23区が共同出資し、東京23区清掃一部事務組合が株主となって設立した「東京エコサービス」の事業と大田区に与える影響についてうかがいます。
清掃工場の運営委託と発電した電力を市場価格より高く売るため、23区が出資し、清掃一部事務組合が株主になって平成18年に「東京エコサービス」が設立されました。
設立にあたり様々な議論がなされる中「透明性」と「各区の関与の確保」「経済性」といったこととが最終的な論点になったと思います。
しかし、スタートしてみれば、それまで一部事務組合のHPで公表されていた電力の売却量や料金、売却先も公表もされず、大田区を通じ委員会で質問しても「企業秘密」という答弁で、設立した際の「透明性の確保」は影も形も無い状況です。
現在、7清掃工場が「東エコ」に電力を売却していますが、特命随契の理由は
1.23区が合弁して設立したから
2.電力を従来より高く売れるから
3.電力販売により一組と23区の経営改善になるから
4.経営の透明性が確保されているから
というものですが23区民は果たしてそれらを確認できる状況にあるでしょうか。
さて、この「東エコ」は、電力10,000KWを23区の小中学校80~90校に1校当たり平均100KW程度売るとしています。大田区でも小学校2校と中学校1校が「東エコ」から電力を購入する随意契約を締結しています。
会社設立の際に、電力の購入は各区の自主性・契約の問題と西野前区長が答弁していますが、結果として23区すべてが「東エコ」から購入することになる予定です。
しかも、契約内容は、1年ごと自動更新。どちらかが申し出ない限り、一旦契約した学校は「東エコ」から電力を購入し続ける事になります。
現在は、大田区が契約した内容ですと、東電から購入するより安く購入できていますが、他の新電力会社と比べ一番安いか随意契約では不明です。
そこで教育委員会にうかがいます。
安価なため電力購入を決めたと説明していますが、自動契約更新になれば、契約内容を見直すことも忘れてしまいかねません。毎年、電力料金や契約条件の優位性を確認したうえで更新を決定する。またその検討内容は議会に報告するということでよろしいですね。
一組との懇談の場を持った際、原油価格の高騰やリーマンショックにより電力価格が暴騰暴落している状況に一組も困っていると発言していましたが、電力価格が、社会状況に影響されるのは想定内であり、今からそれを言い訳にしているようでは先が思いやられます。
「東エコ」設立に関わり「透明性」ということばを聞かされ続けていますが、一組と「東エコ」との関係は、単なる株主総会程度の資料だけで、それ以上の情報は、いちいち開示請求や資料要求しなければ出てこないのが現状です。
■質問■
そこで、質問します。設立の際、メリットとして伝えられている一組分担金は、東エコ設立により一体いくら節減に貢献しているのでしょうか。
■答弁■
出せない。
少なくともメリットであると説明してきた部分については、検証も含め23区に報告すべきと考えます。
発電を増やすためにゴミ減量が抑制されたり、ゴミからの発電を上回る電力量をしかも高い価格で買わされたり、あるいは、高価格による清掃工場運営委託契約締結により23区に負担を強いたうえでの東エコの作られた黒字でないことを祈り、また透明性をもった経営により23区に十分説明することを希望して質問を終わります。