寄り道 まわり道 遠くへ行く道

新しいことを見つけるって楽しい!

昔日の客

2023年07月27日 | レビュー
 
本を買って読む。
面白かった~とすぐ売ってしまう本も多いんですが(そして古本で買う本も多い)、この本は手元に置いておきたい本です。一枚一枚、非常に味わいのある文章でした。時代の空気がページを開くのと一緒に立ち上るような。

私は東京オリンピックの年に生まれたので、この本の雰囲気に覚えがあります。人々の暮らしが地味で落ち着いていて、時間の流れがゆっくりしていたころ。

今よりずっと本ばっかり読んでました。
楽しみが少なくて、パソコンもスマホもない時代です。
でも本は本当に楽しかった。

この本は大事にします。

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メロスの翼

2023年07月18日 | レビュー
 
書評を読んで買い求めた本です。
おもしろかったです。
卓球に打ち込む男の子たちの友情のお話。

最近考えさせられる本ばっかり読んでましたけど、
純粋に娯楽として本を読むのは大事で
「どうなるのかな!」という期待でページをめくる
のは単純に楽しい時間でした。

実を言うと、年齢もいってきて
ただ「おもしろーい」という本は見つけにくくなってます。
そういう意味じゃミステリーっておもしろいんでしょうけど
ちょっと性に合わず、飛行機の中なんかだったらいいんですが
なかなかいい本に巡り合えずにいます。

難しい本は読み終わるだけで収穫があっていいんですが
それだけだと読書の楽しみに欠けるといいますか。

読んでよかったなって思える本を
もっと読みたいですね。


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古くてあたらしい仕事

2023年06月16日 | レビュー
 
マイブームの島田潤一郎氏の著作。
数年前に夏葉社の島田さんの記事を新聞で読んで、非常に興味を持って記事を切り抜いて保存していたものの、なんとなくそのまま忘れていたのですが、「書類かご」を整理したらその記事が出てきて、そこから一気にいろいろ読んでいます。

この本は2019年出版ということですから、すでに10万部も売れているそうで、よく読まれているんですね。よい言葉がたくさんちりばめられていて、とてもいい本です。仕事をするということ、生きていくということを丁寧に考えさせられます。今の消費型の社会と対極にあるような、時間の速さが違う世界のような気持のよさを感じます。自分を大事にしていこう、という気持ちになります。

読書って本当にいいですね。
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困難な成熟

2023年05月29日 | レビュー
 
読了。
2015年発行なので全然新しくないんですが、ウチダ先生の本はあっちこっちに飛びながら少しずつ読んでいます。

これまでの本と違って口述みたいな感じなんですが、人生相談のメールをまとめたものということなんですね。前書きにある「上達する前には、上達したあとに何が起きているのか想像もできないし、記述する言語もない」という言葉に非常に共感しまして、読み始めました。学生を指導していて、「この人はもっと伸びる」と思うからがんばらせる(しんどい思いをさせる)というのが研究室の日々なのですが、本人にしてみたら「がんばったら明日はこんな自分になれるんだ!」という想像がないってわけですから、そりゃあしんどいだけになるわけだなあと思ったんですね。

スポーツだったらタイムが早くなるとか打率が上がるとかいろいろ目に見える到達があると思うんですが、研究、しかも卒論ってなると研究者を目指すわけでもない学生たちがどこまで自分の成長を想像できるかってところは本当に重要で、「そもそも想像がないし言語もない」ってことを前提に指導者がとりくんでいかなきゃいけないなってことを改めて感じたところです。

他に、私にとって示唆に富んだ指摘は「葛藤的状況」が子どもたちのためになるという点でした。いろんなことを言う人がいる。だけどその中で自分の考えを成熟させていく。誰かが一つの「正しいこと」を示す中では、かえって子どもは苦しいと。研究室って昔は大講座で、若い先生から年配の教授までいろんな人がいて、ホントに言うことも様々だしやらない人はやらないし、学生は先生のことを「しょーがねえな」くらいに思って見てたんですが、そういう中で先生たちを乗り越えていったような気がするんですね。若い頃は私もみんなもえらそーにそんなこと考えてました。先生に言われたらそれが正しいし意見言えないとか言われた通りやらなきゃとか、全然そんな感じじゃなくて、自分たちは自分たちで考え、発言していました。先生たちが葛藤的状況だったんだなと思います。今の学生指導に生かせる示唆だなと思います。

