健康福祉委員会で、生活保護の受給者の動向について報告がありました。グラフ(本文参照)をみると、受給者が減ってきているのがわかります。
ところが、国の動向と比べると、全く違った側面が見えてきます。
長期的にみると、大幅に増えてしまったことがわかります。
戦後の貧しいときは、高い保護率ですが、高度経済成長で減らし
それが、オイルショックで増えますが
昭和59年をピークに
バブル景気も経て、平成4年1992年まで一貫して、減っているのです。
しかも、
当時、東京都と国の数字には、ほとんど差がありませんでしたが
今は、東京都の受給率が、2割ほど高くなっています。
豊かなはずの東京は
一方で、その豊かな「輪」からはじき出されれば、一転、生活保護になり、そこにたどり着けない方たちが
ホームレスへと転落しかねない、そういう、危うさを感じます。
減ってきているから、良い、というより
0.7%から2%に増えてしまった保護率を、そういう社会をどうするか
考えさせられた、報告でした。
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委員会で報告された、大田区、23区、東京都の生活保護の受給者数と割合が、下記のグラフです。
減ってきているのがわかります。
下記のリンクだと、より鮮明な画像で、見やすいと思います。
ba301ecfc9cbe8ee06420d9bcc6dc3c3.pdf
これだけ見ると、日本の生活保護受給者は減っていて、「良くなっている」資料なのですが
国のデータと合わせ、長期的に見てみると、色々なことが見えてきます。
(申請しようとしても門前払い、というのは、別の機会に)
国の少し前の資料ですが、推移を見たら、減ってきているものの、
もっと低い時期があったことがわかりますし、
戦後、紆余曲折があったことが、生活保護の受給率から見えてきます。
戦争直後の貧しい時期から、少しずつ、経済力をつけ、生活保護受給者も減ってきて
それが、増えるのが、
第一次オイルショックです。
第二次オイルショックまで、受給率は微増を続け、
減少に転じるのが、バブルのころからで、グラフでは
平成景気、と書かれています。
バブルがはじけ、
平成7年以降は、
リーマンショック(世界恐慌)もあり、平成26年まで、増え続けます。
大田区の報告は、「奇しくも」、そのピークから減り始めた数字を報告していたのです。
赤が保護率
緑が人数
青が世帯数です
大田区の直近令和6年10月の保護率が、2.05%(グラフの数字は‰1000人に対する割合もあるのでご注意ください)
東京都は、1.93%。
国の同時期の保護率は、1.62%で、国の方が少し低くなっています。
1992年に東京都が7.4%で国が7.2%とほぼ変わりませんでしたが
今では、東京都の方が2割も、保護率が高くなっています。
豊かなはずの東京は
一方で、その豊かな「輪」からはじき出されれば、一転、生活保護になり、そこにたどり着けない方たちが
ホームレスへと転落しかねない、そういう、危うさを感じます。
減ってきているから、良い、というより
0.7%から2%に増えてしまった保護率を、そういう社会をどうするか
考えさせられた、報告でした。
お金を稼がなければ、生きていけない、社会
お金を稼いでも、貯めにくい社会、
何かあっても、頼る人がいない
社会になってきているという事だから、です。
問題は、
どこにも、余裕がなくなってきている、ということだと思います。
それが、私たちを不安にさせます。
笑顔、とか、安心とか、政治が言うとき
一方で、こういう社会に政治がしてきたのに、
と嘘くささを感じるのは、私だけでしょうか。