リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

リュート音楽のひととき12

2013年12月08日 15時39分13秒 | 音楽系
リュート音楽のひととき第12回が終了しました。このコンサートシリーズはいわば「趣味」で細々とやっているコンサートで、小さな会場で少人数でリュートの魅力をたっぷりと楽しんでいただくというのをコンセプトにしています。バーゼルから帰国して始めまして今回で12回目になります。



今回は9月に入手しました、スティーブン・マーフィー作の新しい楽器をフィーチャリングしたコンサートです。この楽器はコンサートで使うのは4回目になりますが、回を追うごとに音が出るようになってくるのを実感します。特に会場のミューズサロンで演奏するのが10月中頃以来今回で2度目ですが、その前回と比べるとはるかに音が大きく前に出ているのがよくわかりました。来ていただいたお客様に10月のときも来ていただいた方もいらっしゃるので、そのことを実感されたのではないでしょうか。

この楽器は現在ボストンに博物館にある、アンドレアス・ベールのレプリカです。もう少し正確に言うと、ボストンにある楽器は当時のある時期に13コースに改装された楽器でして、今回作ってもらった楽器はその改装される前の姿である11コースの楽器です。弦長がバロック・リュートとしては短い65cmですがとてもよく鳴る楽器です。オリジナルはリブに象牙が使われていますが、さすがにそこまで踏襲するのは難しいので、多少なりともオリジナルに近づくために少し硬めの素材を使ってもらいました。11コースでここまでよく鳴る楽器ですから、こうなってくると改装後の13コース版も欲しくなってきましたねぇ。でも先立つものが・・・

アンコールにはビットナーの作品を演奏しましたが、次回はこのビットナー特集を考えています。次回はまだ未定ですが多分5月頃になるかなと思います。