いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

野外、ドームコンサート。 open air , dome concert

2018-11-15 20:11:55 | 日記
 (1)カリフォルニア州モントレー・ジャズフェスやニューヨーク州ウッドストックロックコンサートなど海外の大規模な野外コンサートは「文化」として古くからあるが、豪華有名ミュージシャンの競演がみどころで、音、音楽を聞かせる、「聞く」というよりは音楽をピクニックとして「見る」ものだった。

 ビートルズは65年の全米ツアーコンサートでニューヨーク・シェアスタジアム(野球場)で野外コンサートを開催したが、スタジアムの中央にステージを組んで観客はスタンド席で聞くというもので、当時の映像で見るとおり熱狂した若い観客はビートルズの演奏、歌に首を激しくふり絶叫してとてもビートルズの演奏、歌など聞いている(聞こえる)ものではなかった。

 (2)ビートルズも自分たちの演奏、歌がまともに聞こえない状況で、とてもまともにやってられない状況だったろう。音響とか音のクリーンさ、伝わり方なんか関係のない「見る」だけの野外コンサートだった。

 日本の野外コンサートといえば先駆者となったのが「Tulip」で、1978年7月、80年7月の鈴蘭高原コンサートに81年名古屋城コンサート、82年よみうりランドを1日貸切ってのコンサート、84年の箱根芦ノ湖コンサートがあり、アクセスの悪いところに大量の機材を持ち込んで全国からの観客を輸送する手段を考えるなど先駆的な役割を果たした。

 (3)国宝名古屋城はそれまでコンサート開催は許可されていなかったが、関係者の交渉努力で開催され、コンサート終了後に観客が進んで会場の清掃、ゴミ集めをしてこれが認められてその後の名古屋城域内での一般コンサート開催許可につながったといわれる。

 以前のアリーナ会場はスポーツ、産業展示場として利用する目的でつくられており音響効果が悪く、ドラムを叩くとその音がドン、ドンと反響して返ってくるという耳障りなものだった。

 (4)最近はドームコンサートも一般的になり、あたらしいドームではコンサート開催も考えてつくられていると思われるほど音響効果が良くなっている。そのための音響機材の進歩もあるとみられるが、11月8日のポール・マッカートニーナゴヤドームコンサートもそこに注意して音を聞くと音によってはわずかに残響が伝わってくることもあるが、ステージ、スピーカーに集中しているとまったく音に違和感がなくドームコンサートでもいい音、音響で迫力で演奏、歌を聞くことができた。

 ポール・マッカートニーさんのピアノ、キーボードの一音、一音の力強いタッチ音も聞こえて音響のすばらしさが実感できた。

 (5)技術の革命は進歩は野外コンサート、ドームコンサートでも音、音楽を「見る」ものから「聞く」ものに変えていった歴史、伝説が実感できる。

 ただし、ドーム(野球場)コンサートはセンター後ろのスコアボード前にステージを組み、グラウンド内の特設アリーナ席とスタンド席に観客を入れているが、アリーナ席はバックネット前までギリギリ座席を確保しているわけではなく(高い照明スタンドなどの設定がある)、ステージ設定を少し前に出せば数万人収容のスタンド席でももっと見やすいのではないのかと思う。
 照明機材、収容人員、ステージが前に出ることによっての音の反響の問題など課題もあるが考えてみてもいいのではないのか。

 

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