リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

歯科治療終了

2009年01月14日 19時21分21秒 | 日々のこと
一昨年の末に、左下奥歯のインプラントを2本入れましたが、それの点検やら歯石取りで昨年10月から歯医者に通っていました。それが今日で無罪放免!!まぁ、年内は行かんでいいでしょう。

途中で虫歯が見つかりそれもついでに治してもらいました。毎日せっせとブラッシングをこころがけているお陰で、歯周病気味だったのが、もうほとんど深い歯周ポケットはなくなりました。50代後半にして、人生で最も歯と歯茎の状態がよいという結果に。

子供の頃は、歯のことなんかあまり気にかけてなかったし、周りもそんなにうるさくいわなかったので、虫歯が結構あちこちに出来ました。歯医者さんに行っても今みたいに歯石を取ったりブラッシングの指導をしたりなんて全然なかったですからねぇ。えらい回転の遅い削り機(正式には何というのかな?)で削られて痛い思いをしたし・・・(笑)

そうそう、親知らずにもずいぶん苦しめられました。横から生えている親知らずが炎症を起こしたりするのです。

あのまま放っておいたら、今頃は半分くらいは歯がなくなってたかも。30歳ちょっと過ぎて歯医者には断続的に通っていますが、シロウトから見ても、歯の治療レベルって年々上がって来ている感じです。

今の若い人はいいですねぇ。早いうちにちゃんと治療さえすれば一本も歯を抜かなくてもすみますから。私の年代って、多分歯科治療技術の進歩に救われたギリギリの年代かも知れません。今インプラント2本を入れて30本残っていますが、8020(80歳で歯が20本残っている)は達成できるかな?(笑)

本番

2009年01月13日 18時56分01秒 | 日々のこと
あの調整不足の朝青龍が3連勝で、新大関の日馬富士が3連敗です。勝負の世界は勝てばいいわけですから、いくら場所前に調子が出てなくても、朝青龍としてはこれでいいんですよね。

演奏家もどんなに練習してなくても、本番できちんと弾ければいいわけです。例え全くリハーサルなしでも。私は若い頃そんな感じでやってたこともありましたが(もちろんそれなりにちゃんと弾きました)、今はその頃よりも多少なりとも上手になっているとは思いますが、きちんと練習して本番前もウォームアップはきちんとしないとだめになりました。ま、それが普通でしょうけど。

ただ、あまりリハーサルに力をいれてやると何となく本番で使うべきエネルギーがなくなってしまうような感じがして、いつもやや控えめにしかしないのは、昔の習慣が残っているのかも。

知り合いの演奏家で、本番開演の15分前に会場に登場して、そのまま本番に突入する人がいますが、とても私にはできません。ま、演奏する曲にもよるんでしょうけど、うらやましいというか、すごいですねぇ。(笑)

まずは一勝

2009年01月12日 11時17分20秒 | 日々のこと
大相撲が始まりました。朝青龍の復帰が注目ですが、初日はすごい気迫でもって勝利しました。場所前の稽古総覧ではへなへなだったですから、スタミナが持たないかもしれません。でもそこは百戦錬磨の横綱ですから、場所中に調子を上げていく術を知っていて、場所後半にはいつもの朝青龍が完全復活ということになっているのかもしれません。

私は個人的には地元出身の市原という力士が好きですね。今場所から清瀬海としこ名を変えまして十両でとっています。相撲のことはあまりよく知りませんが、清瀬海は風貌が如何にもお相撲さんって感じでいいですね。最近はあまりぱっとせず、幕内でとっていた時期もありましたが、十両に陥落しています。はやくまた再入幕をはたしてほしいですねぇ。

ニューアレンジ

2009年01月08日 18時55分13秒 | 音楽系
新年早々バッハのBWV995に取り組みました。この曲については以前にもこのブログで話題にしましたが、バッハのチェロ組曲第5番と同一曲ですが、調は異なります。チェロ版はハ短調、一方リュート版はト短調です。

