昔、昭和30年代の初め、まだ隅田川の花火大会が中止になる前の話である。(隅田川の汚染により中止になった花火大会は最近、再開された)。
TVもない当時は花火見物は娯楽の華で、みな昼間のうちから集まって夜の花火大会が始まるのを待っていた。桟敷や舟で待つのである。
夜まで何時間も待つというのは、たいくつなものである。そこで、誰かが昼間の花火を考え出した。
それは、煙の花火である。色がついた煙を上空から落とすのである。なにで落とすのかというと、パラシュートの小さいもの、すなわち日傘より一回り小さい紙でできたパラシュートに煙管をぶら下げて落とすのだ。
航空ショウなどで見るように、煙には色を付けることができる。赤、青、緑、黄。いろんな色の煙がパラシュートで落ちてくる。
一度に何個ものパラシュートを打ち上げて、あとは風任せで落ちてくるので、形状は色が付いた柳のようになる。色はまちまちだから、そのような花火を「五色柳」といった。
今ではそのような花火を見ない。交通の激しい道路にパラシュートが落ちてくるのはまずいのだろう。当時はそんなことはなかった。大人たちがこぞってパラシュートを取ろうとしていた。幼い私もパラシュートが欲しかった。
TVもない当時は花火見物は娯楽の華で、みな昼間のうちから集まって夜の花火大会が始まるのを待っていた。桟敷や舟で待つのである。
夜まで何時間も待つというのは、たいくつなものである。そこで、誰かが昼間の花火を考え出した。
それは、煙の花火である。色がついた煙を上空から落とすのである。なにで落とすのかというと、パラシュートの小さいもの、すなわち日傘より一回り小さい紙でできたパラシュートに煙管をぶら下げて落とすのだ。
航空ショウなどで見るように、煙には色を付けることができる。赤、青、緑、黄。いろんな色の煙がパラシュートで落ちてくる。
一度に何個ものパラシュートを打ち上げて、あとは風任せで落ちてくるので、形状は色が付いた柳のようになる。色はまちまちだから、そのような花火を「五色柳」といった。
今ではそのような花火を見ない。交通の激しい道路にパラシュートが落ちてくるのはまずいのだろう。当時はそんなことはなかった。大人たちがこぞってパラシュートを取ろうとしていた。幼い私もパラシュートが欲しかった。