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コンサルティング、畜産編

2008年06月28日 | 仕事・研究
金曜日はこの近辺の獣医さんが集まる勉強会でした。
私は大学の用事があって午前中だけ参加したのですが、それだけでも大変勉強になりました。講師は酪農のコンサルタントの方。

一般市民から考えると「畜産分野にもコンサルタント??」とびっくりされるかもしれませんが、この時代、経営のためにコンサルティングを受けている農家は大変多いのです。現場の話を聞くといつもとても勉強になり、たくさんノートをとります。

昨日の話は細かいことはいろいろありましたが、基本は『牛をもっとよく見よう』という話で、これはこの間の実験動物のセミナーで聞いたことと根本は同じだなあと思いました。つまり、私たちは生き物を相手にしているのですから、とにかくよく見ることが大事なのです。そして、相手の気持ちを考えることが大切なのです。それは、相手が牛でもマウスでも同じですね。そこがうまくいかないと、生産も実験もうまくいかないのです。

牛乳ひとつとっても、生産農家では乳量をあげるために、乳房炎を防ぐために、いろいろな努力がなされています。消費者の方にもそういった現場が見える場面がもっとあればいいのになあと思います。

ところで、昨日の講演では、牛舎環境と動物福祉が結局酪農経営を大きく左右するポイントで、そこをおいておいて小手先の改善をしても全然だめだと、そういうお話でした。そこから自分の最近の仕事と生活を思い起こし、なるほど根本的な環境を整えれば私ももう少しやれることがあるのではないか、などと別のことも考えながら聞いていました。小手先の対症療法では根本的な解決にはならないのですね。
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今日が自分の最後の日だとしたら

2008年06月26日 | その他もろもろ
この間Steve Jobsのスピーチの話を書きましたが、その中にこういう話が出てきます。「朝、鏡を見て自分に問いかけてみる。もし今日が自分にとっての最後の日であったら、今日の予定は自分がやりたいことだろうか?その答えがNoで、しかもNoが何日も何日も続くようであれば、その時は自分の行動、自分の生活を見直すべき時だ。」続けて聞いている「モリー先生との火曜日」にも死の直前になって自分にとって真に大切なことは何か?と考える話が出てきますので、つい私ならどうだろうか?と車の中で考えました。

私の今日の予定は朝ふたつ連続で講義でした。一限が2年生の動物機能形態学。2限が1年生の動物生産概論(オムニバス講義で、今日が私の初日、全部で3回。)。そのあと、1時から研究室のゼミで、その後はとなりの研究室のFくんにLCMサンプルからのRNAの抽出を教える(一緒にやる)ことになっていました。それが終わったら、来週の4年生の動物衛生学の準備をしようと思い、手帳にそう書いていました。

で、もし今日が私の最後の日であっても、私は午前の講義はやりたいなあと思いました。特に1年生に一度も講義をしないまま死ぬのはいやだなあと思いました。それから、2年生にも今日は血液の話をすることになっていました。これも絶対話しておきたいと思いました。午後のゼミは、今日一つの区切りがつく予定でした。4年生にもこれが最後ならどうしてもゼミをやっておきたいと思いました。その次のF君の実験。これが自分だけの実験なら、私はやめておこうと思いました。次ができないのですから、やる必要はありません。でも、Fくんにこれを教えられるのは私にしかできないことで、だからやっておきたいと思いました。その後の講義の準備、これはやらなくていいです。

こうやって考えてみると、私は次の誰かにつながる仕事はしておきたいのだとはっきりわかりました。最近、講義の準備や学生のケアのために膨大な時間が費やされており、休む暇のない日々を送っていましたが、それは間違っていないのだと思いました。考えてみれば、たった一コマの講義でも、80人が聞いてくれて、今日、あの80人の頭の中には、何かこれまでと違うものが生まれたはずです。そういう講義をしているつもりです。それであれば、たった一人の私が持ってたものが、80人に分け与えられたのですから、これはすごく生産的だと言えますよね。

ただ、忙しすぎて体調に影響している部分もややあり、それについてはそろそろうやむやにせず、改善するようにしていかなくては、と思っているところです。
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免疫学個人授業

2008年06月25日 | レビュー
免疫学個人授業」 多田富雄、南伸坊 新潮文庫

図書館にあります。
学生さんがこれから免疫ってやつを勉強してみるかな?と思ったときに、あるいは一般の方がちょっと手に取ってみるのにいい本です。難しい単語も出てきますが、それはやはり避けては通れません。でも、免疫の基本中の基本、「自己と非自己」の認識という原則が非常によくわかる一冊です。

私も昔、初心者向けの本ってなにかないかな、とずいぶんあれこれ読みましたが、どうも難しすぎる本かやさしすぎる本(あぶない本も含め)しか見つからなかったような気がします。今は本当に恵まれた時代ですね。本もいろいろあるし、文献検索はネットで一発だし。しかしこれほど恵まれている時代に生きている学生が、十分に本を読んでいるとは言い難いところが人間の難しいところですねえ。

