いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

「救急」の意味、意義。 meaning of first aid

2013-03-06 19:49:13 | 日記
 (1)悲劇がくり返されるほど愚かな人間の行動はない。救急車(ambulance)の病院搬送で引き受け病院がなかなか見つからずに、助かる生命を落とす「事件」がまたくり返された。
 久喜市で1月6日に起きた救急車による救急患者病院搬送で、搬送先の病院引き受け照会にあたって「36回」も拒絶されて、2時間半後ようやく県外の引き受け病院に搬送したが救急患者は亡くなった。

 こういう「事件」はこれまでも度々聞かされてきたが、消防関係者、当事者の話でも今回の36回もの拒絶は異常(報道)だという声が聞かれた。休日の病院との連携不足を指摘(反省)する声もある。関係者、当事者に言われるまでもなく常軌を逸した空前絶後の事態だ。
 ようやく消防本部からの搬送先病院の照会作業も検討する方針を表明したが、遅いうえにそれでは不十分だ。

 (2)救急患者の容態、病状を確認しなければ搬送先病院が決まらないのは当然だが、救急車が現場に駆けつけてから搬送先病院「探し」照会(交渉)を始めていては、助かる命も助からないのも当然だ。それでは、救急車としての使命も役割も特性も機能もない。

 そのための救急医療指定病院制度、体制があるのに、有効、有意義に機能していない実態がある。病院は多くが経営状態が悪いと言われて、医師、看護師、病床ベッド不足で受け容れ環境が整っていないとも言われている。

 (3)一方では毎年医科系大学からは卒業生が出て、それに合わせてインターンも増えつづけ、制度上医師不足はあり得ないという専門家の話もあり、施設、設備の整った大学病院、都市病院に人材が偏向して「医師配分」が不均衡、不規則に陥っての機能しない医療体制の不備とも言える。問題はあきらかだ。
 くり返された冒頭の事件のように、今更、関係者、当事者から「病院との連携不足」を言われてもあまりの人ごとのような遅い対応、無責任発言にはあきれるばかりだ。

 (4)救急車出動は「救急(first aid)」非常時体制の中にあり、速やかな生命救済のための事前の体制、連携、協力、支援要件が整備されていなければ効果のないものだ、
 救急車と言いながら、現場到着後患者の容態確認後にそれから搬送先病院探し照会(交渉)などの手ぬるい手順ではまったく不適切だ。
 当たり前のようにこれまでこの不適切な救急行動を改善することもなく見過ごしてきた国、病院、消防当事者の責任は大きい。

 (5)見直す「事件」、教訓、機会は度々あった。近郊の自治体を含めて、対応可能な救急医療病院受け容れ体制、連携、協力を整備して、救急車が現場到着、救急患者容態確認後、これに適切な指定病院に「通知、連絡」のうえ搬送する制度、体制でなければ「救急」の意味、意義(meaning of first aid)がない。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする