(ファミリー劇場HPより引用。)
きのう昼間、NHKのドラマ再放送「男たちの旅路」(山田太一脚本)を面白くて見てしまった。私が大学を卒業した年、1975年の作品で、当時見て面白いと思い、また見てまた面白かった。
老人ホーム問題を取り扱かっているのだが、問題はまだ解消されていない。老人の棄民問題は姨捨山の時代から、ずっと続いているのかもしれない。
老人男優陣がすごい。加藤嘉、笠智衆、藤原鎌足、殿山泰司らみな故人だが、圧倒的な存在感だ。狂言回しに若き水谷豊と桃井かおりが起用されている。主役の隊長は鶴田浩二。
当時、筋立ては大したことがないが、登場人物の討論が面白い「ディベートドラマ」が流行った。「男たちの旅路」は「ディベートドラマ」として見ることができる。むかし中村雅俊らが先生役だった青春ドラマは、多かれ少なかれ「ディベートドラマ」だった。現在そのようなドラマを見ない。
以前は、NHKのドラマは面白かったのだ。朝の連ドラも大河ドラマもみな面白かった。1週間たつのが待ち遠しいほどだった。朝の連ドラはたまにヒットがあるが、大河ドラマはここ何年も鑑賞に努力を要する。
NHKは金曜時代劇とか数回連続の現代ドラマをやっているが、いずれも食指が動かない。ドラマが面白くなくなったのは自分の歳のせいだろうと思っていたが、このたび「男たちの旅路」を見て、そうではないと分かった。