それから、トラブルは「問題」ではなく、「答え」である。という章がありまして、日々目にする人間関係のトラブルは、起こるべくして起こっているのだということや、そもそも自分が起こしているのだということの認識が重要だとわかりました。

他にもなるほど!と思ったり、ええっとびっくりしながらも腑に落ちるという内容がありました。大学教員にお勧めかもしれません。


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最近読んだ本

2022年01月17日 | レビュー
 東大に寄付がたくさん集まったと話題の本。
AIMの話ももちろん面白かったですが、宮崎先生という人の研究業績が本当にすごくて、びっくりしました。人間のお医者さんが動物のためにこんなにがんばってくれるなんて、私達獣医師はもっと動物の研究にまい進しなければ!と決意を新たにしました。宮崎先生はついに独立なさったようで、AIM医学研究所というのがスタートしたそうです。AIMについて全然知らない、という方でもこの本を読めばとてもよく理解できると思いますし、ネコの腎臓病では多くのオーナーさんが心を痛めていらっしゃるでしょうから、ぜひ読んでいただけるといいなと思います。

 こちらも何かと話題の本で、太平洋戦争のときの日本軍の失敗を解き明かすことによって現在の日本経済の停滞も説明でき、脱却の糸口が見いだせるというもの。この本もとてもおもしろかったです。ビジネスだけでなく、大学や研究室運営にも当てはまるかもしれない。失敗の構造に落ち込まないようにやっていきたいと思いました。

 こちらは今現在読み中の本。
大学に入ったら最初に読むべき本です。ということで、受験生のみなさん、試験が終わって無事に合格したら、どこの大学に進むとしてもまずこの本を手に取ってください!高校までの勉強と、大学に入ってからの勉強は全然違う、そしてそれにどう取り組んでいったらいいか、ということが詳しく書かれていますよ。
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デス・ゾーン

2021年08月27日 | レビュー
 
なんとなく気になって読んでみました。
栗城さんのことはあまり知らないんですが、遭難の時のニュースは覚えてました。登山を中継するということで話題を集めていた方ですが、遭難して亡くなりました。

楽しいことをしたい、みんなに楽しんでもらいたい、という人だったんでしょうね。だけど途中からは意地になってしまったのでしょうか。他の道もいくらでもあったと思うんですが、山に執着してしまったのかな、、、。

夢って難しいですね。
追いかけて、挑戦しないとかなわないけど、挑戦したからかなうわけでもない。どこで撤退するかというのは山に限らず大事で、でもその見極めはとてもむずかしい。ここでやめる、というのを見誤ると撤退も簡単じゃなくなってしまう。

挑戦してうまくいった話ばかり耳に入りがちです。やめた「後」の話がもっと聞けるといいでしょうね。挑戦し続けるのも人生だけど、それには意地だけじゃなくてもっと違う理由がほしいってことかな。

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デジタル・ミニマリスト

2021年08月20日 | レビュー
 
私は朝型の人間です。
中学生の時、定期試験であまりよい成績が取れなくてグチグチ言ってたら、母に「朝起きて勉強したら」と言われて、早朝勉強を始めました。それから40年。今も早朝に起きて、出勤前に勉強したり用事を片付けたりしています。しかし、起きるのはやっぱり大変で、インターネットが普及し始めた頃には、「起きたらまずPCを立ち上げてとあるサイトをチェックする」ということで目を覚ましていたんですが(ちなみにとあるサイトというのは知る人ぞ知る「ムギ畑」)、スマホを使うようになってからはすぐネットにアクセスできるため、「目を覚ます」どころかけっこう長い時間をメールやニュースをチェックすることに費やしてしまい、早朝の貴重な時間をかなり無駄にしている、というのが悩みの種になっていました。

この本にも書いてありますが、スマホは依存性が強く、多くの人がとりこになってしまい、一日何時間も画面を見ているという状況を生み出しています。わたしは、SNSを使って広報をしたり、情報収集をしたり、なかなか会えない人と連絡を取り合ったりというメリットは享受したいので、「完全に遮断」とかは考えてなくて、ただ、使用時間を極力減らしたいというのが希望でしたので、この本は非常に参考になりました。

