私が初めて英語を習ったのは中1の時です。
学校の授業とNHKラジオの基礎英語。でも理屈抜きに覚えるということがとにかくできない私に
は、英語は非常に難しい科目でした。中3になって通信添削を始め、高校に入ってからもラジオ放送は続けていましたが、成績は中くらいで、苦手意識が強く、
特に英作文は全然できませんでした。大学受験では今でいうセンター試験の英語さえクリアすればいいということで、あまり時間を割かず、結果は200点満点
の118点。マークシート方式ですからこの点数は実力より高かったと思います。私は直感がきく方で、高校の定期試験でも友達に「ヤマ」をかけてと頼まれ、
全問あてたことがありますし、この英語の試験でも最後の長文は読む時間がなく、問題だけを見て解答し、それがけっこう正解していたのでした。
大学に入ってからは英語から遠ざかりました。もちろん大学の講義に英語がありますから、最低限は勉強していましたが、ほんとに最低限。「和訳」中心 の勉強でした。しかし、大学院の入試に英語があることがわかって、私はほんとに焦りました。高校時代、それから入学してからこのかた、誰も「理系には英語 が大切なんだよ」とアドバイスしてくれる人はなかったんです。私は付け焼き刃で「試験に出る英単語」を 全部覚え、それから院入試の過去問の英語問題をあるだけ解いて、そこに出てくる「専門用語の英語」をまるごと覚えました。まあ若かったので、そういう力わ ざができたんですね。結果的に、院入試の英語の点数がまあまあよかったため、奨学金を頂くことまでできました。あの頃、育英会の奨学金は家庭の収入ととも に、院試の英語の点数で順位が決まったんですよね。
さて、ではどうして「理系には英語が大切」なんでしょうか。
理系に限らず、最新の情報はほとんど英語で発信されます。私たち研究者は日常科
学論文を読みますが、それらの情報が日本語の教科書に載る頃にはすでに何年も経過してしまいます。また、インターネットの世界でも、英語のサイトは大きな
割合を占めています。日本語だけで情報収集すると言うことは不可能です。これは研究者だけでなく、大学の学生がレポートを書くために何か調べようというと
きにも当てはまります。また、仕事をしていると、海外の人たちとコミュニケーションをはかる必要がどうしても出てきます。私の場合は、海外に同じような研
究をしている人たちがいます。メールでディスカッションしたり、「これがほしいんだけど、送ってくれない?」と依頼することもあります。学会で会って話す
こともあります。いろんな場面で英語が必要なんですね。
しかし今でこそ私も苦にならずに英文メールを書いていますが、1999年に渡米する前はアメリカから送られてくるメール一本に四苦八苦。意味がわか らなくて困り果てたり、返事を書くのに何時間もかかっていました。とにかく高校時代からの英語難民ですから、ちょっと勉強したくらいではだめなんです。こ の続きはまた明日書きます。
(写真は冬になると現れるワシントンDCの屋外スケートリンク)
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