リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

湯の峰温泉

2025年01月06日 08時46分19秒 | 日々のこと

お正月をゆっくりと過ごそうと和歌山県の湯の峰温泉あづまやという旅館に来ています。三重県の最南端の町、紀宝町に隣接する和歌山県新宮市から内陸部に向かい40分ほど車で行ったところに湯の峰温泉はあります。ここのつぼ湯はなんと世界遺産です。

ここは周りに火山がないにもかかわらず90度以上の高温の硫黄泉が湧出するというめずらしい温泉で以前から注目していました。でも多分狭い山道を行かなくてはならないだろうと思い込んでいたので行くことはありませんでした。

コロナ禍真っ只中だった4年ほど前にここだったら誰もいないだろうからコロナに感染するはずはないだろうと考えて思い切っていってみましたら、意外にも道はきちんと整備され途中の紀勢道も大半が無料となかなか交通の条件がいいところでした。実際この温泉地には当時本当に人がいなくて、観光地であるはずなのにウチの近所より人が少なかったくらいです。以来わが家の温泉旅行の定番になりもう何度も訪れています。最近はさすがに訪れる人が増えてきました。

朝の7時ころ。人がぽつぽつと出てきています。正面のお寺さんの奥には昨年リニューアルした公衆浴場、左奥に世界遺産のつぼ湯があります。

ここの温泉の泉質は評判に違わず素晴らしいのひとことです。高い温度の白濁した硫黄の湯は鹿児島や箱根の温泉を想起させますが、紀伊半島には火山はありません。昔このエリアには熊野カルデラというのがあったらしいですが、1200万年前に破局的大噴火を起こしたそうです。熊野カルデラは白浜から内陸部の湯の峰を結び本州最南端の串本の少し南の紀伊勝浦を結んだ半円部分が現在の紀伊半島南端にあります。半円の下半分は海底にあるそうです。

私の勝手な想像では、和歌山の著名な温泉がこの熊野カルデラの淵に沿って点在していることから今は火山がなくてもかつての火山活動に起因した温泉が存在しているのではと考えています。白浜も湯の峰も紀伊勝浦もそれぞれ素晴らしい泉質を誇っています。鹿児島の姶良カルデラや神奈川県の箱根カルデラの淵にそって温泉地が連なっているのと同じです。

今日はこちらは小雨が降っていますが、熊野本宮や速玉神社に初詣にでかけようかと思っています。