チェロ版はスコルダトゥーラ(普通のチェロとは異なる調弦法、この場合1弦を一音下げる)を使いますが、記譜もそれに合わせて書かれています。つまり実音では書かれておらず、普通の調弦法のときの音が書いてあり、実際にはそれより一音低い音がなる、という仕掛けです。

チェロ版は自筆譜は残っていませんが、リュート版は自筆譜が残っています。リュート版の表題は「J.S.バッハによる、シュスター氏のために書かれた、リュートのための作品」とあります。シュスター氏はライプチヒの楽譜商であったかも、という説がありますが、詳細は定かではありません。

私は若い頃この曲は何度か弾いた覚えがありますが、最近では全く弾いていません。この曲を弾こうと思い立ったのは、この曲が唯一バッハの自筆譜で伝えられている唯一のバロックリュートのためのオリジナル作品だからです。

バッハのリュートソロ曲と言われているのは、BWV番号でいうと995番から1000番、そして1006aの7曲です。このうち1000番は、1001番のフーガの第三者によるリュート編曲ですので置いておくとして、995以外は鍵盤楽器のテクスチャを持つもの(厳密にはリュート風味の鍵盤楽器)鍵盤楽器でもリュートでもなさそうなものばかりです。前者は996~999、後者は1006aです。

唯一995番だけは明らかにバロックリュートで弾くことを前提としたコードポジションとかバスラインを持っています。ただ、ひとつだけ問題点があります。それは低いソの音(コントラG)が要求されていることです。一般的な13コースバロックリュートの最低音はコントラAですので、もうひとコース、第14コースが必要になります。

この音に対する対処法は次の方法があります。

(1)14コースの楽器で演奏する。(もっとも分かり易い方法です)
(2)13コースの楽器で演奏するが、コントラG音は弾かないか、オクターブ上げて処理する。(当時のタブラチュア版がこの方法です)
(3)13コースの楽器で演奏するが、一音上のイ短調に移調して、相対的にコントラGにあたる音を弾けるようにする。(ホプキンソン・スミスがこの方法を用いています)

私が昔使っていた楽譜は、バッハの時代に書かれたタブラチュア版をもとに、自筆譜を見て音を修正した楽譜を使っていましたが、今回は、気持ちも新たに一から書き起こすことにしました。昔の楽譜はもう紙が変色してきていますし。(笑)多分30年以上前です。
その際の方法としては、上の方法のうち、(1)にあたる方法で書いてみました。実際は多分13コースの楽器で演奏するでしょうから、どっかで折り合いをつけなければなりませんが、とりあえずは自筆譜に書かれてある通りの音をタブラチュアになおしてみました。

タブラチュアを書いていて感じるのは、明らかにバッハがバロックリュートを前提に書いていたことで、他のリュート曲のタブラチュア化の際の悪戦苦闘とは無縁の世界です。今更ながらこういうのはホント気持ちいいです。多分弟子のクレープスにいろいろ聞いたり、自分で楽器をさわりながら書いたんでしょうね。そういった様子が眼前に見えてくるような楽しいタブラチュア化です。

第1曲目プレリュードの70小節目を作曲しているとき、こんな会話が・・・

「クレープス君、バスのミのナチュラルの音を出したいんだけど、9コースの第一フレットを押さえながら、このフレーズは弾けるかね?」

「えーっと、先生、これはちょっと無理っぽいかな。やれなくはないけど。普通はそんな無理しないで、オクターブ上げますよ」

「きみ、それならバスのラインが突然オクターブ上がって変じゃないかな」

「先生、リュートってのはこんなもんですよ。それに9コースのオクターブ弦がいつも一オクターブ上の音を出してますから、言うほど変じゃありませんよ」

「そーか・・・」

なーんてね。(笑)

対訳バッハ声楽全集

2009年01月07日 12時29分41秒 | 音楽系
今日アマゾンに注文してあった「新装版対訳J.S.バッハ声楽全集」(若林敦盛訳、慧文社)が届きました。受け取る際、宅急便のおじさんが、「前回は、遅れて大変ご迷惑をおかけしました」っておっしゃいましたが、何のことかよく思い出しません。多分昨年の暮れに、ヨドバシカメラのポイントで買ったサンヨーの録音機のことだったかな?ハワイモードがまだ続いているのかも。(笑)

