子供のころ、年に一度の海水浴が楽しみだった。エアコンがなかったから、水に漬かるのは最高の避暑だった。
家族だけで海水浴に行く経済的なゆとりはなかった。だから、町内で貸し切りバスを一台したてて江ノ島まで行ったのである。むろん日帰りである。まさしく「三丁目の夕日」の世界である。
海水浴の日には、町内の子供たちが興奮していた。2軒隣りのケンちゃんもトシちゃんも、バスが出発する3時間も前から起きだして、道路で騒いでいた。
若者はビールを飲み、子供はジュースが飲み放題。バス内ではマイクが回され、カラオケがない時代、老いも若きもアカペラで歌った。
海の家では、砂まじりのような冷たくないサイダーを飲んだ。ビーチパラソルが花盛りだった。でも、ビーチパラソルを持っているのは、我々「町内派」よりも上の階層だった。
疲れ果てて日帰りの海水浴は終わった。急に紫外線に当たったので火傷をした。翌日には水泡ができて痛かった。要するに二度の火傷である。
紫外線は体に悪いことは今では分かっている。しかし、当時は日焼けは健康的と見なされていた。
紫外線の害が分かったのに、いまだに海水浴はすたれない。海水浴には害になっても我々を魅了する何かがあるのだろう。
家族だけで海水浴に行く経済的なゆとりはなかった。だから、町内で貸し切りバスを一台したてて江ノ島まで行ったのである。むろん日帰りである。まさしく「三丁目の夕日」の世界である。
海水浴の日には、町内の子供たちが興奮していた。2軒隣りのケンちゃんもトシちゃんも、バスが出発する3時間も前から起きだして、道路で騒いでいた。
若者はビールを飲み、子供はジュースが飲み放題。バス内ではマイクが回され、カラオケがない時代、老いも若きもアカペラで歌った。
海の家では、砂まじりのような冷たくないサイダーを飲んだ。ビーチパラソルが花盛りだった。でも、ビーチパラソルを持っているのは、我々「町内派」よりも上の階層だった。
疲れ果てて日帰りの海水浴は終わった。急に紫外線に当たったので火傷をした。翌日には水泡ができて痛かった。要するに二度の火傷である。
紫外線は体に悪いことは今では分かっている。しかし、当時は日焼けは健康的と見なされていた。
紫外線の害が分かったのに、いまだに海水浴はすたれない。海水浴には害になっても我々を魅了する何かがあるのだろう。