院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

タバコと肺がん

2008-06-29 10:27:07 | Weblog
 タバコの箱から「肺がん」の文字が消えた。何があったのだろう?

 今では「心筋梗塞のリスクが1.7倍になります」と書いてある。「肺がん」の「は」の字もなくなってしまった。

 タバコと肺がんに「平行関係」があるという疫学的研究は多い。しかしながら、タバコは肺がんの「原因」になるという研究結果は、意外にも一つもないのである。疫学調査は「平行関係」や「相関関係」を主張することができても、「因果関係」は主張できないのである。

 でも、脳卒中のデータも疫学調査によるものだろう。「因果関係」は主張できないはずだ。なのに、「肺がん」が「脳卒中」に入れ替わったのはなぜだろうか?

 タバコと肺がんは、疫学調査でも「相関関係」が見出されなくなったのだろうか?そうとしか思えない変身ぶりである。本当に何が起こったのだろう?

宮崎勤ようやく死刑執行

2008-06-29 09:27:47 | Weblog
 宮崎勤がやっと死刑になった。

 事件があった20年前、私は精神障害者の社会復帰施設の所長をやっていた。

 弁護側は宮崎の精神鑑定を要求した。その時、社会復帰施設の利用者たちはみな浮き足立った。私に「宮崎は僕らと同じ病気なの?」、「僕らも宮崎みたいなことをするの?」と彼らは聞いてきた。彼らは一様に不安に満ちた目をしていた。

 私は「宮崎は病気ではなく、ただの変態だから、あなた方とは全然違う」と答えた。

 猟奇的な事件が起きると、すぐに精神鑑定を要請する弁護側は、無知と言うほかはない。そして、弁護士は自らの行為(精神鑑定要請)が、どんなに多くの善良な精神障害者たちを不安に陥れているかを知らないだろう。