大学院のとき、北海道の共済(NOSAI)で研修を受けた。そのときとてもお世話になった獣医さんがいて、その後もずっと連絡を取っている。35年以上の付き合いになる。今わたしがやってる研究のサンプリングについてメールで相談したら本部に話してくれて、協力していただけることになった。実際に作業してくれるのは私が研修していた診療所の獣医さん達だ。今日はその診療所の所長さんと打ち合わせをしようと思って電話をかけた。私は電話が苦手なので、かけるのにちょっとエネルギーが要る。今日はとにかく絶対かけなきゃと思って気合を入れて電話した(大げさだけどまじめな話)、、、。そしたら、「はい、△△診療所、○○です」と出たのは、その35年以上前からつきあいのある獣医さんだった。懐かしい先生の声を聞いて本当にうれしかった。先生はもう定年退職しているから、診療所におられると思ってなかった。電話は普通取らないんだというのに、今日はたまたま出たんだそう。やっぱり何か特別な縁がある!学生だった私は、大動物を志して、だけど就職先がなかったので畜産には進めなかったんだけど、今こうして牛の研究できるのも先生はじめいろんな人のつながりがあってこそ。あの頃将来私はこんな仕事をしていますってわからなかったけど、やってきたことの一つひとつが今につながっているんだなあ。あの時、北海道で大動物診療の研修を受ける!って決意して、行ってよかったなあ。今日先生と話せたことはやっぱり特別なことのような気がする。偶然に心が震えた瞬間だった。
本日5月9日(日)21時放映のNHKスペシャルで、わたしの研究の一部が紹介されます。タイトルがおどろおどろしくてちょっと怖すぎなんですが、原発事故後10年の野生動物についての研究です。お時間ある方はぜひご覧ください。
私は2012年から、東北大のグループと一緒に警戒区域の動物たちの調査を行ってきました。2015年までのデータはすでに論文にまとめ、発表しています。
事故から10年、動物たちから検出されるセシウム137の値は非常に低くなってきています。実験的研究で放射線影響について調べるということでは、わたしはアメリカの共同研究者とも論文を発表していますが、この研究ではけた違いに強い条件で見ていますので、比較にはなりません。
今日の放送ではどのくらい「現状」が明らかにされるのか、わたしも興味深く視聴したいと思っています。