さて、この対訳全集、バッハのカンタータや受難曲などの声楽の歌詞が、とても分かり易い日本語に訳されています。CDに付いている日本語訳はときどき、日本語が難しすぎて何を言っているのかよくわからないときがあります。そういうときは原文とか英訳を見るんですが、そっちの方がよくわかることも多いです。なら、お前はそもそも日本語訳なんていらんじゃん、なんて突っ込まれそうですが、もちろんドイツ語原文は電子辞書を引きまくって読むんですよ。(笑)

バッハの声楽曲の演奏は、本当にネイティブがうらやましいですねぇ。ことばの多いレチタティーフなどは通奏低音奏者であってもリアルタイムで歌詞を理解していく必要がありますが(アリアももちろん同じですが)、独検3級程度の日本人では事前に必死に調べて覚えておかなくてはなりません。ネイティブだったら、この分は必要ないので、楽だろうなぁなんて思ったりもします。

そんな非ネイティブ人にこの対訳集は強い味方です。ベーレンライターのカンタータスタディエディションとともに一家に一冊の必需品です。

節約指向

2009年01月06日 14時24分54秒 | 日々のこと
領収書を必ずもらうようになった生活を始めてはや5年。大した自慢にもなりませんが、我ながらマメにもらっていると感心します。もらった領収書はズボンの左後ろポケットに入れることにしていまして、おしりのあたりに分厚さを感じるようになってきたら、領収書の金額をエクセルに入力します。多少は分類して入力しますので、簡易家計簿と言ったところです。ま、この程度は世間では当たり前なんでしょうけど、お陰で随分お金の流れがつかめるようになりました。以前はどんぶり勘定だったですからねぇ。

岡田斗司夫さんのレコーディングダイエットというのは、口に入るものを全て記録、カロリー計算をして意識付けを行うことによってダイエットするというのですが、家計簿はそれとよく似たところがありますね。

始めたきっかけは、バーゼルで勉強していた2年目、貯金の底が少し見えてきて、これではイカンと思ったことでした。それまでは、貯金は充分あると思いこんでいたので、高い日本語新聞をとったり、あちこち行きまくっていましたが、お金の流れ(といっても出る方だけですが)が見えるようになると多少は考えるようになりました。

今では何をするにもすっかり節約思考が身につきまして、スーパーでも節約上手な奥さんみたいな買い物をするようになりました。スーパーのレジで押してもらうスタンプもしっかりと集めるようになり、台紙が一杯になり100円分お買い物ができるようになると、素朴に喜んだりしています。(笑)

お陰で赤字になることはありませんが、ときどき1ビットレコーダーみたいな値の張るものをどーんと買うことがありますので、貯金はなかなか貯まりません。でも徹底的に無駄をはぶいて必要なものだけをよく選んで買うという生活スタイルは結構気に入っています。

お弾き初め

2009年01月05日 12時42分23秒 | 音楽系
リハビリ2日目。今日はもうちょっと曲を弾いてみることに。こういうときは何を弾くか結構迷いますね。(笑)

ちょうど、新年早々イギリスリュート協会から会誌88号が届き、そこにバッハのプレリュード、フーガ、アレグロより、アレグロのハ長調編曲版が載っていました。この編曲は前々号から連載されているもので、今号で完結です。このアレグロを今年のお弾き初めに。

プレリュード、フーガ、アレグロは、オリジナルは変ホ長調ですが、原調で弾く人が多いですが、ニ長調で演奏する人もいます。私はヘ長調版を作ってますが、とても演奏が難しいです。でも13コースで低いバスもオリジナル通り弾けて、変ホ長調の原調では困難だった箇所が意外とスムーズに弾けるので気にいっています。

