リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

寺コンなう

2013年04月02日 12時02分30秒 | 音楽系
愛知県西尾市の養寿寺でのコンサート開始30分くらい前です。ここでは3年前にもコンサートをさせて頂きました。その時は仏様にお尻を直接向けるのは恐れ多いということで金屏風を後ろに立ててもらいましたが、今回は融通無碍にもジカ見せで演奏することに相成りました。

曲目は、ヴィヴァルディとコハウトのリュート・コンチェルト、ヴィヴァルディのラ・フォリア、拙作のモーニング・メヌエット、帰り道のブレ他でした。共演はバロック・ヴァイオリンの熊谷祥子さん、渡邉瑞恵さん、ヴィオラ・ダ・ガンバの熊谷寿彦さんです。



開演30分くらい前でまだ人はパラパラでした。奥に金ぴかの仏様、画面中央上部には室町時代の作で国宝級といわれる涅槃図が見えます。この涅槃図は養寿寺の「矢田のおかげん」というお祭り期間のみのご開帳です。

この養寿寺は、徳川家康の大伯母、矢田姫の墓と伝えられる石塔が寺の境内墓地に立つ家康ゆかりの寺です。仏前で読経に合わせ管弦を奏し、仏徳を賛美供養する儀式(管弦講)が行われていたことから、このお祭りを「矢田のお管弦」と呼ばれるようになったとのことです。お管弦が親しみも込めてなまって「おかげん」になったということですね。

このお寺には3年前はまだ雅楽の「楽団」はなかったのですが、その後宮内庁楽部に勤務されていた方の指導で楽団が作られたそうです。以前はきっとあったでしょうから、復活ということですね。お寺でバロック音楽というのも、こういった雅楽演奏の伝統があるお寺ならではということですね。