いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

大学入試の漂流。 the drifting of entrance exam. of univ.

2014-12-23 19:36:07 | 日記
  (1)またぞろ大学入試改革の話だ。今の小6が大学受験期からこれまでの1点刻み入試から人間総合評価に変更(報道)する。こうも大学入試見直しばかりで方針がブレては、提言する中央教育審議会そのものの改革の方が先ではないのか。

 大学入試が全教科入試から3科目入試とか英語を除いた簡略入試とか、大学学部によってはほぼ毎年のように結果に左右されて入試制度を変えて、まるで大学は入試専門機関もどきの有り様だ。
 ひとつの方向性を唱えて一度実績があがらないと途端に見直して制度変更をするから、本質が見えてこない。受験生、高校は良く付き合っているのが不思議なくらいだ。

 (2)大学が求めるのは出来るだけ多くの受験者と優秀な学生の確保だが、重きは受験者の確保の方だ。大学は極端にいえば受験者数、受験料収入で1年間大学運営をまかなう経営体でもある。

 少子化、18才人口減少がすでに現実のものとなり大学運営は厳しさを増して、全国大学の半数近くが定員割れの状態であり、遅かれ早かれ健全経営が出来る大学と出来ない大学の2極化がはっきりしてくる。

 (3)文科省はすでに研究補助金制度で実績重視政策を導入して少子化、18才人口減少に向けた大学の格差化、選別化を進めている。どこの大学でも国からの補助金なしでは健全経営は成り立たないのが現状だ。

 そうしたことも念頭に置いた1点刻みから人間総合評価への大学入試改革だ。少子化、18才人口減少で大学全入時代ともいわれるが、現実には10万人近い受験者を見込める大学と定員割れ大学のブランド2極化(the poles of univ. brand)を鮮明にしてきた。

 (4)高校教育が大学受験教育になって、専門的な大学教育ではついていけない基礎学力低下の学生も多く(近年の大学は合格発表後の入学前に高校基礎再教育を実施するところも多い)、入学選考方法を1点刻みから人間総合評価方式に改革する。

 こうなると大学教育とは一体何なのかという課題にも直面する。専門教育を通して人間の知識、知能、技術、応用性、探究性を高めていくのが大学教育の基本だとすれば、すでにそれを備えた人間総合力のある学生を受験で選別しようなどとは大学教育の基本を踏み外した怠慢ではないのか。

 (5)それがいいか悪いかは別にしても、欧米の大学では教育の自由保障から入学は易くも卒業は厳しい大学教育の責任性、本質性が述べられたこともあった。
 基礎学力があれば大学入学後に専門性の高い学問に触れて知識、知能、技術、応用性、探究性を育てていくことが結果として大学の人間総合力、最終評価方法のはずだ。

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