いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

防衛省の組織崩壊。 formative collapse of the ministry of the defense

2017-03-17 19:54:09 | 日記
 (1)安倍政権はそれまで自衛隊組織の文民統制主義として背広組の権限が上位であったものを自衛隊法を改正して制服組の権限を同等に押し上げて、防衛相の軍事政策に対する助言比率を各段に高めた。

 その後、安保法制制定による米軍など同盟国との集団的自衛権行使を前提としての「国防軍」化を有利に進めるためのものだ。

 (2)自衛隊内の背広組と制服組の立場が逆転したともいわれて、文民統制が十分機能しない懸念が残った。今回、南スーダンPKO自衛隊員の昨年の日報の「戦闘」記録では、当初破棄されたといわれたものが実は陸自に電子データとして残っていたことが判明し、こともあろうことか防衛省幹部が今さら公表すれば虚偽報告として混乱する(公表できない)と独自の判断で見送っていた(報道)経緯があきらかになった。

 まさしく懸念されていた防衛省内の背広組と制服組の力関係が制服組優位(priority)に切り替えられた悪影響が出たということだ。

 (3)輪をかけたように防衛省の判断に右往左往するように発言が変わり、答弁修正、陳謝をくり返す稲田防衛相の「後ろ」には指揮一体となるべき防衛省、自衛隊の姿は実感として見られない。

 国会答弁席の稲田防衛相は孤立感が漂い、完全に「後ろ」と「分断」(separation)されているのが見えるだけだ。

 (4)陸自日報問題で前述の事実関係が発覚しての当のトップ陸上幕僚長の記者会見は、稲田防衛相が指示した特別防衛監察による調査協力を理由に「コメントを控える」と「逃げていると捉えられても仕方ないかもしれない」と隠ぺい疑惑など核心部分について説明を拒んだ。

 稲田防衛相が指示した特別防衛監察なるものはそもそも防衛省内の監察組織であり、どこまで真実、責任関係があきらかにされるのかは疑問だ。

 (5)防衛省、自衛隊組織が制服組が背広組を上回る権限、立場に変化していることを示すもので、文民統制が効いていないことの不条理(unreasonableness)、不安が色濃く影を落としているものだ。

 もはや防衛省、自衛隊は組織的に制服組のバイアス(bias)が強くかかった力関係であり、正常に安全に機能しない組織体(formative collapse of the ministry of the defense)だ。

 (6)日本の国防、国民の安全、生活、権利を守り、さらに近隣諸国、国際社会との平和協調関係を前提とする防衛組織ではなくて稲田防衛相のコントロールが効かない危険体であり、稲田防衛相、任命権者の安倍首相の責任は極めて重大だ。

 日本の憲法理念に立脚した防衛理念、国防、防衛省、自衛隊組織の立て直しが急務だ。

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