リュート協会会誌掲載のハ長調編曲は、Wilfred Foxeによるものですが、非常に技術的に簡単になっているので驚きました。目からウロコってやつです。(笑)これだと普通のリュート曲並(変な言い方ですが(笑))かそれよりちょっと上程度です。ただ音がちょっと低すぎるかなという箇所もありますが。ま、それでも非常に実用的ではあります。ただちょっと残念なことに、Wilfred Foxeによる編曲は音の間違いがちょこちょこありまして要注意です。

バッハのリュート作品の「編曲」で、音を下げると著しく技術的に楽になるというのは、知る限りではこの編曲だけですが、あといくつか可能性を考えてみますと、BWV1006aをニ長調にするとか、BWV997をト短調にするあたりが考えられます。997番はホプキンソン・スミスがイ短調に編曲して演奏していますが、イ短調版は結構難しく、これなら別にオリジナルのハ短調でもいいのでは、という感じがします。私は997番を一音上げてニ短調で編曲したことがありますが、大方の予想に反して意外といけますよ。でもとても難しいことには違いない・・・

リハビリ

2009年01月03日 23時26分27秒 | 日々のこと
ハワイではウクレレを少しさわっていただけで、10日以上リュートをさわっていないので、今日はお弾き初めです。さすがに10日楽器を弾かないのはあまりないので、リハビリには何日かかかりそうです。

まず、そっと音階とアルペジオの練習。さすがに指には違和感というかブランクを感じます。最近では10日以上も弾かなかったのはないので、もう弾き方を忘れているのではないかと心配しましたが、ちゃんと覚えていました。(笑)

音階とアルペジオの練習のあとは軽く曲を弾いてみまして、1時間くらいでおしまいにしました。また、明日にリハビリは続きます。

あけましておめでとうございます

2009年01月02日 20時18分24秒 | 日々のこと
明けましておめでとうございます。ハワイから帰って参りました。(笑)

ハワイ島は「ハワイハワイ」してなくてなかなかよかったですよ。私が雨男であるせいか、よく雨が降りました。3日も降り続いた日もありました。もともとハワイ島のヒロというところは雨がこの季節は多いらしいですが、足かけ3日もも降り続くというのは珍しいそうです。

雨の多いヒロのちょうど反対側にコナというリゾート地があり、ここは雨はぐっと少なくて快適なところです。コーヒー農園なんかもあります。Greenwellというコーヒー農園に行きましたが、ここにとても日本語が達者な方がいて、上手に解説していただきました。その方は、60歳くらいですが、日本生まれで38年間日本に住んでいたそうで、伊勢湾台風なんかも和歌山で体験されたそうです。

ヒロから30分ほど車で行ったところにあるハカラウというところに長くいたんですが、空気がきれいで色んな低周波音にあふれ(多分)生命感みなぎるところでした。少し高台でしたので、気温は日本の秋口くらい、ただ雨はよく降るそうです。雨の中、コキと呼ばれるきれいな鳴き声の蛙がいつも鳴いていました。このコキガエルは「コキ」と鳴くんですが、コとキの音程差が長6度(レ-シかミフラット-ドあたり)で、最初は鳥かと思いました。ときどき長7度蛙もいました。歌うのはオスでしょうが、6度蛙と7度蛙、どっちがもてるんでしょうね。

滞在していたお家のすぐ前の道に、に背の高い木の並木があるんですが、そこを歩いていたら、何やら木がざわざわしています。何かと思って見上げたら、木が私たち(私と家内)に何やら話しかけてくれていました。別のところに移動すると今度はそのすぐ上の木が私たちを歓迎してくれるかのようにさわさわざわざわしてくれました。多分何かの錯覚か風が吹いていただけのことなんでしょうけど、まるで木と対話しているかのような感じがしてとても嬉しくなりました。

今回のハワイはちょっと用事があったので行っただけで、別にハワイに興味があったからということで行った訳ではありませんでしたが、ハワイ島はとてもゆったりとした感じで自然が一杯でした。ホノルルに飽きた方はぜひ行ってみては如何でしょうか。私はまだホノルルには行ったことがありませんが・・・(笑)