コンサートをするときは必ず弦とフレットの替えそれにフレットを巻くための工具(ラジオペンチですけどね)を持って行きます。今までのコンサートでは、フレットが演奏中に切れるとか、ガット弦が曲の途中でプッツンとかいろいろありました。でも備えあれば憂いなしで、コンサートを中止にしなくてはならない事態になったことはありません。
愛知県の小坂井町で行ったコンサートでは、曲の途中でフレットがプッツンしたので、その時点で休憩を15分取ってていただき、その間にフレットを巻き直して、その後続行しました。名古屋バロック音楽協会の記念演奏会(5年くらい前だったかな)では、本番の30分前に1コースのナイルガットが切れてしまいました。これももちろん予備があったのですぐ張り替えましたが、本番では弦が安定せず、1曲分(しかも繰り返しナシで)しか調弦が持ちませんでした。繰り返しをすると、その分時間が長くなるので、弦の狂いがはなはだしくなる、ってことが分かってましたので、次善の策として繰り返しナシにしたわけです。
まぁ、いろいろありますね。リュート奏者は大変です。弦が多いと調弦が大変ですが、その数に比例して管理も大変になってくるわけです。フレットが切れるのは、要するに古くなってきたフレットを、巻き替えるのがめんどくさいのでそのまま使っているからというのが原因ですので、小坂井町でのコンサート以降は定期的にきちんと替えています。最近では、コンサートの前に減りが見えていたら必ず替えます。
弦が切れるのは、ガット弦の場合は切れて当然の世界ですから、それなりの覚悟で臨みますが、合成樹脂弦の場合は基本的には切れないので、もし切れた場合は何らかの不測の原因があった場合でしょう。ただ、ナイルガットの細い弦は、ちょっとひっかかりがあったりすると切れることがあります。これはいままでに何度も経験しています。プレーンナイロン弦は今まできれたことがありません。ナイロン芯の巻き弦も今までは切れたことがありませんでした。
それが昨日のコンサートで、4コースの巻き弦がこともあろうに曲の途中でプッツンと切れてしまいました。カンタータ97番の最後のアリアの途中でした。あ、っと思ったときは、もう弦がペグから真下にぶら下がっていました。でも曲の途中なので、止めるわけにはいかず、4コースを避けたり、5コースで音を替わりに取ったりして、しのぎました。あとで、ソロの歌手に聞いたんですが、リュートの弦が切れていたとは気が付かなかったそうです。そりゃ、こっちは必死で4コースなしのコードフォームを探していましたからね。その話を聞いて、ひと安心。(笑)
97番の最後のコラールを弾いているときにどうしようかと考えました。ペグからぶら下がっている弦をチラッと見ると、結構ブリッジよりのところで切れているみたいでした。そこで、次の89番の第1曲目のアリアを止めて、弦を見てみることにしました。このアリアはオーケストラ伴奏なので、リュートの通奏低音がなくても大きな影響はないからです。指揮者のアグアヨ先生もこっちの異常事態にはすでに気づいていて、第1曲目はナシねって、こちらから目で合図を送りました。
曲が始まって切れたところの様子を見てみると、張れる分だけの長さは充分にありました。というのも、最近はペグで弦を結ばずに、できるだけ巻き込むようにしているので、その分が仕使えたからです。そうとわかったら、すぐ問題は解決しそうです。ブリッジに残っている切れた片方の残骸を外し、ステージ上で弦張りです。巻き弦の芯の繊維がたっぷり残っていて、ブリッジの穴に入れにくくちょっとあせりましたが、こういうときはつばをちょちょっとつけて(笑)先を細くしてなんとか穴に入れました。
ここまでいけばあとはもうちょっと、弦をしっかり結んで、音を7コースのオクターブ上に合わせて完了、その頃曲は半分すぎていました。楽譜を見て(パート譜ではなくスコアを使っていたので助かりました)現在の場所を探し、終わり四分の一くらいのとこで、現在位置をゲット、そこから途中参加しました。それ以降は、しばらくは弦のゆるみがあったものの、それも途中でおさまり、何食わぬ顔をして最後の109番まで弾き終えました。ほっ。(笑)
しかし、何で4コースが切れたんでしょうね。弦はP社の弦で、もう1年以上使ってますが(それが一番イカン)、可能性としては、ブリッジに巻いてある部分から切れたということが考えられます。それ以外はまずあり得ないでしょう。それにしても今まで巻き弦が切れたことはなく(2フレット上で、巻きの金属が切れて、中のフィラメントむき出しであっても切れたことはなかったのに)こういう想定外のこともあるんですね。やっぱり弦は早めに替えましょう、リュートを演奏する皆さん。(笑)
