いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

1票の格差「違憲」の実刑判決。 unconstitutionality sentence

2013-03-07 20:02:16 | 日記
 (1)昨年12月の衆院選での「1票の格差」訴訟(東京・札幌)で、満を持したように東京・札幌高裁が「違憲」判決(unconstitutionality sentence)を下した。
 これまでは最高裁判決の「違憲状態」止まりで国会の選挙制度改革に期待感を示して「執行猶予」付きの判断、判決(suspended sentence)を示していた。

 しかしその後2年近くたっても利害当事者の国会にまかせた「1票の格差」是正協議、審議は、当然のように党利党略の末に格好をつけただけの衆院小選挙区「0増5減」の法改正までは漕(こ)ぎつけたが、それを反映する実利害のある選挙区の区割り策定までは進めずにもちろん根本解決などには到っていない。

 (2)国会議員の定数削減は「1票の格差」是正とともに膨大な国家財政赤字解消に向けた「議員報酬削減」と合わせて、まず国会自らが規律、模範(paradigm)を示す政治課題だからだ。

 高裁はこれまでの「違憲状態」の執行猶予付き判決から「違憲」の「実刑判決(unsuspended sentence)としながら、選挙自体は国会の0増5減の法改正を(過大)評価し「今後は投票価値の平等にかなったものに是正していくことが『期待』でき、最大格差も2倍未満に是正される『予定』だ」と、期待と予定の極めて根拠の甘い読みの中での「違憲」という「実刑判決」ながら「執行猶予」付きという理論的整合性のない無理な法律論、判断、判決とした。

 (3)司法は、社会正義のパラダイム(paradigm)、スタンダード(standard)となるべきものながら、政治の不作為(違憲、国会違法状態を2年近く放置)に対しての司法のまだ国会審議の期待と予定に託すだけの理論的整合性のない根拠の甘い判断、解釈は、今の世の中の社会正義観の後退を助長、象徴するものだ。

 もちろん、司法が「国民の意思」、国会の「選挙結果」にまで判断、影響力を示すことなど三権分立の原則、司法独裁、越権行為として捉えられることもあり、その前提となる選挙制度、国民の投票権利行使の公平、公正への判断を示して「結果」の公平、公正性、基準を維持することになる。

 (4)大胆で必要な国会議員の定数削減を利害当事者の国会審議にまかせては進まないのはすでに指摘してきたが、ようやく国会議員からも「自らの仕事がかかった問題をやるのは難しい」と第三者が見直すべき(報道)だとの考え、正論を示すものもいる。

 国会議員定数半減を主張する政党もあり、現在の数合わせだけの党利党略、国会勢力図の主体性のない議員数、政権のひんぱんな交代による政策、方針の急激な変更の問題提起も検討しながら、国民代表も含めた第三者専門委員会で早期に「1票の格差」是正、定数削減を実現しなければならない。

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