先日キャリア講習会に来られた伊藤さんも言ってましたが、本というのは本当に安価に知識が手に入る素晴らしいツールです。ましてや図書館にあればただなのですから、どん欲に読んでほしいなあと思います。
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英語漬け、その1

2008年06月24日 | 英語
ちょっとさぼりすぎて、英語の勉強がおろそかになっていました。夏にアメリカに行く前にちょっとブラッシュアップしなければ、と思いました。手始めに、前から何度も聞いているアップルCEOのスティーブ・ジョブズのスピーチを、朝の通勤中、車の中で再び聞きました。このスピーチは、私が何度も何度も聞いているもので、内容なんか覚えてしまっているんですが、それでも、聞くたびに「やらなければ」という気持ちになります。今朝も、すっかりやる気になって大学に到着しました。15分くらいの短いスピーチなので、その後は再び「モリー先生と火曜日」を聞きなおしています。
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蛍光LCMにようやく道が見えてきました。

2008年06月23日 | 仕事・研究
長い道のりでした、、、。
あらゆる工夫をし、試薬を変え、ソフトウエアを購入し、まあまだ大成功まではいかないけど、とりあえず「やれる」というところまで来ました、蛍光LCM。

私が初めてLCMに取り組んだのは2000年ですから、すでに8年前です。通常のLCMでも、越えるべき山がたくさんあるという話は前にも書きました。蛍光免疫染色を組み合わせたLCMをやろうというプランはすでに3年前から私にはありましたが、なにせ経験者が少ないのです。だれにでも聞けるというものではなく、昔同じラボにいたRobだけが実際を聞ける相手でした。でも、彼とて私とはちがうマシンを使っていて、まったく同じ手技が使えるわけではなく、また、わたしのように多重染色を使う方法を取り入れている人はおそらくほとんどなく、メーカーにも情報はありませんでした。

レギュラーのLCMをやり始めたときも試行錯誤がいろいろありましたが、今回ほど苦労したことはありません。途中であきらめようかと思ったくらいです。できれば、研究テーマは全然違っても同じ手技を使う他の研究者を見つけ、情報交換していきたいと思っています。もしこの記事を読んでくださった方の中に、そういう方がいらっしゃいましたら、ぜひお声かけください。

とはいえ、まだまだ改良点があります。
方法論で終わる話ではなくて、この手技を使ってやるべきことがあるのですから、早く完成してターゲットに使いたいです。

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キャリア講習会

2008年06月22日 | 大学でのひとこま
うちの学部の3年生には毎週金曜日に産業実習という時間があります。
企業から来ていただいた講師の講演を聞いたり、エントリーシートを書く練習をしたり、インターンシップにいくための準備をしたりする時間です。

この産業実習の講師として、IBMの伊藤さんに来ていただきました。伊藤さんについてはこんな記事こんな記事、さらにはこんな記事をご覧になったことのある方もいらっしゃるでしょう。とにかくアクティブで、非常に仕事のできる方ですが、気さくにつきあえる楽しい人であります。私が彼女から学んだことはたくさんありますが、そのあたりの話は次回として、今回の学生対象の講演会では学生にとって非常にためになるお話しが聞けましたので、そのうちのひとつについて書いてみます。

企業はどんな人を採用したいのか、という話です。
大学で勉強してきた専門知識をすぐ生かしてもらおうなどとは考えていない。それよりもチームの中で一緒に仕事できる人、コミュニケーション能力の高い人、わからないことがあったらごまかしたり隠したりしないでざっくばらんに聞いてくる人、そういう人を採りたいというお話でした。講演のあと、学生から「コミュニケーション能力を高めるにはどうしたらいいのか」という質問があり、その際の伊藤さんの答えは、『想像力』ということでした。上司は自分に何をしてもらいたいのか。何が期待されているのか。そういうことを思い浮かべることができれば、エントリーシートを読む人を想像して文章を書くことができる、仕事の進捗を上司に報告しておこうという気持ちが起こる、できないところがあればなるべく早めに相談しようという気にもなる。そういうお答えでした。

この話は、3年生にも具体的に役に立つお話だったと思います。
ぜひ覚えて、今後に生かしてもらいたいと思いました。
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財布に現金がないと、、、。

2008年06月18日 | 日々の暮らしを楽しく
忙しくてATMに行く暇が全然なくて、ついに財布の中に現金が1000円札一枚とあと数百円とかいう状態でおります。これってほんと怖い。そんだけしか持ってないということを忘れて昼休みに生協に行き、フォルダを二つ買ったらぎりぎりでした。「あっすいません。ひとつにします。」と言わなきゃならないところでした。で、ATMに行こうと堅く心に誓って、そのまま忘れてしまい、また帰宅するのであります。

だいたい、昨夜クリーニング店に行き、そこではじめて財布の中が1000円札二枚だと思い出し、「ああこりゃこんなに冬物を持ち込んだらとても2000円で済むまい。」とあきらめて、食料品だけ買って帰ったところなのです。

