羽田空港まで行けるのが「売り」だったので名前も新空港線に変えた蒲蒲線ですが、とりあえず東京都と合意できたのは「東急蒲田と京急蒲田の北を地下トンネルでつなぐ」こと。
しかも、工事費は当初の1080億円から1360億円に膨らみ、経路が3kmから1.7kmと短くなって、キロ当たり単価は2.2倍の計算です。
空港まで直通ではありませんし、これまで、多摩川線蒲田からJRに乗り換えていた経路は、蒲蒲線になると地下化するので、5分20秒かかる計算で、空港を利用しない区民の中には不便になる方も多いと思います。
そのうえ、都と区で半々と説明されていた負担割合が変わり、7:3で大田区の負担が大きくなりました。
労働力人口の減少に加え、大田区も国もテレワークを推進していますから、乗降客数はさらに減るでしょう。
その上少子化で通学する学生も減る傾向です。
当然、税収も減っていきます。
今回、蒲蒲線を使って空港に行く方を公共事業にありがちな楽観的予測に基づく計算かもしれませんが、
1日1.5万人と計算しています。
この1.5万人は、蒲蒲線で空港を利用する方が増えるのではなく、
・東急蒲田と京急蒲田を歩いて空港に行っていた方
・東急蒲田からバスやタクシーで空港に行っていた方
だと思います。
800mを10分かけて歩くか、1360億円(区民負担317億円かけて)、京急蒲田近くまで蒲蒲線を通して、それでも6分20秒歩くか。
いずれにしても、1360億円のうち、国・都・大田区と負担する主体は違いますが、いずれも税金で906億円。
残りの453億円は、私たちの切符代で負担することになります。
乗降客が見込んだ1.5万人より少なければ、事業主体は大田区が設立する第三セクターですから、大田区の持ち出しが増えるかもしれません。
そもそも料金設定が、京急の穴守稲荷から空港間で加算運賃を取っている(現在一部廃止)ように、地下シールド工事で高くなるかもしれませんから、私たちの運賃負担も高いかもしれません。
いずれにしても、税金も切符代も私たちが負担しなければなりません。
誰かが、払ってくれるのではないのです。
経路も経費の内訳も運賃の料金設定もブラックボックスのままですが、安易な経費の想定のつけは、最終的に、私たちが、税金や切符代で、負担することになります。