いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

イチかバチかのプレー(日銀チームプレー)。we will try it, kill or cure

2013-04-05 19:53:01 | 日記
 (1)今春のセンバツ高校野球での9回裏2アウトあわや同点の場面で、走者がホームベース数メートル手前でキャッチャーミットに返球が収まって待ち構えるキャッチャーに強烈な「体当たり(body crush)」を試みボールはミットから落球、「あわや」となったが守備妨害でアウトと宣告されゲームセットとなったケース、教育の一環とする高校野球も近年のスポーツ本来目的の勝利至上主義が台頭してきている流れの中でのプレーと書いた。

 プロ野球では当たり前の乱闘つきのプレーではあるが、アマチュアとりわけ高校野球ではルール以前の「ふさわしくない」プレーとしても当然の判定で異論はないだろう。
 メディアの論評でも「厳正にルールを適用したことは、先例として球界全体に影響を与える可能性がある」として、今後のプレー基準に影響を与える大いなる評価だった。

 (2)一方プレーする側からすれば、あのケースでは別にどういう判断、プレーが考えられるかというと、史上初の3連覇を目指して甲子園出場を決めて負けられないドタン場同点の場面では、「あれ」以外には考えられないプレーでもあった。

 選択肢としては走者数メートル手前で返球がミットに収まって十分な体勢で待ち構えるキャッチャーに①ただその場で立ち止まってアウトになるのを待つ、②ホームベース目がけて通常どおりすべり込む(意図的に足でミットをけり落球を誘うのは体当たりと同じで選択外)、③行くと見せかけて少々オーバーラン気味にでも回り込んで手でベースにふれる、④一旦立ち止まり、塁間で挟まれて相手のミス、スキを突く、⑤とにかく体当たりで落球を誘うとあるが、野球は確率論がベースのスポーツだから生還同点の確率を考えれば、あのケースでは「体当たり」しか成功率の高い方法論はないことになる。

 (3)選択した走者の判断に間違いはないことになる。しかしここで「伏線」があるが、昨年の米国大会で日本代表の同校捕手が米国チームに「同じ(体当たり)」プレーを2度受けて、このプレーが日本では当時批判されて話題になっていた。
 同校としては経験則上、教訓としてとるべき選択肢からは除外しておくべき周知プレーでもあったことだ。

 それではあの場面でのせめてもの許容プレーとすれば、上記④の挟まれて相手のミス、スキを突くプレー選択ということになるが、「体当たり」よりは成功率が「限られて低いプレー」選択にもなる。史上初の3連覇のために負けられないチームのためにとれない消極的なプレー選択でもあった。

 (4)ところで日銀が物価目標2%上昇達成に向けて、デフレ不況に強烈な「体当たり」(市場供給のお金の量を2年で2倍にする量的、質的金融緩和策)を表明した。
 同決定会合で、今まで同策に反対を示していた委員も含めて全員一致での不自然な結束決定だ。

 日銀が国の借金(累積財政赤字)を「肩代わり」していると世界金融市場から見られれば日本国債の信用を失う(暴落)こともある「イチかバチかのプレー(we will try it , kill or cure)」だ。

 (5)結果次第(企業増益、景気回復、賃上げ)ではあるけれど、結果にかかわらずに消費税引き上げも控えてなおさら対極にある弱者救済社会への配慮も肝要だ。
 日銀の強烈な体当たり策には、政府の財政規律、健全化ルール、逆進性検証も必要だ。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする