話題の本を読みました。かなり面白かったです。似たような本はたくさんあると思うのですが、筆者の表現力が卓越しています。私が特に気に入ったのは、エントロピーの法則についての説明です。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、著者の意見に全く同意。この社会は何もしないでいたら現状が維持されるのではなくて、崩壊に向かうのだ、という点ですね。努力してそれに抗わなくてはならない。ぜひ、多くの人に、特に学生に読んでもらいたい本だと思います。
私の研究室では、卒論で扱った研究をできるだけ論文にして発表したいと考えています。学部生の卒論を論文にまで持っていくことはなかなか大変なことですが、13年の間に学部学生の名前が入った論文を6本まとめることができました。これらは英文で科学雑誌に掲載されています。今回出版された論文は、寄生虫感染に対する宿主応答の初期ステージに着目し、「免疫応答の始まり」をつきとめようとしたものです。このテーマはまだまだ解明すべきところがあり、今後も考えていきたいと思っています。この卒論に取り組んだ学生は、卒業後東北大の大学院に進みました。今は社会人として畜産関係の事業に取り組んでいます。
今週は、もう一つ論文がアクセプトされました。こちらは2年前に修了した社会人大学院生が取り組んだテーマで、放牧牛の寄生虫調査です。アクセプトされたばかりで出版はまだ先ですが、これもきちんと形にできて本当によかったです。研究は論文にして世の中に出すことが大事で、そこまでたどり着けた研究はやはり精度の高いものになっています。その分苦労も多いわけですが、完成した時=出版されたときは本当にうれしいです。
今後も情熱をもって研究に取り組んでくれる学生がたくさん来てくれるといいなと思っています。今年は他大学から私の研究室に入るべく大学院に入学してきた学生もいます。若いエネルギーを結集し、ぜひみんなで新しいことを見つけていきましょう♪
新入生も入ってきたし、大学生活についてちょっと聞いてもらいたいのですが、私が大学に入ったとき、クラスにはいろんな人がいました。現役生もいましたけど、浪人生も多かったし、大学を卒業してからもう一度入ってきたという人もいたので、けっこう年上の同級生が多かったんです。落第して上から落ちてきた人もいたし、すでに家庭を持ってるという人もいました。ただ、そういうことに違和感は全然なくて、大学っていろんな人がいるな~って感じでした。が、ちょっと個性的な人が多くて、高校と比べて「大変だな、、、」というのが本音でした。今の宮城大学生と比べると自己主張が強すぎて協調性がないし(笑)、言いたいこと言って自尊感情が強くてみたいな感じ。だからなじめない(笑笑)。だけどそれが大学かなって思って、あんまり気になりませんでした。すごく仲良くなった友達がいて、しょっちゅう一緒にいたんですが、彼女は隠れ浪人で医学部めざして再受験。大学には最低限しか来ないけど、不合格だった場合は何とか獣医でそのまま進級できるようにということでばくちのような日々を送ってました。結局最後は一緒に卒業して今は立派な獣医なんですが、他にも変わった子ばっかりで、とにかく高校の時と全然違いましたね。楽しい6年間でしたが、みんなと仲良くできたという気はしない。だけどみんなそれぞれガチで勝負してて、なまけものはいなかった。学生時代はちゃんと試験に合格して単位を取ってくのも大変だったし、大学院入試も大変だったし、最後の国家試験も大変でした。みんなで教えあって一緒に勉強して、院試に落ちたり国試に落ちて1年遅れた同級生もいましたがなんとか最終的には揃って獣医師になりました。
卒業後はそれぞれの分野で仕事していて、やっぱりみんな個性的でね。大人になったから多少は協調性もできたみたいだけど、みんなやっぱり「我が道を行く」という感じで。甘えた関係はないなーと思う。先輩たちもみんなすごく助けてくれて今も仕事でお世話になるんですけれど、すごーく緊張感があって、みんなプロフェッショナルだなと思う。
そういう関係を学生時代に作れてよかったなって思うんです。
成長していく方向性や取り組む姿勢が似てて、だけど個性が強くてぶつかり合うからなじまない(笑)。みんなはどう思ってたかなあ。べたっと仲良しと思ってた人はいないと思うけど、、、。
だからね、大学でなんとなーくみんなとなじめないなあ、と思ったり、べたべたしたくないなあって思っても全然いいんですよ。ほんとはもう少し仲良しがほしかったなっていう場合も、そういう人が見当たらなくても大丈夫ですよ、これからプロフェッショナルな関係性がきっと生まれてくるから。大学の友達が高校までの友達と違うのは、その専門性のカテゴリで結びついた何かがあるからじゃないかなと思いますね。なのでいろいろ試しながら周りとつながってみてください。横に合う人がいなかったら縦につながればいいので、先輩とか先生とか卒業生とつながってもいいんですよ。
1年生にとってはいろんなことがしんどい4月かなって思うので、ちょっと書いてみました。居場所がないなってなったら、わたしの研究室にも遊びに来てください。
【私の母校、大阪府立大学旧農学部校舎】
いよいよ新学期が始まりました!
