いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ギャンブルの不確実性とスポーツの確実性。 uncertainty of gamble & certainty of sports

2016-04-09 20:04:37 | 日記
 (1)日本プロ野球機構(NPB)が選手の野球賭博事件の全容解明に打ち出したのが自己申告(self declaration)制だった。自ら野球賭博関与を申し出れば処分は最短の1年活動停止にするというものだ。

 司法取引で使われている手法で日本でも近年取り入れられている捜査手法だ。昨年10月の巨人軍3投手の野球賭博関与に続いて、間をおいて今年3月にもうひとり投手が同野球賭博に関与していたことを自ら認めて(週刊誌の指摘を受けてのものといわれている)、前年の3人(活動無期限停止処分)とは違いあきらかにゆるい1年間の活動停止処分とされた。

 (2)自己申告制による処分軽減の裏付け協力で全容解明を急ぐNPBの取引き手法だった。それを見まねたのだろうか、今度はバドミントン界の主力選手の国内違法カジノでの賭博行為に関与したと報じられた2選手が記者会見を開いて自ら罪を認めた。

 ひとりは12年ロンドン五輪の日本代表であり、もうひとりは現在世界ランク2位で今夏のリオ五輪日本代表が確実視された日本バドミントン界の主力選手だった。
 正式処分が決定していない段階での2選手の記者会見による自らの罪を認める形式、内容には違和感を感じるとともに、今年3月の巨人軍投手の謝罪会見を意識して早いうちの自己申告会見で処分の軽減を狙ったのではないのかの詮索もする。

 (3)ニュース報道の会見を聞いていて、とても日本を代表するスポーツマンとは思えない、考えられない内容、認識、見識なのにただ驚かされた。
 まずは先輩格の選手は自ら違法と認識している違法カジノ店での賭博行為に後輩格の世界ランク2位の選手を誘っておいて、悪いのはすべて自分で責任は自分にあると言って、後輩格の選手にもう一度選手としての活動の場を与えてほしいという矛盾した趣旨の言葉を述べていた。

 違法カジノに誘っておいてのこれが発覚すると後輩格選手の不利益処分の回避を擁護して同選手延命を懇願するなどとは、あまりにも身勝手であり違法カジノの賭博関与会見にも何にもなっていないものだった。

 (4)端っから処分軽減を目当ての見え見えの浪花節会見であり、若いスポーツマンのいさぎよさとはかけ離れた対比でさらにむなしかった。事実を認めたのであれば毅然として協会の処分を待つ、従うのがせめてものスポーツマンとしていさぎよさであったろう。

 (5)後輩格の世界ランク2位の選手も同様だ。彼は「軽率な行動で期待や応援を裏切った」(報道)と述べているが、違法カジノ店での賭博行為関与がどういう意味を持つものか認識していないはずはなく(違法性は認識していると発言)反社会勢力の資金源に取り込まれて「軽率な行動」で済む問題ではない。

 処分を見越して問題を過小評価しているとしか考えられない。また「スポーツマンで勝負の世界で生きている以上、ギャンブルに興味があり抜けられなかった」(同)とも述べている。

 (6)スポーツマンの勝負の世界とギャンブルがどう結びつくのかまったくわからないが、彼らが高度な科学的理論に裏付けられたトレーニングで技術の精度、能力を高める努力をするのは、スポーツの不確実性、ギャンブル性(uncertainty of gamble)を根底から排除するための確率論であるはずだ。彼が何を言っているのかわからない。

 (7)昨年から続いた巨人軍選手の野球賭博関与にバドミントン選手の違法カジノ賭博関与で見えてくるのは、特権意識による社会性、見識の欠如だ。もちろんこういう違法賭博に関与する一般社会人も一定数はいて、彼らだけの問題ではない。

 彼らには社会的注目度も高く、国民の投資(税負担)による援助、負担(入場料)目標でもあり、もっと自立、自覚した責任能力が求められていた。
 そろそろスポーツも「男子」、「女子」から抜け出さなければならない。

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