リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

名古屋バロック音楽協会夏季セミナー09

2009年08月16日 16時44分47秒 | 音楽系
名古屋バロック音楽協会主催の夏季セミナーが終了しまして、会場の高山から帰ってきました。今回の講師陣は、ヴィオラ・ダ・ガンバに福沢宏さんをお迎えしました。実は彼とは旧知の仲でして、若い頃から何度か共演させて頂いたこともありますし、このセミナー自体にもかなり前から来てもらっていておなじみの方です。

高山に行くのはだんだん便利になってきていまして、最近では市内まで直で高速道路がつながっています。今回の行きは、高速道路代金が1000円の日ではないので、多分すいているだろうと思っていましたが、大当たりで、1カ所ちょっとした渋滞があった程度で大変スムーズに行くことができました。帰りは「1000円の日」なので、一般道を通りましたが、大変道はすいていました。もっとも途中一杯寄り道をしましたので、自宅に到着したのは夜になってしまいましたが・・・(笑)

この名古屋バロック音楽協会主催のセミナーは毎回地域的なテーマがありまして、今回はフランス。リュートはどの地域になっても何かしらソロ曲がありますが、講師演奏会のソロ曲は他の楽器と大体合わせて、フレンチバロックの曲から選んでみました。ド・ヴィゼーとドゥニ・ゴーティエと17世紀はじめの作者不詳曲を演奏してみました。もっとも使った楽器が、通奏低音で使っていた、ニ短調調弦にしたフレンチ・テオルボでしたので、ド・ヴィゼーはいいにしても他の曲はちょっと大振りなイメージを与えてしまったかもしれません。

今回のセミナーは昨年より少し多く、40人近くの参加者がありました。この位の人数だと、会場を貸し切りできるので、ありがたいです。年齢的には上は60代下は20代とヴァラエティに富んでいました。バロック音楽を聴いたり演奏したりする層が高年齢化しているとよく言われますが、意外とそうではないかも知れないんですね。

海外の夏季セミナーもいくつかはいろいろな事情があって開催されなくなっているものもあります。例えば、私も2004年に参加したことがあるベルギーの某セミナーはもうすでにやっていません。あるいはイタリアの某セミナーもいまはやっていないとか、こういったセミナーはなかなか続けていくのがいろいろ大変なことが多いようです。そんな中でこの名古屋バロック音楽協会主催のセミナーは、ぼちぼちご長寿記録に載せてもらってもいい存在になりつつあります。



会場のペンション・オープン・ハートは、高山市上宝の山の中、すぐ近所には霊験あらたかと言われているわき水もある、自然に恵まれたところにあります。しかも音楽に特化したペンションですので、演奏ができる別棟ログハウス「奏楽堂」があります。ここは大変音響がすぐれた場所でバロック音楽の演奏には非常に適しています。最近では、奏楽堂が増えてきまして、現在小さなものを入れると第4奏楽堂まであります。これらの奏楽堂で演奏する限りは24時間音だしオーケーという恵まれた環境です。(さすがに24時間やっている人はいませんが・・・)バロック音楽やルネサンス、中世音楽に興味がある方はぜひ来年お越し下さい。きっと音楽三昧の4日間をお過ごしいただけるのではないでしょうか。