プロ棋士 対 コンピュータの闘い。 pro shogi-shi vs computer

　(1)将棋のプロ棋士（pro shogi-shi）ともなると、現代では人間コンピュータと言われて１手指すのに１００手、２００手先の展開まで読むとよく言われる。
　かっての７冠棋士で現在も全盛を極める羽生善治さんを中心とする羽生世代以降の棋士は、コンピュータを駆使して日常の棋風の分析、解析、作戦の研究にあたり実力を伸ばしてきたと言われて、将棋の世界ではそれまでの棋風とは一線を画した「新世代」とも言われている。

　(2)コンピュータの近代科学技術情報ツールを駆使して研究、実力を伸ばしてきたプロ棋士が、そのコンピュータ将棋ソフトと対戦するややこしいゲームが企画されて話題になった。
　人間コンピュータと言われるプロ棋士を相手に本尊のコンピュータの近代科学技術情報力の可能性、能力の高さ、広汎さを示すための話題づくりでもあった。

　(3)対戦当初はプロ棋士側も上段者の実力者が対戦して、さすがに情報先行優位（advantage）の人間コンピュータとしてのプロ棋士が能力、実力の高さを示していたが、昨年初めて引退棋士とはいえかっての名人のプロ棋士がコンピュータ将棋ソフトに敗戦して、今回双方互角の条件でのプロ棋士５人対５将棋ソフトの対抗戦が行われている。

　プロ棋士下段者からの対戦が始まって、昨日現在コンピュータ将棋ソフトの２勝１敗のリード（報道）となった。残すプロ棋士２人は上段者が控えており、その結果に興味が沸く。

　(4)コンピュータ将棋ソフトも対戦を重ねてデータ蓄積、分析、解析、対応能力も広汎になっていることが想像できて、人間対コンピュータの相関関係の中での能力比べがなぜか原始的な興味本位であってもつきないところだ。

　人間の頭脳の見る、聞く、話す、動く、考える、感情作用など機能性能はわかっていても、実際の「仕組み（mechanism）」は神秘の中だ。
　宇宙の成り立ちのほとんどが神秘の中のまま存在するように、人間の成り立ち、中身、存在もいちいち自覚してもいられないが不思議の連続だ。

　(5)人間対コンピュータ棋戦が進化してヒントとして人間の成り立ちの神秘が少しでもわかってくるのか、人間世界のあるカテゴリー（kategorie）の中の多彩なグレード（grade）と画一的な法則、方式のコンピュータとの対戦を通して人間の複雑性が解析されれば、興味も原始的の領域ではなくなる。

　能力とは、まわりの人間を見ていて観察力であることがよくわかる。