アメリカでは週末もどこでも現金が出せて、しかも5ドルでもカードでいっこうにかまわなかったため、財布に20ドル一枚という状態でも「けっこう持ってる」感じでいられました。でもたぶんこのへんのクリーニング屋だとカードが使えないと思うんですよね。食料品でも、700円とかでカード切ったら絶対いやがられそう。

などということをいろいろ考えて、ああ早くATMへ、、、と思いつつ、また夜遅くなってついそのまま帰宅するに違いないのであります。
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いかに生きるか、の大枠

2008年06月17日 | その他もろもろ
大学にいると、学生の進路について考えることがよくあります。いよいよ社会人となるわけですから、悩みは尽きません。しかも、就職は縁のものですから、希望とまったく違う道に進むことも十分ありえます。

わたしはいつ自分の目標を定めたのだろう、と考えてみました。私は小学校5年生のときの『将来の夢』には作家と書いています。でも、同じときに、同級生が『動物のお医者さん』と書いたのを見て、そんな職業があるのか!!と知り、それ以来一度も目標を変更せずに獣医師になりました。

しかし、最初に考えたのは当然臨床医だったわけですが、それは大きく変更して、基礎研究の道に進みました。就職も、製薬会社の研究職、を最初は考えましたが、女子の募集がありませんでした。大動物の研究職をめざして大阪府の獣医師研究職に採用されましたが、配属は公衆衛生研究所でした。

しかし、自分が思いもしなかった道ではありましたが、私はこの道に進んで本当によかったと今思いますし、当初自分が考えたよりずっと自分に合っていた道だったと思います。

私が小学校6年生のときにネパールで医療奉仕をしていた岩村先生に出会ったことは、前に書きました。私は今でも、この出会いが自分の人生を決めたと思っています。大きな枠組みで、自分の生き方、方向性を決める基盤になりました。いかに生きるか、という壮大なテーマを、幼いながらに与えられた出会いでした。

目標を見定めるということは、本当に大事なことだと思います。
就職、という時点に来る前に、自分はどうなりたいのか、どう生きたいのか、なにをしたいのか、すべきなのか、深い思索を繰り返してきたならば、基本の軸はずれません。目先に右往左往しないはずです。

今日は1年生の基礎ゼミがありました。
これからの4年間、じっくりじっくり考えてほしいです。
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感染症について考える

2008年06月16日 | 仕事・研究
私は学生の頃こそ繁殖の部屋にいましたが、その後はずっと病気に関係する仕事をしています。獣医の業界にいた頃には全然意識しませんでしたが、畜産領域の人と一緒に仕事するようになって初めて、獣医師はやはり病気の専門家だと思うようになりました。まあ当たり前といえば当たり前なのですが、これでも、形態からはじまって、生理学、繁殖学と正常状態を学ぶ学問も相当修めてきているのです。でも、それはやはり異常な状態を知るための基本としてやってきたのだなあと思います。

感染症は世の中からなくなりません。
人もモノも地球上を縦横無尽に行き来し、その流れはとまることはありません。海外の感染症も海があるからと安心していられなくなってきました。そうなると、WHO、OIE、CDCなどの発信する情報をきちんと読めた方がいい。そういう情報を知らなかったと流してしまって日本の食の安全安心など語れないのです。なぜならば、人獣共通感染症があり、畜産物からの食中毒があり、そして新しい感染症はどんどん出てくるからです。

一般の人は、教科書で口蹄疫についていくら勉強しても、たぶん一生口蹄疫の牛を見るようなことはないと思います。でも、口蹄疫の汚染国からの畜産物輸入は制限されており、知らずに私たちの食生活に影響しています。アメリカとオーストラリアにもし輸入制限がかかるような病気が出たら、スーパーの肉売り場は激変するでしょう。だって、他の国からあれだけの量を輸入などできないからです。

感染症対策は政策とも関わります。
いろんな切り口があっておもしろいのです。
たくさん勉強したいです。常に新しい情報を得たいと思っています。



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地震とその後

2008年06月15日 | その他もろもろ
たくさんの方にご心配いただきましたが、私の住んでいる地域にはほとんど被害はなく、無事でおります。メールと電話をたくさんいただきました、ありがとうございます。

昨日の8時43分、わたしは子供会の資源回収で外におりました。上下の揺れはなく、横揺れで、そう大きくは揺れませんでしたが、時間は結構長くゆれたような気がします。

わたしは阪神大震災を経験しています。
あのとき、立っていることができないほどの揺れで、震度4強という発表でした。今回はものが落ちるような揺れではなかったのですが、震度5という発表だったのでご心配をおかけしたのだと思います。

しかし地震の後の気持ちの悪さというのを久しぶりに思い出しました。
交通機関が全部止まったのも困りましたね。
もちろん、まだ行方不明の方もあるのですから、その程度で困ったなどと言っていてはいけないのです。

しかしとりあえずこのあたりは平穏無事で、今日も普通どおりの一日でした。感謝です。
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