(Wikipedia「KH-9」より)
きのう無人機は撃墜してもよいという話をした。そこで偵察衛星だが、これも実は無人機である。
無人偵察機は撃墜されても、偵察衛星が撃墜されないのは、国連宇宙条約に宇宙平和利用の原則があるからではない。偵察衛星は撃墜するのに高度な技術と莫大な費用を必要とし、多くの国では不可能だからだ。
ひとりアメリカだけにそれが可能となった。スペースシャトルである。スペースシャトルの成功によって、アメリカは他国の偵察衛星を撃墜できるどころか、ロボットアームでひょいひょいと拾って歩けるようになった。
こうしてロシアの衛星が無力化されたため、軍事バランが崩れてアメリカの軍事的一国支配が成立した。スペースシャトルで子どもが考えたメダカやカエルの実験が行われたのは、むろん付け足しまたは懐柔策だった。
このほどスペースシャトルが廃止されたのは、アメリカが宇宙での軍事的プレゼンスを確立したからに他ならない。必ずしも財政逼迫だけが理由ではなかった。
宇宙は簡単に人が覗けないから、力のある国は好きなことをしている。宇宙条約なんて知ったこっちゃない。見えないところでは国家はなにをするか分からない。
見えない海底では各国の潜水艦が熾烈なバトルを続けている。日本でも潜水艦乗組員は家族にさえ居場所や行動を知らせない。潜水艦の情報は、どこの国でも最高の軍事機密となっている。
サイバー空間も見えないから、余人には想像もつかないような戦いが行われているはずである。そもそもインターネットとは情報を各地に分散させて、一箇所だけ破壊されても大損害を免れるための情報防衛システムだったのである。
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