いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

タカタの責任。 responsibility of maker

2014-12-05 19:46:47 | 日記
 (1)おびただしい数の部品を組み立てる自動車にはリコール(recall)はつきものだが、タカタ製自動車エアバッグのリコールは米国南部地域で780万台、日本で280万台で全米に拡大すればさらに増える。

 これほどのメーカー、車種に及ぶリコールはあまり耳にしたことはない。自動車エアバッグのシェア(share)世界2位のタカタが20か国(報道)に工場を世界展開して急成長した結果の被害影響の大きさだ。業界では急激なスピードのシェア拡大戦略に「品質管理や調査体制が追いつかなかった」(報道)ことが原因だと分析している。

 (2)自動車製造では機能性、デザイン性、乗り心地のほかに安全性が重要な要素を占めて、製造過程では何万回にも及ぶ作動操作の入念なテスト実験が施されるのが通例だ。

 今回のタカタのエアバッグは作動時に爆発的に破裂して(報道)エアバッグを膨らませるガス発生装置の金属片が破損して飛散し、運転者の顔に当たり失明の恐れがある危険なものだ。

 (3)米国南部地域を中心に事故例が報告されて、日本でも義務付けられている車解体時のエアバッグ作動操作で同様の事例が報告されている。タカタの20か国の広範な海外工場進出による急拡大したエアバッグのシェア獲得に、結果として製品の安全性が追い付かなかった原因については安全性が自動車の生命線であるだけに早期の点検、解明、改善策が求められている。

 タカタは米国議会での事故公聴会では、米国南部地域の高い気温による特殊なケースとして対応(報道)全米へのリコール拡大には同意していない。

 (4)しかし日本でも車解体時の同様の破裂による金属片飛散ケースは確認されており、タカタの往生際の悪さを印象付けている。
 タカタのCEO(最高経営責任者)は、米国事故公聴会にも記者会見にも姿を現さずに問題責任をあいまいにしたままだ。

 かって三菱自動車のリコール隠しが問題となって、企業最高責任者がなかなか公の場に出て来ずに厳しい批判を浴びたことがある。安全性を提供する企業人として製造責任のなさに驚かされたものだ。

 (5)自動車にはリコールはつきもので法令により報告は義務付けられており、必要なあらゆる情報開示で利用者に危険を知らせ、安全改善することこそが社会的責務、責任である。

 今回のタカタの場合はちょっと規模が違う。外国車を含めて日本車メーカーのほとんどに共通しており事態は深刻だ。
 事故時に作動する自動車エアバッグはもちろん使用しないことの方が大事だが、作動安全性について油断はなかったのか、CEOがいまだに説明に出てこない企業体質としての製造者責任(responsibility of maker)意識が問われる。

 (6)常に稼働、作動しないパーツで見た目のシェア拡大で信頼、成長戦略をはかる企業精神性の危うさの結果だ。かっての日本製品の品質の高さ、信頼性は世界ブランド(global brand)であったが、関税相互撤廃の自由貿易体制、新興国の台頭で価格競争に追われて厳しい市場競争にさらされている。

 それに合わせるかのように低価格低品質(ないしは消耗の早さ)に転化しては日本ブランドの復活はない。
 タカタは速やかに必要なあらゆる情報開示をして、改善すべきは改善をして世界市場に安全性を発信しなければならない。

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