いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

Gone with a crime。

2018-11-21 20:10:03 | 日記
 (1)結果論だから言うわけではない。主要工場を閉鎖し、従業員のクビを切り、コストカットすれば傾きかけた企業も持ち直せるのは考えられることだ。
 しかし従業員と長い間苦楽を共にしてきた経営者としてならば、そこまで非常には決断できない。

 多くの従業員とその家族の命運、生活、将来をも握っているからだ。だから多くの企業では退職者を募りながら経営者を替えながらなんとかやりくりして、時間をかけても再建に向けて努力する。

 (2)日産は業績不振から仏ルノーを再建したカルロス・ゴーン氏に再建を託した。ルノー再建ではコストカッターとして名をはせて日産に迎えられて、冒頭のような荒業を発揮して日産を立て直してルノー、三菱3社連合の経営責任者(CEO)となり一世を風靡した。

 10億円を超す高額報酬が目を引き、当時ゴーン氏は、社長は1年間休みもなく世界を飛び回って仕事をしているから相応の報酬だと言っており、それはそうで企業の命運をかけてそういうこともあるのが世界的な企業の経営責任者の姿なのだろうと感じたものだった。
 それはそうなら、同企業の従業員の命運をバッサリ切り捨てるのはそれはそれで理解できないものでもあった。

 (3)3社連合に傾注してゴーン氏は日産の会長になり、その後無資格者による完成車の不正検査が指摘されてそれはゴーン体制時代のもので、これもゴーン流のコストカッターなのではないのかの危惧が頭をよぎったが、当時社長のゴーン会長からは何の釈明もないままだった。

 そうこうしているうちに、19日夕にゴーン会長は報酬50億円過少記載(有価証券報告書不正)容疑で東京地検特捜部に逮捕された。さらに日産自らの事前調査で「私的目的の会社資金流出」、「経費の不正使用」の疑いも指摘された。

 (4)ゴーン容疑者は19年の日産など長期の経営責任者として他役員の報酬の配分権を掌握するなど権限を経営責任者に集中して、日産、ルノー、三菱自3社体制を完全支配して、裏では巨額の利益を手にしていた。
 報酬50億円の過少記載疑いなど不正内容を聞いた日産関係者は、あまりの金額の多さに想像もつかない巨額で事態がよくわからないと答えている。

 (5)個人が使う金額としてはあまりにも巨額で理解できない。ゴーン容疑者がCEO、会長職にある仏ルノーは仏政府が筆頭株主であり、将来的に政界(仏大統領)への進出でも考えていたのではないのと思わせるあらんかぎりの巨額の不正蓄財の疑いだ。

 今後巨額の不正蓄財の目的、使途、流用について、司法の捜査の解明が進むのか気になるところだ。

 (6)ゴーン容疑者としてはルノーを日産をそして三菱自まで再建に尽力したとして法外な巨額報酬は当然と考えて不正蓄財したのか、内部通報がなければ19年の間も問題視(問題視してもそれを指摘)できないゴーン権力体制のやりたい放題の企業不正の温床だった。

 個人、経済の枠におさまらない巨額の不正蓄財の目的、使途、流用について問題視し、仮に政治との結びつき、関連があるようであれば実態解明は避けてはとおれない。

 

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