昨日まで、毎日オリエンテーションで大変でした。
1年生は対面、在校生は遠隔で
あっちに出たりこっちに入ったりで
くるくるくるくる回ってました>わたし
【対面オリエンテーションの会場】
【今年も@GREENが新入生にお米を配りました。附属農場のお米です。】
朝7時半から来て配ってくれましたよ♪
そして今日から講義が始まり、わたしは初日から実験科目。
オンラインですので理論の説明に変更しました。
来週からは実地でRNAの抽出からリアルタイムPCRまで
やる予定です。オンラインの説明では説明しきれない部分があって
ちょっと苦労しました。リアルタイムPCRの解析の原理って
初めて聞いたら難しいですよねー。
コロナでみんなつらいけど、がんばりましょう!
工夫して、できることをやっていきましょう。
私も出かけられないからその分インプットがんばります。
今こそ勉強するときだ!
4年生の卒論テーマについて、いずれ論文にまとめられる方向でないとな、、、
だけど学部生だからあまり難しすぎてはいけないし、、、等等考えていて
はっとしました。本末転倒になってやしないか。
できること、論文にまとめられること、って前提で考えていると
ものすごく視野が狭くなってしまう。せっかく懸案の論文たちが
ちょっと一段落したのだから、一度本当にじっくり考えて次を
考えるべきではないか。4年生も、確かに難しい機序解明ではなくて
測定系の実験ならば楽だろうけれども、ホントにそれがおもしろいのか。
研究がおもしろいから研究をやってきたのに
結果を出し続けることを義務付けられて
コツコツしすぎじゃないか?
とにかくおもしろいことをやろう!と改めて思ったんですね。
そんなわけで、しばらくスタートを焦らず、いろんなことを
考えてみよう、と思います。とにかくまずはインプット。
最近ずっと忙しすぎて新しいことを吸収できていなかったので
締め切りを設けずにあれこれ読み漁ろうと思います。
今日は4月1日で、科研費の採択の発表の日でした。
3年連続で不採択でした。人生初です。
情けなくて悔しいです。
研究費申請はいろいろ出しますが、落ちてこれほど
つらいのは科研費だけですね。それほど特別な研究費です。
実は新年度は複数の研究費が採択になっていて
それだけでもエフォートがやばい状況だったので
これは天の采配かもしれないです。
それでもやっぱり悔しいんですよね。
次の申請の時までに立て直そうと思います。
とはいえ、採択になってる研究を進めることが
とにかく大事ですから、気持ちを切り替えてがんばります。
昨年度は、苦戦してきた論文がアクセプトになり、終了。
もう一つ苦労している論文はrevisionの再投稿が完了。
一区切りついたので、次の論文に取り掛かろうと思います。
今度書くのはもうデータはそろっているので
とにかくどんどん書くのみ。スピード重視でいきたいと思います。