いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アベ・バリア。 abe barrier

2018-06-07 20:09:05 | 日記
 (1)安倍首相が昨年から森友、加計問題で国会で野党から追及を受け疑いが晴れない中で、イメージダウンしながらも政権に綿々としているのは、戦後憲法を首相として初めて改正することに名を残したいからだ。

 安倍首相が今唱えている現憲法第9条の1,2項をそのままにしてあらたに3項を起こして自衛隊を明記する改正案だが、国民の賛否はほぼきっ抗(世論調査)しており、純粋に憲法改正だけをみればこの内容での憲法改正の可能性は低くはない。

 (2)衆参両議院で改憲勢力で3分の2以上を保持しており、国会発議の要件も備えている。自衛隊は災害救助活動に厳しさを増す中国、北朝鮮の脅威に対して国、国民を守る自衛隊の活動に対して国民の理解は進んでおり、上述内容の改憲であればあえてその必要性の有無は別にして自衛隊を憲法に明記すること自体には異論は少ないと考えられる。

 石破議員が主張している国を守る防衛の戦力、交戦権に制限があるのはおかしいと自民党素案の国防軍化を支持したり、核開発も容認することにまでなると国民多数の理解、支持を受けることはむずかしくなる。

 (3)安倍首相としてはまず9月の党総裁選という関門(barrier)があり、自民党派閥の上位3派の支持を受けて立候補すれば優位な展開とみられる。党員選挙では石破議員の支持も高くあなどれない状況ではあるが、安倍首相への派閥支持の高さから森友、加計問題でのイメージダウンはあるが最終的にはこれまでの国政選挙で負けなしの実績のある安倍首相に落ち着くことが考えられる。ここでは波乱は考えられない。

 (4)次に待ち構えるのが来年夏の参院選だ。安倍首相には森友、加計問題をうやむやのままにでも乗り切れば、党内支持の固さから内閣支持率は上向くとの憶測もあるようで、来年の参院選あたりまでには内閣支持率は回復するとの算段も聞かれる。

 参院選は政権選択選挙ではないので、これまでも時の政権に「お灸」をすえる意味で政権党に厳しい国民の判断結果を示してきたこともあるので、ここでは安倍首相の森友、加計問題でのイメージダウン効果は避けられないだろう。

 (5)仮に参議院での敗北となれば、憲法改正発議の3分の2以上の賛成要件の一角が崩れることにもなり、憲法改正発議は遠のく。しかし今の政治状況を見れば安倍首相による憲法改正が内容にかかわらず国民投票で国民の多数の賛成を得るのは国民感情からむずかしい。

 仮に森友、加計問題がこのままうやむやになったとしても、党総裁選を派閥支持で乗り切ったとしても来年の参院選を起点にして安倍政権に党内外での風圧、変化、変動が起きる可能性は高い。来年10月の消費税10%引き上げも待ち受ける。

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