(1)約束をホゴ(反故)にする能力にかけては当代一の人後に落ちない米朝二人の指導者が共同声明で、かたや「北朝鮮に安全の保証を提供することを約束」(共同声明文)し、一方は「朝鮮半島の完全な非核化への確固として揺るぎない約束」(同)を確認した。
トランプ大統領は署名後の記者会見で北朝鮮への「安全の保証」として米韓軍事演習の中止を財政負担増を理由に述べていたが、共同声明では北朝鮮の安全の保証も非核化についても具体的なプロセスの言及はなく、約束だけの明記となった。
(2)米朝首脳会談前にトランプ大統領は今回は「会う」だけで何かに署名することはしないと言明していたが、そうはしなかった。
互いに目標、約束だけを述べるにとどめた共同声明は最後も「トランプ大統領と金委員長は~朝鮮半島と世界の平和と繁栄、安全のため協力することを約束する」と結んでいる。
約束、約束、約束とこれまで数々の約束を一方的にホゴにしてきた米朝二人の指導者の約束の共同声明には意義は伝わってこない。
(3)評価できないものだ。トランプ大統領が同首脳会談前に述べていた原則論からは北朝鮮側に配慮したようにも見える(そうしてでも結果を求める)共同声明には米朝指導者二人の「年令」、「政治環境」が重要に影響していると考える。
トランプ大統領72才(6月14日)で金委員長が34才(説)、親子以上も離れた年令差はそのままこれからの政治歴、長さの差となって降りかかる。
トランプ大統領はそんなに大統領としての権力にとどまることはなく、一方の金委員長は年令数と同じくらい今後も権力の座にとどまる可能性あるいは院政を敷く期間は十分にある。
(4)トランプ大統領には3年後の大統領選で再選されなければ大統領職ではあり得ない政治環境があり、金委員長は独裁強権政権を維持すればいつまでも可能な限り権力の座に居座り続けることができる。
トランプ大統領には「時間」がなく、金委員長には「時間」が十分にあるという背景条件が「約束」だけの漠然とした共同声明署名に結びついた。
(5)トランプ大統領は11月の中間選挙でのトランプ政権の評価に向けてすぐにでも「実績」が必要であり、当初「会う」だけの何かに署名することはないとした米朝首脳会談で、非核化の方向性、約束だけは共同声明署名で形にする必要があった。
こういう中身の薄い共同声明もめずらしく、なにしろ「米国と北朝鮮は米朝首脳会談の結果を履行するため~さらなる交渉をできるだけ早い日程で開催することを約束する」(共同声明文)というもので、世界注目の米朝首脳会談が前座(opening performance)のような取り扱いではやはり「会う」だけのものとなった。
(6)トランプ大統領の「北朝鮮の安全の保証」の約束も何か齟齬(そご)があれば一変させることはいとも簡単なもので、北朝鮮の「非核化」の約束もまた同じだ。
こういう指導者、政治レベルの中で、日本の拉致問題は語られたといわれている。
トランプ大統領は署名後の記者会見で北朝鮮への「安全の保証」として米韓軍事演習の中止を財政負担増を理由に述べていたが、共同声明では北朝鮮の安全の保証も非核化についても具体的なプロセスの言及はなく、約束だけの明記となった。
(2)米朝首脳会談前にトランプ大統領は今回は「会う」だけで何かに署名することはしないと言明していたが、そうはしなかった。
互いに目標、約束だけを述べるにとどめた共同声明は最後も「トランプ大統領と金委員長は~朝鮮半島と世界の平和と繁栄、安全のため協力することを約束する」と結んでいる。
約束、約束、約束とこれまで数々の約束を一方的にホゴにしてきた米朝二人の指導者の約束の共同声明には意義は伝わってこない。
(3)評価できないものだ。トランプ大統領が同首脳会談前に述べていた原則論からは北朝鮮側に配慮したようにも見える(そうしてでも結果を求める)共同声明には米朝指導者二人の「年令」、「政治環境」が重要に影響していると考える。
トランプ大統領72才(6月14日)で金委員長が34才(説)、親子以上も離れた年令差はそのままこれからの政治歴、長さの差となって降りかかる。
トランプ大統領はそんなに大統領としての権力にとどまることはなく、一方の金委員長は年令数と同じくらい今後も権力の座にとどまる可能性あるいは院政を敷く期間は十分にある。
(4)トランプ大統領には3年後の大統領選で再選されなければ大統領職ではあり得ない政治環境があり、金委員長は独裁強権政権を維持すればいつまでも可能な限り権力の座に居座り続けることができる。
トランプ大統領には「時間」がなく、金委員長には「時間」が十分にあるという背景条件が「約束」だけの漠然とした共同声明署名に結びついた。
(5)トランプ大統領は11月の中間選挙でのトランプ政権の評価に向けてすぐにでも「実績」が必要であり、当初「会う」だけの何かに署名することはないとした米朝首脳会談で、非核化の方向性、約束だけは共同声明署名で形にする必要があった。
こういう中身の薄い共同声明もめずらしく、なにしろ「米国と北朝鮮は米朝首脳会談の結果を履行するため~さらなる交渉をできるだけ早い日程で開催することを約束する」(共同声明文)というもので、世界注目の米朝首脳会談が前座(opening performance)のような取り扱いではやはり「会う」だけのものとなった。
(6)トランプ大統領の「北朝鮮の安全の保証」の約束も何か齟齬(そご)があれば一変させることはいとも簡単なもので、北朝鮮の「非核化」の約束もまた同じだ。
こういう指導者、政治レベルの中で、日本の拉致問題は語られたといわれている。