いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

ブラジル異変。 unusual change in brazil of soccer kingdom

2013-06-25 19:31:06 | 日記
 (1)政治は別にしても経済というのは、一旦頂上に登り詰めたらそれ以降も天上知らずということはない。インフラも食生活も企業活動も行き着くところ、シェア、購買力のキャパシティが極限に達すればそれ以上の成長は望みようもない。

 趣旨をよく理解しないで引用するのも気が引けるが五木寛之さんの著書に「下山の思想」というのがあるが、登り詰めたら維持するか下りるしかないのが経済社会の宿命だ。
 先進国の経済成長が鈍り、一様に構造的不況に見舞われる中、新興国(new rising nations)は豊富な天然資源、有効資源、人的資源、市場力で今は経済成長が著しく、発展途上にある。

 (2)ロシア、中国、インドを筆頭に南米ブラジルもかっての貧困国の面影はなく経済成長が著しい。長らくゲリラ闘争に悩まされてきた中南米も政治の安定が進んで、豊富な天然資源を背景に近代化が進んで貧困層の社会参加が広がって、ブラジルでは貧困層が減って中間層が大幅に増えた(報道)といわれる。

 急速な経済成長で国民の社会、生活意識も変わり、生活向上への欲求、要望も高くなるのは必然的なプロセスであり、社会資本の配分に不公平感が強くなるのも発展途上新興国といわずに先進国を含めた国の宿命である。

 日本でも円安株高効果は大企業中心の企業業績効果にとどまって、賃上げ効果には及ばずに物価上昇で国民生活の景気回復期待感の実感はない。

 (3)サッカー王国のブラジルで来年のサッカーワールドカップ(W杯)大会開催を控えて、同施設建設投資よりも国民生活への投資を訴える国民の政権抗議デモが各地に広がっている(unusual change in brazil of soccer kingdom)。

 長い間の貧困生活から急速な経済成長の恩恵でようやく貧困脱却、明るいきざしが見えた中での経済効果が「公平」に配分されない社会的不満が、サッカー王国ブラジルの1年前のコンフェデ杯開催の盛り上がりの中でW杯開催の巨額投資に向けられたのは驚きであった。
 何はさておいてのW杯開催意識の高まりの印象の強いブラジルでの、その巨額投資を経済効果の公平配分に回す国民欲求だ。

 (4)経済安定のトルコでも首相のイスラム偏向主義、路線への抗議が政府の都市公園再開発計画への反対(報道)としての国民抗議デモとして各地に広がっている。
 共通しているのは若者の社会意識の変化、不公平感、その抗議デモを広く呼びかけ煽動するSNS(social network service)の活用だ。

 経済成長著しい発展途上新興国の登り詰めるプロセスでの国民の高い(あるいは当然の)社会的欲求の必然的な社会現象だ。サッカー王国ブラジルでの政府のW杯巨額投資に反対する国民抗議デモとして象徴的にあらわれた。

 (5)東京都が招致に名乗りをあげている20年の東京五輪開催はいまのところは過半数の支持を得ているのとは違う、新興国からの社会意識の変化による考えさせられる社会問題提起だ。

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政党の2極分離。 two pales separation of political party

2013-06-24 19:38:56 | 日記
 (1)今夏の参院選の前しょう戦という「前ぶれ」が強くて注目された都議選は、首都の議会選挙ではあっても地方議会選挙(定数127)には変わりはなく、NHKまでが煽(あお)って全国放送体制で報道するようなものではない。

 東京1極集中に対して地方主権、分権、活用、活性化の必要性がいわれながら、政治、メディアがこぞっての参院選の前しょう戦と位置づけての注目を煽る都議選の「違和感」だ。
 参院選では都議選の結果にかかわらずに、全国の地域でTPP、憲法改正ほか争点に有権者が自由で独自の判断で選挙選択、審判の意思を示すだけだ。都議選を参院選の前しょう戦と煽られる必要もないことだ。

 (2)都議選の争点も都政に関わるものは見当たらずに(都が出資する新生銀行経営、24時間バス運行、五輪招致問題など行政対応課題はあるが)、各政党とも安倍政権の経済政策(アベノミクス)に対する評価に終始して、異質で異様な地方選挙戦との印象が強い。

