いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

特許権と著作権。 patent right and copy right

2013-03-05 19:49:03 | 日記
 (1)日本のノーベル賞授賞者が研究開発した同授賞対象となった理論、技術、成果の「特許権(patent right)」を求めずに、世界の進化に自由に利用されることを表明したことがあった。

 研究者の高い思想と理想、信条が見える、経済原理至上主義のこの世の中で心が洗われた思いがしたものだ。同時に現状にとどまらずにさらに高みの研究開発を目指す研究者としての自負心もかい間見えた。

 ノーベル賞授賞研究となると、時代を世界をリードする基礎的理論、研究として社会的資産としての活用、応用の範囲は広く、付加価値も高くて商品、製品開発に寄与して利益がつきまとう知的財産だ。

 研究開発者の原利益保護と利益独占競争の無用の争いを事前防御するため、本来法律によって高く保護されているものだ。高い技術の特許権を確立すればそれだけで利益を手にする可能性があるが、冒頭の科学者はそうはしなかった。

 冒頭のような高度で画期的な研究開発の知的財産となると、特に市場規律、規制を設けなくても開発者以外に特許権を独占支配することなど容易に考えられずに、同理論、技術を活用した商品化、製品化の自由競争の進化の中でより社会貢献度の高い開発が進めば、それも人類社会にとっては大きな理念、理想、哲学だ。

 (2)「著作権(copy right)」問題となると、インターネットの成熟社会を迎えて音楽、映像、作品配信が無断で同時、広範囲に利用されて、著作、制作者利益が損なわれるとして非常に細かく神経を研ぎ澄ましての無断配信対策、課題問題をよく目にする。

 芸術、音楽、文化の領域になると開発、創作した著作、製品、知的財産の商品は、それだけで完成、完結されたものとして知的所有権が確立されており、あとは広く社会で利用、愛好される知的財産だ。
 著作権は知的財産(作品)を無断で悪用(無断流用、改造)されて「本来、得るべき利益」を損なわれる著作者、開発者、制作者の権利、立場を保護するためのものだ。

 著作者、開発者、制作者として「本来、得るべき利益」と言っても、「本もの」と市場競合しての無断悪用の権利、利益侵害でもない限り、「どこか」で無断悪用、使用したものがそのまま「本もの」の商品戦略の市場対象範囲のものであったのかとなると、そうとも言えない市場ステージでの高い確率もある。

 著作権の無断悪用を認めるものではもちろんないが、対象となるステージがそもそも違うなら、もっと著作者、開発者、制作者の高い芸術性、創作性、文化性に自信を持って「本来、得るべき利益」などにこだわりすぎるのもパラドックス(paradox)な文化だ。

 著作者、開発者、制作者の高い創作性、価値観、満足感(付加価値)は圧倒的な「本もの」志向の利用者、消費者がよく理解している。
 冒頭の学術、研究者とは同じ概念、理念、理想とは言わないが、著作権にもっと泰然自若(coolly)でもいいのではないのか。
 

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