(弁護士バッジのレプリカ。RGJPのHPより引用。)
法科大学院を作って弁護士が大量生産されたからという理由だけで、弁護士資格がプラチナ資格ではなくなったわけではありません。弁護士の仕事が世のコンピュータ化に乗れなかったのが問題の本質です。
弁護をコンピュータで行うソフトはありません。法学や法理論や法哲学の研究もコンピュータに馴染みません。「計量裁判」は研究されましたが、実用化できませんでした。
一方、医師免許は未だにプラチナ免許です。それは医学のあらゆる分野にコンピュータが導入されたからです。これにより医学は長足の進歩を遂げました。失礼ですが、法曹界でのコンピュータ利用は文書がワープロ化されたくらいではないですか?争点や損害などのもろもろをコンピュータに入れて、調停や裁判などの法的手続きの参考にしてみようという機運はあるのですか?法曹の作業は微妙すぎてコンピュータには馴染まない面も多いでしょう。ですが、名医が天才的な勘で行う診断治療も、じつはコンピュータには馴染まないのです。
CT,MRIはコンピュータなしには実現しませんでした。心電図もコンピュータで読まれます。ゲノム解析、薬品の開発、疫学的研究、診断学・・何をとってもすべてコンピュータが有効です。打診や聴診は必要がなくなりました。むかしの2次元単純レントゲン撮影の読影名人より、現在の研修医のMRI診断のほうが正確です。この30年で医学界は別世界のように変わってしまいました。
こうした医学界から見ると、法曹界は未だに打聴診のような個人的職人芸が幅を利かせているように見えるのです。法曹界ではまだ30年前の知識が通用するのではありませんか?
※今日、気にとまった短歌
二時間目三時間目と死にそうだ弁当の時間生き返ります (都立鷺宮高校)伊藤未来