いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

マレーシア政府の勇気と意気。 courage and eagerness of the government

2017-03-05 19:36:00 | 日記
 (1)北朝鮮の核実験強行に対する国連安保理制裁決議はこれまでなかなか実効性がみられずに時が経過するばかりだった。確かにすでに核保有大国となった安保理常任国が後発組の北朝鮮の核実験実施は認めないという既得権益独占精神では、多分に後ろめたさもあって制裁実効性が進まないのもやむを得ないだろうとは思う。

 こういう都合のいい既成政治観念、権力構造が今や世界的潮流(current)となって批判され、非難されて反動としての極右勢力の台頭につながっている。

 (2)そうした中で今回のマレーシア、首都クアラルンプールの国際空港で北朝鮮の金正男氏が殺害された事件でのマレーシア政府の北朝鮮批難の態度は正論(sound argument)にもとづく責任追及姿勢が前面に出て、久しぶりに国家、社会正義のパラダイム(paradigm)を実感させるものだった。

 空港防犯カメラから北朝鮮政府機関関係者の事件関与が強まり、マレーシア政府はすでに帰国したとみられる同実行指導者の事件関与への捜査協力を北朝鮮側に求めているが、マレーシアの北朝鮮大使館からは「マレーシアの捜査は信用できない」(姜北朝鮮大使)、殺害されたのは金正男氏ではないなど一向に捜査に協力する姿勢をみせていない。

 (3)これに対してマレーシア政府は駐マレーシア北朝鮮大使を国外追放処分にして、同大使館に立てこもるとみられる同事件関与が疑わしい書記官にも外務省への出頭を求めて、応じなければ同じく国外退去処分にすると強硬な姿勢を示している。

 マレーシアはこれまで北朝鮮と国交関係にある友好国で、その首都クアラルンプール国際空港での北朝鮮金第一書記の異母兄正男氏殺害に北朝鮮政府機関がかかわった疑いが強く持たれるという事態には、友好国としてのメンツを汚され(国家間関係ではメンツが大きい)、またビザなし入国の相互自由往来の利点を利用されたという北朝鮮に対する国家的不信が増幅した結果としてのマレーシア政府の毅然とした北朝鮮批判、強硬姿勢となったのは当然だ。

 (4)北朝鮮はこれに対してマレーシア政府に対して制裁措置、脅しに出ることが考えられるが、国際社会はマレーシア政府の同事件の捜査は捜査として見守るとして、このマレーシア政府の毅然とした同事件解明の対応、姿勢(courage and eagerness of the government)に対して、全面的支援、支持を表明して国際社会をあげて北朝鮮に捜査の全面協力を迫ることが必要だ。

 核兵器の実験強行、保有のように制裁をする側核保有大国にもスネにキズ持つ後ろめたさとは違って、マレーシア政府の同事件解明には全面支援、支持で応えることができる国際社会だ。

 (5)国家テロなのかはまだわからないが、マレーシア対北朝鮮の対峙だけで済まない国際社会のテロに対する非難のメッセージにすべきだ。

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