国民の基本的人権を脅かす「テロ等準備罪(共謀罪)」の創設を行わないことを求める意見書を提出のための議案を、共産党、緑、ネットと一緒に出しましたが、自民、公明、民進、維新などが反対して意見書提出はなりませんでした。
反対の理由は、臨時会は緊急性がなければだめというもののようで、二年前の安保法の時にも同じことをしています。
以下、その時のブログから
大田区議会の自民党、公明党、民主党が、安保法制についての意見書案を議事日程にかけず、門前払いしたのは、「緊急性」が無いからという理屈のようです。
今回のポイントは、
①議案提出要件を満たしている議案を、
②緊急性が無い という理由で
③議会運営委員会が多数決で上程しない ことができたのか。
議場で多数決で緊急性の有無をはかり付議しない性質の問題だったか。ということだと思います。
これについて、地方自治法逐条解説などを読みました。
その結果、
①会議規則をもって独自にさらに議員の提案の提出権を制限することはできない(逐条解説112条)
②緊急性は提案者が認定して差し支えない。(逐条解説102条)
③議運が議事日程に掲載しないことを決定しても法的には無効である。(元全国都道府県議会議長会 議事調査部長全国都道府県議会議長会議会制度研究アドバイザー 野村稔 氏)
ちなみに、総務省行政課の方から、意見書提出案は、議員提出議案要件(112条2項、3項)にはかからず、1人でも提出できることを確認しました。
上記①~③を踏まえれば、一人の議員が緊急に意見書提出を求めるなら、それを議会として、検討、議論しなければならないことになります。
この安保法制についての部分が、テロ等準備罪(共謀罪)の創設に変わるだけで、まったく同じことを同じ議員が行っています。
今回、私は、緊急性についての討論の場を設けるよう動議をかけました。
ところが、おぎの稔議員(東京維新)が即刻否決の動議をかけたため、即刻否決を求める採決が行われました。
これに、
自民16、公明12、民進3、東京維新2、たちあがれ1、無所属などの議員37人が賛成し、緊急性について討論することを否決。
意見書提出の是非だけでなく、意見を言うことすら多数決で認めませんでした。
以下の×の議員は、意見書提出に反対しただけでなく、緊急性についての討論も無用とした議員です。
こうして多数決で発言させないということは、今回に限ったことではなく、これまでも行われています。
有権者は、議会での多様な意見の議論から導き出された結果を見て、次の選挙の判断にすることもあります。現状の権力を正義として多数派がその数の力で少数意見を封じれば、有権者は選択しさえ得ることができず、現状が常に肯定されることになります。
こうした繰り返しにより、当時もっとも民主的と言われたワイマール憲法を持つドイツからナチスの独裁が始まったことに私たちは学ばねばなりません。
法改正してテロ等準備罪(共謀罪)を創設しようとしていますが、衆議院を通過したことに加え、国連からの書簡やそれに対する政府の対応などが明らかになるいまだからこそ、緊急に政府に申し入れることが必要だと考え、意見書の提出提案をしました。
政府が、共謀罪を創設しようとする法改正案に懸念を示した国連からの公開書簡に対して抗議をしましたが、これについて国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフケナタッチ氏は、「中身の無いただの怒り」と批判していると報道されました。
内容が本質的な反論になっておらず、プライバシーを守る措置が無いなどケナタッチ氏の懸念には一つも言及がなかったそうです。
これを緊急でないとすれば、緊急性ある事項とはいったい何でしょう。
国の政治は大切ですが、こうして地方議会で大切なことが、民主主義の基本を無視して進められています。
高齢福祉がんばる、待機児がんばる、羽田の飛行ルート変更で安全守る、騒音対策する、、、、。
政党や議員のスローガンではなく、言動一致、議会で何をどう発言し、どういう賛否行動をとったのかに目を向けていただきたいと思います。
地方自治は民主主義の学校と言われていますが、地方議会が、一つ一つにきちんとこだわり、議論し決めていくことが、日本をよくしていくことになると思います。
そこを放置して、政治は変わらないと思っています。