臨時高校教師日記 7 書道教室にて
教室が向かい合わせなので、よく書道教室にお邪魔しています。
書道教室のほうが明るく机も広いので、採点や仕事に使わせてもらっています。
書道のえみ先生が、生徒の作品に、朱墨を入れながら、
「添削するのもね~」とつぶやきました。
えみ先生は私の娘とそう変わらない歳で、多くを語らず、
私が一方的におしゃべりしているのですが、
添削することによって、
先生の 好み、クセ、型にはめることになるかも・・。
のびのびと感性を伸ばして書かせてやりたい・・。
と つぶやきからそう感じました。
最初は先生のまねから入っていいと思いますよ。
先生の持っているものを習得して、
それから自分の個性を発揮してもいいのでは?
展示会をしても、
作品をみたら、大体どの先生のお弟子さんかわかるでしょ?
音楽でも、複数の先生で発表会をしたら、
選曲、弾き方、音色でどの先生の生徒さんかだいたいわかるわよ。
先生も流儀、好みを押し付けるのでなく、
それも選択肢の一つとしてとらえさせて、
個性を引き出す度量をもっていなければね。
そんな話で花が咲きました、というより私がしゃっべっていただけです
えみ先生のお手本の縦の線をみせていただきました。
すっと力を抜いた縦線。
少し力をこめてからすっとははらった縦線。
最後まで力を入れた縦線。
それを見たとき、ピアノを弾くのと同じだなって感じました。
腕の脱力具合、打鍵の高さ、いろんな要素で音色が変わってくる。
筆使いと、墨の濃淡を眺めていると、
鍵盤を走る指が見え、音が聞こえ,息使いが聞こえてくるようでした。
ただ 思いを込めた作品が、形となり視覚でずっと確認できますが、
音楽は、時間の流れに乗っていってしまう。形として残らない分、
その時々に耳と心を澄ませて集中力を持続させないと、いい音作品に
ならないな~っと ひとりつぶやいていました。