最初は、単にデジタルデトックスの本かなと思って手に取ったんですが、実際はアナログの活動の重要性が示されていたり、その効用について様々なデータが紹介されていて、単にデジタルの時間を減らそうではなくて、減らした結果こんなに充実した時間を過ごせるんですよというのがイメージできてすごくよかったです。

具体的には、私はFBやツイッターなどをスマホの後ろの画面に移動させ、通知が出ないようにし、むやみにスマホを手に取らないようにするということにしました。ちょっとした工夫で、以前より時間を有効に使えている気がします。

ついでながら、わたしの早朝時間の使い方は、4時に起きたらまず英語(CNN English Expressを使っています)、その後前日の3行日記、そして台所家事を約30分(お弁当作り含む)、その後簡単な筋トレ。シャワーを浴びて洗濯。朝食後洗濯物干し。そして出勤です。学生はもちろん、先生方もまだほとんど来ていないので、すごく静か。そして仕事がはかどります。朝ネットに時間を取られると、出勤がその分遅くなる。すべてが後ろに影響するのでホントによくありません。せっかくよい本を読んだので、今後はきちんと意識してスマホを使っていきたいと思います。
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探求する精神

2021年08月11日 | レビュー
 
すごい本を読んでしまいました。
冒頭に、著者が小学生の時に展望レストランで食事をして、地平線までの
距離を計算で求められるのではないか、と考えた。
とあって血が沸き立ちました。こんな子どもいるのでしょうか?
そしてそこから繰り広げられる大栗先生の研究人生が本当に突き抜けてて
ワクワクしました。

語彙が足りないんですが、とにかく「すごいすごい!」と読み進んで
いるうちに最後の章にたどり着きました。科学を生業として
生きていくのは狭くて不安定な道です。レベルは全然違いますが、
私もその道を必死に生きてきました。最大限の努力をして
打てる手は全部打って、綱渡りで走ってきました。
ドキドキ、ワクワク。この本を読んでやっぱり科学の道は
すばらしいなと思いました。私ももっともっと努力していこうと
思います!




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「生命科学的思考」を読んで

2021年04月26日 | レビュー
 
話題の本を読みました。かなり面白かったです。似たような本はたくさんあると思うのですが、筆者の表現力が卓越しています。私が特に気に入ったのは、エントロピーの法則についての説明です。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、著者の意見に全く同意。この社会は何もしないでいたら現状が維持されるのではなくて、崩壊に向かうのだ、という点ですね。努力してそれに抗わなくてはならない。ぜひ、多くの人に、特に学生に読んでもらいたい本だと思います。
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睡眠こそ最強の解決策である

2020年09月03日 | レビュー
 
睡眠が重要だということはよくわかっているのですが
忙しすぎて睡眠時間を削る日々を送ってきました。
とくに子どもが小さかったときは
どうやって日々回していたのかと思うくらい
ぎりぎりの綱渡りをやっていました。
だから睡眠時間を削るしかなかったのですが、
当時は割と平気でした。
しかし最近、以前のように朝きちんと起きられないという
ことが多く、困っていました。

私は朝4時に起きます。
仕事に早めに行くために、朝家事を早く始めたいのです。
でも、ここのところ目覚まし一回で起きられず
スヌーズ機能を使って何度も何度も鳴らして
やっと起きていました。

この本を読んで、
もう少し寝てみるか、と思い、とにかく早めに寝て
目覚ましをかけずに寝る。というのをしばらく
やってみました。

そしたら8時間でも9時間でも寝てしまい
何となく時間を無駄にしてしまった気になっていましたが
だんだんまた目覚まし1回で起きられるように
なりました。もっというと目覚ましが鳴る前に
起きられるようになりました。

やはり睡眠不足だったのでしょう。
この本には、睡眠不足が引き起こす様々な体の異常が
指摘されており、やはり睡眠をおろそかにしてはいけないなと
改めて思わされました。

この本は世界中でベストセラーになっているようです。
睡眠時間の短さ(忙しさ)を競うような世の中ですから
ちょっと勇気も要りますが、寝たいだけ寝るというのを
やってみる価値はあると思います。

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