(1)日本のメディアも大統領選並みの報道体制の世界が注目する米中間選挙は、上院で非改選議員を含めて共和党が勝利し、全改選の下院は民主党が勝利した。
共和党のトランプ大統領にとっては痛み分け(draw games)のねじれ議会となって、議会、政権運営がむずかしくなるとの観測だ。
(2)しかしトランプ流儀は大統領令にツイッターなので、さしてヘコたれていないのではないのか。もうひとつのトランプ流儀は「敵」をつくって攻撃して米国あるいは強固な支持層の利益を守るという手法なので、中間選挙中も民主党を徹底的にコキおろして民主党を勝たせれば米国は再び経済は減退し、移民、難民であふれると危機感を煽っていたので、ねじれ議会で行政が停滞すれば民主党多数の下院で民主党の責任を標的にして攻撃をして自らの立場の正当性を主張するのではないのか。
(3)上院での非改選議員の多い共和党が勝利したのは順当といえるが、全改選の下院で民主党が8年ぶりに多数党となったのはトランプ大統領、政権に対する批判があらわれたのは間違いのない結果だろう。
共和党では選挙に強いといわれる現職議員40名が今回の中間選挙に立候補せずに政界を引退したのが響いたのが敗北の要因との見方があり、一方で何かと女性差別、蔑視発言で問題の多かったトランプ大統領に対して民主党からは多くの女性立候補者が出て、特にオバマケアの保険診療医療制度の必要性を訴えたことが下院での多数奪回につながったとの見方もある。
(4)民主党のオバマ前大統領は議会は上下院とも共和党に多数を占められて、議会での法案、予算案審議では予算執行のモラトリアム(moratorium)を抱えて絶えずむずかしい対応に迫られていたことを考えれば、トランプ大統領の前途も険しいものが待ち受けることになる。
これまでもオバマケア撤廃の法案審議で当時多数党の共和党議員から反対議員(亡くなった有力マケイン議員など)が出て、不協和音のある共和党主流派から全面協力を得られるのかの不安材料もあり、トランプ大統領の国内政治基盤は強固な保守、マイノリティ支持層と今回の下院での民主党多数とりわけ女性議員の躍進で分断、対立がより鮮明な不安定さが増すことが考えられる。トランプ大統領への議会での弾劾裁判も視野に入ってくる。
(5)これまでのように国際協議の枠組みから次々と離脱して世界とりわけ中国、イランを相手の貿易戦争、核合意対立、そしてイスラエルへの一方的な肩入れなど自らの強硬姿勢が貫けるのか抱える問題は多い。
米国の「本質」が問われた中間選挙はとりあえずは分断混在の痛み分けに終わって、これからが米国の「本質」の見極め、正念場をむかえるねじれ議会だ。
共和党のトランプ大統領にとっては痛み分け(draw games)のねじれ議会となって、議会、政権運営がむずかしくなるとの観測だ。
(2)しかしトランプ流儀は大統領令にツイッターなので、さしてヘコたれていないのではないのか。もうひとつのトランプ流儀は「敵」をつくって攻撃して米国あるいは強固な支持層の利益を守るという手法なので、中間選挙中も民主党を徹底的にコキおろして民主党を勝たせれば米国は再び経済は減退し、移民、難民であふれると危機感を煽っていたので、ねじれ議会で行政が停滞すれば民主党多数の下院で民主党の責任を標的にして攻撃をして自らの立場の正当性を主張するのではないのか。
(3)上院での非改選議員の多い共和党が勝利したのは順当といえるが、全改選の下院で民主党が8年ぶりに多数党となったのはトランプ大統領、政権に対する批判があらわれたのは間違いのない結果だろう。
共和党では選挙に強いといわれる現職議員40名が今回の中間選挙に立候補せずに政界を引退したのが響いたのが敗北の要因との見方があり、一方で何かと女性差別、蔑視発言で問題の多かったトランプ大統領に対して民主党からは多くの女性立候補者が出て、特にオバマケアの保険診療医療制度の必要性を訴えたことが下院での多数奪回につながったとの見方もある。
(4)民主党のオバマ前大統領は議会は上下院とも共和党に多数を占められて、議会での法案、予算案審議では予算執行のモラトリアム(moratorium)を抱えて絶えずむずかしい対応に迫られていたことを考えれば、トランプ大統領の前途も険しいものが待ち受けることになる。
これまでもオバマケア撤廃の法案審議で当時多数党の共和党議員から反対議員(亡くなった有力マケイン議員など)が出て、不協和音のある共和党主流派から全面協力を得られるのかの不安材料もあり、トランプ大統領の国内政治基盤は強固な保守、マイノリティ支持層と今回の下院での民主党多数とりわけ女性議員の躍進で分断、対立がより鮮明な不安定さが増すことが考えられる。トランプ大統領への議会での弾劾裁判も視野に入ってくる。
(5)これまでのように国際協議の枠組みから次々と離脱して世界とりわけ中国、イランを相手の貿易戦争、核合意対立、そしてイスラエルへの一方的な肩入れなど自らの強硬姿勢が貫けるのか抱える問題は多い。
米国の「本質」が問われた中間選挙はとりあえずは分断混在の痛み分けに終わって、これからが米国の「本質」の見極め、正念場をむかえるねじれ議会だ。