リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

スペインのヴィウエラ

2013年03月18日 13時13分49秒 | 音楽系
先日アメリカ人製作家のCezar Mateus氏にヴィウエラを注文しました。完成は20ヶ月先とのこと。スペインのヴィウエラ曲を弾くことは最近はあまりありませんが、それでもルイス・ミランやナルバエスの作品をルネサンス・リュートで弾くときがときどきあります。昔は結構プログラムに入れてた時期もありました。

前から楽器を欲しいとは思っていましたが、なんとなく優先順位が低くて・・・でも最近某ギター専門誌でヴィウエラ特集をやってたり、西川和子さんの「ギター前史 ビウエラ七人衆: スペイン宮廷楽士物語」という本を買ったりして優先順位が上がってきました。(笑)

大昔オランダ・デンハーグのヘメーンテ博物館でルイス・ミランの「エル・マエストロ」の現物!を手に取って見たことがありました。博物館に行って、興味があるので見たいと告げましたら、ドンと現物を机上に持ってきてくれました。ちょっと驚きでした。手稿本の現物はだめだけど、印刷本ならいいということでしたが、当時ですら発行されて440年経っていた本です。(1536年出版、ヘメーンテで見たのは1976年です)今は多分だめでしょうけど、ほんとよく見せてくれたものです。羊皮紙に印刷された「エル・マエストロ」は440年の歳月を感じさせないくらい色白で、黒と赤の文字も大変鮮明だったことを覚えています。

今エル・マエストロのモノクロコピーを持っていますが、それはヘメーンテにコピーを依頼したモノではなく、ヘメーンテで見るより前に大英博物館に依頼したものだと記憶しています。当時、フェンリャーナもコピーを依頼しまして持ってます。その後、ナルバエスはバーゼルにいた頃楽譜屋さんで購入、その少し前に神田の古賀書店でピサドールのミンコフ版を格安で購入。残りの三人分は、Tree EditionのCDロム版を昨年の6月頃に購入しまして、これでめでたく7人衆全てそろったわけです。



Tree Editionの版は、全員分入っているので、まぁ4人分はかぶってしまいましたが、カラー版なのでいいかと思い購入しました。価格がとても安いかったし。で、そのCDロムを見てみようと本棚を探しましたが、あると思っていたところにありません。

あれれれ、これは一大事。本棚以外のところに持っていくことはないはずなので、本棚を徹底的に調べましたがありません。注文したこと自体が勘違いだったのかなと、昨年のメイルを見ましたら、やはり確かに注文しています。

むむむむ、かくなる上は、値段も安かったことだし、もうイッチョウ買うかということで購入したサイトを見ましたら、もう販売されてません。残り3人分はまた別に買うしかないかと、2時間くらい捜索した後がっくりとうなだれて、その日の捜索をあきらめました。

翌日、ふと思い当たる場所がありまして、そこを見ると当然のように本棚の一角に収まっていました。実はその場所、二番目に見たところでした。なぜ見つからなかったかというと、そのCDロムはCDが袋に入っているという形状だと思い込んでいたので、そういうものばかりを探していたのです。実際のものは組み物のCDみたいな立派なケースに入っていました。本棚のそのあたりは指でさわってもいたくらいでしたが、思い込みというのは恐ろしいものです。ま、無事見つかってめでたしめでたし。