2005年にアメリカから帰国しましたが、その後もしばしば出張するので、
クレジットカードと銀行口座を維持していました。
わたしはアメリカで給料をもらっていたので
わずかですが年金を受け取る予定もあります。
そのとき、アメリカの銀行口座があった方がいいだろうと思っていました。
しかし帰国して15年、世の中が変わってきました。
最初にクレジットカードを解約することに決めました。
当時は、例えばアメリカのamazonで買い物するとき
日本のクレジットカードが使えませんでした。
洋書はアメリカのamazonから買う方が安いので
利用していましたが、日本のクレジットカードが使える場面が
増えました。アメリカのクレジットカードは、Costcoで使える
カードでしたが、ある時Costcoがその提携を切ったので
そのメリットもなくなりました。
アメリカのクレジットカードは、オンラインではキャンセルできませんでした。電話をかけないとダメでした。
しかも800から始まるフリーダイヤルは海外からは使えません。
そこでスカイプで国際電話の契約をしました。
最初の1か月は無料で使えるので、クレジットカード会社に電話した後
速攻解約しました。
アメリカへの電話は、オペレータにつながるまでが大変です。
日本だと番号を押して進んでいきますが
アメリカの会社では「内容を言え」と言われるので
言うんですが、発音が悪いと「わかりません」と切れるのです。
ものすごく丁寧に発音してつながりました。
オペレータにキャンセルしてほしいと言うと(もちろん英語で)
「何が気に入らないの?」とか聞かれます。
「キャンセルの理由をいいなさいよ」みたいな感じですね。
日本にいて、使う必要がなくなったのでと説明しました。
そしたら「あなたはどこに住んでるの」と聞かれました。
何を言われているか一瞬わかりませんでしたね。
日本の△△県だけど、あなた知らんでしょ。というと
「それってTokyoに近いの?」という。
何を言いたいのか全然わからないけど「近くないです」
と答えると「あなたは〇〇年間このカードを使ってくれた。
感謝の気持ちを込めてギフトカードをあげたいんだけど
東京のオフィスに取りに行けるかな」というので
「それはいらないです。遠すぎる。」といって
お断りし、「じゃあこれでキャンセルね!」
と言われて完了。
「あなたどこに住んでるの?」って言われて聞き取れなかったのは
初めてですが、予想外のことを聞かれると意味(意図)がわからないってことですね。
これでクレジットカードがキャンセルできたので
次は銀行、と銀行のサイトを調べました。
そしたら銀行は(も)オンラインではキャンセルできず、
紙に書いて送るということがわかったので
作文して送付。
それが受理されると同時にオンラインで口座にアクセスできなくなり
これで完了と思っていたら
「サインの公証が必要なので、公証とって送りなさい」という
郵便が来ました。日本では印鑑証明があるのですが
アメリカではサインがあっても本物かどうかわからないから
公証を受けないといけないということが時々ありました。
だから私も知ってたけど、知らないと言われたことの意味がわからなかった
かもしれないです。
さて、アメリカに居たら公証ってすぐ受けられるけど
日本ではポピュラーじゃないシステム。
外務省のアポスティーユも受けないといけないとわかり
どんよりムードに。
数か所回らないといけないし
共同名義の銀行だからパートナーのサインも公証もいると
いうことになり頭を抱えました。
パートナーの方は委任状を用意し
東京の公証役場に行ったのが今年の2月。
しかしあっけなく断られました。
理由は、「面前でサインするって書いてあるのに委任状は受け付けられない」
しょうがない、では名義人二人そろって公証役場にいくしかないか
と思い、東京出張の折に合わせて行こうと考えたのですが
そのまま東京はコロナ禍に。アメリカの銀行には
「数か月待って」と手紙を郵送。
8月ごろ、このままではいけないと思い、
行政書士さんに代行を依頼することに決めました。
東京への交通費くらいで依頼できることがわかったのも
決め手になりました。
再び印鑑証明・委任状など用意して
行政書士さんに郵送。その日のうちに手続きしてくれて
今度は公証役場もあっさり口証してくれて
書類が自宅に戻ってきました。
さて、その書類を今度はアメリカの銀行に送る必要があります。
9月上旬郵便局に行きEMSを出そうとしたら
アメリカは受け付けていませんと断れました。
コロナのため航空便が減っており
受けていないとのこと。
普通郵便になると言われました。
こんなに苦労した公証書類、普通郵便ではとても送れないと
思い、今度はヤマトで出そうと準備。
ところが宛先がPOBOX(私書箱)だったため
こちらも断られました。
もはや普通郵便しか選択肢がなく再び郵便局へ。
そしたら今度は「船便しか受け付けていない」と言われ
「いやいや、普通郵便しかないけど、航空便で送れるはず」と
押し問答。最後は別の局員さんが助け舟を出してくれて
出すことができました。ただし、何日かかるかわからない、と。
その話を海外の友人にしたところ3ヶ月くらいかかってる例も
あると言われ、公証書類の期限が3ヶ月だから、それは困る!
と焦るも、出してしまったものはしょうがないし
だいたい普通郵便しか出せなかったんだから
どうしようもない。と腹をくくったのが9月中旬。
そしてついに本日銀行より正式に「あなたの口座をクローズしました」
とメールが!!!
最初にクローズしようと決心してから10か月。
長かったーーーー。
でもやっと決着をつけることができました。
残高は小切手でくるはずで
これを換金するというところがさらに難関なんですが
今日はここまで到達できたことを喜ぼうと思います。
あのアメリカがこんなことになるなんて。
郵便さえ滞るような事態になるなんて。
小切手が使えなくなるなんて。
アメリカに行けない日がくるなんて。
まったく想像していませんでした。
世の中は、変わる。
そのこと、今回身に染みました。