リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

共感覚、絶対音感

2011年11月15日 13時20分14秒 | 音楽系
心理学がご専門のmamekichiさんから、私は共感覚の持ち主だと教えて頂きました。(前回の投稿のレス参照)共感覚を持っていたリストやメシアンなんかと同一線上に並べられるとなんか急に偉くなったような・・・(笑)

調によって色を感じるという共感覚の前提としては、絶対音感が必要だと思いますが、一応ナンチャッテ絶対音感みたいなのは持っています。でも前回のレスに書いたように、一定の条件下でないとだめなので、あんまり役に立たないのです。コップをたたいて、はい、これはレの音です、みたいなのは100%できるわけではありません。

駅の構内で音楽が流れていないところで、発車の合図の音の音名はわかりますが、発車や到着の合図の音楽が流れているとだめなんです。頭の中に音階のモノサシがあるんですが、音楽が流れているとそのモノサシは出すことができません。(笑)

音階の判断もそのモノサシをあてて判断するので、少々時間がかかるときがあります。音を聴けばたちどころにドレミが分かる人もいますが、同じ絶対音感と言ってもそういう人とはえらい違いです。まぁ、私のような程度ではホンモノの絶対音感とは呼べないかもしれないので、ナンチャッテ絶対音感と称してるわけです。

私は世の中の普通のピッチより約半音低いピッチの楽器を演奏する古楽器奏者ですから、最近のモノサシは半音低くなっています。試しにさっきレの音を想いだしてみて楽器で確認してみましたが、やっぱり半音低いです。でもリュートで覚えた曲が、半音高く頭の中で響いているときもあって、やっぱり混乱しているのかも。

440ヘルツで調律されたピアノでもって絶対音感を獲得した人で、ものすごく頑固な絶対音感になってしまった場合は、415ヘルツ(約半音低いです)のチェンバロだと頭は大混乱するようです。たとえば、チェンバロではハ長調なのに、その人の耳にはシャープが5つもついているロ長調に聞こえるからです。415ならまだしもその中間くらいのピッチだと、ドでもレでもないので、頭の混乱はマックスになるそうで。でもこれは結構個人差があるようで、結構柔軟性のある人もいるようです。

私の場合、子供の頃、ゆるんだ弦のヴァイオリンを弾いていて、かつ2年くらいで止めてしまうという中途半端なことをしていたので、ナンチャッテになったんだと思いますが、まぁ、そんなくらいで結果的にはよかったです。いろんなピッチが存在するリュートで、頑固な絶対音感があったら、すごく不便ですからね。(笑)