地魚の甘酢あんかけ定食でとても美味。ごちそうさまでした。

帰りに竹島に寄って行きました。あの島と同じ名前の島が愛知県蒲郡市にもあります。

橋の向こうのぼた餅を半分にしたような島が竹島です。このあたりはきれいに整備されていてあちこち歩いていたら時間が経ってしまい、大人気の竹島水族館は残念ながら入館時間を過ぎてしまっていました。また今度ですね。

 


今村泰典講習会2024

2024年09月24日 23時24分54秒 | 音楽系

今日は今村泰典講習会2024が名古屋市中村区のスタジオ・フィオリーレで開催されました。

気象情報では雨の予想が出ていましたが、上手い具合にはずれてくれました。北の空に怪しげな雲が出てはいましたが。

今年は途中キャンセルが続いたりして参加される方が少な目でしたが、皆さん大変熱心に今村氏のレッスンに耳目を傾けていました。

リュート以外に今年はヴァイオリンの参加者もありました。

ゆくゆくは閉じたリュートの世界でなく古楽全般の講習会にすることを考えていますので、今回のヴァイオリン(+通奏低音)での参加は大変喜ばしいことです。全てのレッスンが終わったあとは今村氏が来年の2月にナクソスから発売するバッハのチェロ組曲の録音を発売に先駆けて皆さんと鑑賞いたしました。

講習会後は名古屋市内某所で打ち上げ、こちらの方もなかなか熱がこもっていました。(笑)


いよいよ開幕

2024年09月23日 18時47分49秒 | 音楽系

バロック音楽の旅17シリーズが始まりました。昨日は第1回でバロック音楽基礎講座でした。いつものようにパワポで音楽も流しながらプレゼンをしました。

今年はやっとコロナ禍の影響を脱したのか、応募された方は89名に達しました。コロナ禍の影響があった?昨年と比べると倍くらいの応募です。

さすが応募が増えただけ合って、開場と同時に沢山の人が列になって受付に並びました。

14時30分の開場時の受付。この写真の左側にまだ10数人の方が並んでいらっしゃいます。

今年は一気に増えただけに、初めてこの講座に来られる方が約半数となっていますので、プレゼンの内容もあまり沢山の事柄を盛らないように留意しました。

今年はコロナ対策はほぼ終了し、席も基本3人掛けでお願いしました。一応手の消毒装置だけは用意してはありますが。(3年前に大量に消毒用アルコールを買ったのでまだ余っています)

次回はレクチャーで「秀吉の聴いた西洋音楽」というタイトルでプレゼンします。既存の説を打ち破る内容にするつもりです。