愛知県の小坂井町で行ったコンサートでは、曲の途中でフレットがプッツンしたので、その時点で休憩を15分取ってていただき、その間にフレットを巻き直して、その後続行しました。名古屋バロック音楽協会の記念演奏会(5年くらい前だったかな)では、本番の30分前に1コースのナイルガットが切れてしまいました。これももちろん予備があったのですぐ張り替えましたが、本番では弦が安定せず、1曲分(しかも繰り返しナシで)しか調弦が持ちませんでした。繰り返しをすると、その分時間が長くなるので、弦の狂いがはなはだしくなる、ってことが分かってましたので、次善の策として繰り返しナシにしたわけです。
まぁ、いろいろありますね。リュート奏者は大変です。弦が多いと調弦が大変ですが、その数に比例して管理も大変になってくるわけです。フレットが切れるのは、要するに古くなってきたフレットを、巻き替えるのがめんどくさいのでそのまま使っているからというのが原因ですので、小坂井町でのコンサート以降は定期的にきちんと替えています。最近では、コンサートの前に減りが見えていたら必ず替えます。
弦が切れるのは、ガット弦の場合は切れて当然の世界ですから、それなりの覚悟で臨みますが、合成樹脂弦の場合は基本的には切れないので、もし切れた場合は何らかの不測の原因があった場合でしょう。ただ、ナイルガットの細い弦は、ちょっとひっかかりがあったりすると切れることがあります。これはいままでに何度も経験しています。プレーンナイロン弦は今まできれたことがありません。ナイロン芯の巻き弦も今までは切れたことがありませんでした。
それが昨日のコンサートで、4コースの巻き弦がこともあろうに曲の途中でプッツンと切れてしまいました。カンタータ97番の最後のアリアの途中でした。あ、っと思ったときは、もう弦がペグから真下にぶら下がっていました。でも曲の途中なので、止めるわけにはいかず、4コースを避けたり、5コースで音を替わりに取ったりして、しのぎました。あとで、ソロの歌手に聞いたんですが、リュートの弦が切れていたとは気が付かなかったそうです。そりゃ、こっちは必死で4コースなしのコードフォームを探していましたからね。その話を聞いて、ひと安心。(笑)
97番の最後のコラールを弾いているときにどうしようかと考えました。ペグからぶら下がっている弦をチラッと見ると、結構ブリッジよりのところで切れているみたいでした。そこで、次の89番の第1曲目のアリアを止めて、弦を見てみることにしました。このアリアはオーケストラ伴奏なので、リュートの通奏低音がなくても大きな影響はないからです。指揮者のアグアヨ先生もこっちの異常事態にはすでに気づいていて、第1曲目はナシねって、こちらから目で合図を送りました。
曲が始まって切れたところの様子を見てみると、張れる分だけの長さは充分にありました。というのも、最近はペグで弦を結ばずに、できるだけ巻き込むようにしているので、その分が仕使えたからです。そうとわかったら、すぐ問題は解決しそうです。ブリッジに残っている切れた片方の残骸を外し、ステージ上で弦張りです。巻き弦の芯の繊維がたっぷり残っていて、ブリッジの穴に入れにくくちょっとあせりましたが、こういうときはつばをちょちょっとつけて(笑)先を細くしてなんとか穴に入れました。
ここまでいけばあとはもうちょっと、弦をしっかり結んで、音を7コースのオクターブ上に合わせて完了、その頃曲は半分すぎていました。楽譜を見て(パート譜ではなくスコアを使っていたので助かりました)現在の場所を探し、終わり四分の一くらいのとこで、現在位置をゲット、そこから途中参加しました。それ以降は、しばらくは弦のゆるみがあったものの、それも途中でおさまり、何食わぬ顔をして最後の109番まで弾き終えました。ほっ。(笑)
しかし、何で4コースが切れたんでしょうね。弦はP社の弦で、もう1年以上使ってますが(それが一番イカン)、可能性としては、ブリッジに巻いてある部分から切れたということが考えられます。それ以外はまずあり得ないでしょう。それにしても今まで巻き弦が切れたことはなく(2フレット上で、巻きの金属が切れて、中のフィラメントむき出しであっても切れたことはなかったのに)こういう想定外のこともあるんですね。やっぱり弦は早めに替えましょう、リュートを演奏する皆さん。(笑)