これまで「大田区民センター」にあった「新蒲田福祉センター」を志茂田中学校に移転するための施設設置条例を改正するための議案について、大田区民センターがどうなるか明らかになっていないこと、学校施設建て替えについての方針に問題があることから反対しました。詳細は以下に記します。
____________________
8分27秒から
平成28年第3回大田区議会定例会(第3日) 障害者施設設置条例 討論
これまで「大田区民センター」にあった「新蒲田福祉センター」を志茂田中学校に移転するための施設設置条例を改正するための議案について、大田区民センターがどうなるか明らかになっていないこと、学校施設建て替えについての方針に問題があることから反対しました。詳細は以下に記します。
______
大田区立新蒲田福祉センター条例の一部を改正する条例 について反対の立場から討論いたします。
この議案はこれまで「大田区民センター」にあった「新蒲田福祉センター」を志茂田中学校に移転するための施設設置条例を改正するための議案です。
大田区民センターが老朽化しているから、志茂田中学校に移転すると説明を受けています。
志茂田中学校は、新蒲田福祉センターに近接しているため、利用者にとっても差しさわりなく通所できるよう配慮していると説明を受けています。
しかし、なぜ志茂田中学校に併設するかについて、過去の議事録を調べてみましたが複合化の理由は、『学校は面積も大規模で、数も多い』『地域にも親しまれている』『学校の福祉教育との連携など、さまざまなメリットがある』という非常に抽象的な説明にとどまっています。
そもそも、大田区は、答弁で
「公共施設につきましては、引き続き計画的に対策を講じてまいります。
また、計画にあたっては、財政負担の平準化、複合化や長寿命化、民間活力を生かした手法、こういったものもあわせて検討してまいりたいと考えているところでございます。」
といっているように、複合化をすべきという視点で進められていますが、なぜ複合化なのか、どのような複合化を進めるべきなのか、どことどこの施設が複合化にふさわしく、どういった複合化をすべきでないという議論は深められていません。
それでは、個別の複合化の議論の際に、心身障害者に対する訓練施設が中学校の敷地内にあることの意義が説明されているかといえば、曖昧です。中学校の部分を小学校でも、保育園でも特養でも、置き換えれば通るような説明でしかありません。
学校は国庫補助などにより、大田区負担無しで改修できるうえ、建蔽率容積率に余裕があるため、今後も、周辺の施設が学校敷地内に集まってくる可能性があります。学校が過密化・密集化し余裕がなくなってくるわけです。いってみれば、区民センターの土地を開けるための複合化と見ることもできるわけで、今後の学校施設における複合化は全体像から議論できる状況をつくるべきです。
今回の議案に際し、現在、大田区の障碍者の就労支援や生活支援の拠点はどうなっているのか地図上に落としてみました。
区立民立合わせてみてみましたが、ほとんどの拠点が第二京浜の東側に位置していました。
新設される障害者就労支援、生活支援施設のほとんどは、民間の事業者が運営しているなか、施設の適正配置とは一体何でしょうか。
しかも、こうやって、障害者施設を移転させなければならなくなった発端は大田区民センターの老朽化なのに、肝心の大田区民センターがどうなるのかについては、ほとんど明らかになっていません。
今年の第一回定例会での質問に答える形で
老朽化しているから、今も複合施設だけれど、今後も複合施設として、人口の変化や区民ニーズの変化に対応していける施設を目指すと言っているだけなのです。
今回の議案で、大田区民センターは複合施設ではなくなりますが、この答弁から、大田区民センターは、改築後になんらかの機能との複合化を区が目指しているということです。
大田区の障害者施設の適正配置の観点から、公平性に欠ける現状に置いて、問題意識が感じられないのみならず、今後改善しようという問題意識に基づく検討がみられないこと、結果として、大田区の施設配置における公平性に欠けている部分が改善されないこと、本来、大田区民センターの施設改築から始まった施設移転であるなら、まず、大田区民センターの計画を示すべきだが、まったく示されていないこと、から反対といたします。