いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

外相の建前と本音。 the ceremony of a policy and confess of the foregin minister

2016-04-12 19:43:32 | 日記
 (1)G7サミット会議はG7各国が持ち回りで開催している。G7サミットで話題になるのはG7各国の大統領、首相など政治指導者が集まるメインのサミット首脳会議(summit conference)であり、日本以外で開催されるG7サミットで今回広島で開催されたG7外相会合のように関連会合が国内で詳細に報道されることはまずない。

 (2)今回のG7外相会合は唯一の戦争被爆国日本の被爆地広島で開催されて、ケリー米国務長官ほかG7外相が揃って平和祈念公園を訪れ、原爆資料館で記帳し原爆慰霊碑に献花した。

 予定になかった近くの原爆ドームもケリー長官の発案で(報道)揃って歩いて訪れた。通常の共同声明に加えて「我々は核兵器は二度と使われてはならないという広島および長崎の人々の心からの強い願いを共にしている」(広島宣言よりー報道)という核廃絶への強い意思の広島宣言も採択された、日本にとっては記憶に留める意味、意義のあるG7外相会合となった。

 (3)日本で高い注目と関心を集めたほど海外でもこの意義のある被爆地広島開催のG7外相会合が取り上げられたのかは、海外開催でのG7サミットの日本報道を見る限りではやはり不確定だ。

 冒頭のような核保有国を含めたG7外相が揃って被爆地広島を訪れて行動したことがセンセーショナルに注目と関心を持って世界に発信され報道されれば、平和と核廃絶に強いインパクトを与えたことは間違いない。

 (4)しかしここには核保有大国の中国もロシアも参加しておらずに、日本海を挟んで北朝鮮は核実験、搭載ミサイル実験に並々ならぬ意欲と行動を示している。
 今回のケリー長官の平和祈念公園訪問には当初は反対の意向であったといわれて、昨日のNHK報道では日本側がケネディ駐日大使に米国政府との橋渡し、説得を要請して、その結果取材撮影なしでのケリー長官の原爆資料館訪問が実現したと伝えていた。

 米国政府高官からは「謝罪のために行くのではない」趣旨の発言が伝えられて、広島宣言では「核兵器の非人道性」という文言は見送られた(報道)といわれて、政治の建前と本音(the ceremony of a policy and confess of politics)が歴然と存在し残ったことには変わりはない。

 (5)原爆資料館の記帳(報道)ではケリー長官ほか核保有国の英国、仏国外相などG7外相全員が核兵器の脅威をなくす努力について認識をあらたにしているが、広島宣言には「核兵器の非人道性」の文言は盛り込まれなかった。

 同時に政治の建前と本音を使い分ける外相の姿が世界平和の実現のむずかしさをあらわしていた。

 (6)時を同じくしてパナマ文書で世界の政治指導者、関係者による租税回避(tax haven)問題があきらかになって、建前と本音を使い分ける政治を素直には信用できない現実も思い知らされている。

 日本では高い注目と関心を集めた被爆地広島開催のG7外相会合ではあるが、海外でも同じ様に注目と関心を集めているとはこれまでの報道事情からは考えるわけにはいかない。

 (7)やはり5月下旬に開催されるG7伊勢志摩サミット首脳会議に出席のため来日する米国オバマ大統領の行動に注目が集まる。
 核兵器のない世界を提唱するオバマ大統領が被爆地広島を訪れて今回の外相たちと同じ行動を示すことが、最も求められる核廃絶を求める日本の願いであり、世界への強いアピールだ。

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