 選挙結果は円安株高効果で経済政策への期待感が順調な自民党一強時代を反映して、低投票率の関心の低さの中で自民党は圧勝(史上初の全員当選)し、民主党は都議会第1党から大きく議席を失って(60%減)第4党に転落し、公募選考研修のうえに34人を擁立した日本維新の会はわずか2名の当選と支持を得られずに敗北した。

 (3)多党化乱立時代といわれるけれど、自民、公明、共産、みんなの党が躍進、順当に議席を獲得して他の政党を圧倒して、政策以前の政党として「体(テイ formal basic)」を成しているのか、いないのかでの政治原点の2極化分離(two pales separation)の選挙選択結果となった。きわめて単純明快な選挙戦でもあった。

 政党の政治理念、政策、都政評価以前の政党の組織、結束統治、活力、批評力、実行能力の段階で、すでに多党化乱立の多くの政党が政党の「体(テイ)」を成しておらずに、組織力、結束力のある政党(自民、公明、共産党)が今回の都議選では順当に勝利した。国民の選挙関心の低さを侮(あなど)っては、なめてはいけなかった。

 (4)選挙選択する都民にしても政党政治レベルの低さに選択肢もなく、過去2番目に低い(報道)低投票率につながった要因のひとつでもあり、対抗勢力となるはずの民主党、日本維新の会の組織壊滅、党内統治能力の欠如は国民の期待を大きく裏切る惨状である。

 個人の資質、人気が左右する首長選挙では敗北の続く自民党ではあるが、都議選という政党選挙では史上初の全員当選を果たして自民党一強時代はさらに鮮明になった。

 (5)ただし、安倍政権の経済政策は中小企業への経済効果は浸透せずに、同政権が見ているとおり賃上げ効果は消費税引き上げを含めた物価上昇のさらにあとになる公算が大きいだけに、景気回復、国民生活向上への「期待感」に応えられないとわかればTPP、自衛隊の国防軍化、集団自衛権容認を含めた憲法改正、財政健全化と重要政治課題が争点となる今夏の参院選と控える衆院選に向けては政策本位(policy first)のまた違った選挙展開となることも考えられる。

 今日の衆院国会で民主党元首相の野田さんが国会質問で、当時解散の条件とした1票の格差是正の3党合意の現在の不履行にかかわって「だましたあなたが悪いのか、だまされたわたしがアホなのか」と安倍政権を批判していたが、そんな程度のさびしい国会論戦、政治感覚なのだ。

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世界遺産の破壊危機。 destruction crisis of world cultural legacy

2013-06-23 19:58:55 | 日記
 (1)富士山がカンボジアで開かれているユネスコ世界遺産委員会で正式に世界文化遺産(world cultural legacy)に登録決定された。今年4月にユネスコ専門家諮問会議が富士山から離れすぎているとして除外した「三保松原」を含めての構成資産としての世界文化遺産登録だ。

 報道によると元外交官の文化庁長官が現地入りして旧知の各国政府代表に働きかけての本委員会での圧倒的な各国からの応援意見が相次いでの三保松原も含めた登録決定となった。

 (2)この各国代表の応援意見が20分も続いて、通常は1件50分で審査を終えるところを大幅に登録決定の時間延長となったといわれる。

 富士山の容姿のきれいさ、華麗さ、さわやかさ、すばらしさに代表されるように世界からの日本伝統文化への敬愛、精神性、国民性が高く評価されている側面も追加評価にあったのではないのかと考える。

 (3)中近東での宗教対立、国際テロによる局地戦闘、戦争で世界的な文化遺産が「破壊」されたり「破壊される危機」(destruction crisis of world cultural legacy)にある現在社会において、世界文化遺産の登録指定による「存続」の必要性は意味も意義も深いものがある。

 有史以前のはるか古代からの地球資産、遺産を自然や人類が語り継ぎ残して次世代文化に受け継いできた地球、自然、人類の文化遺産を、われわれもまた次世代社会に引き継いでいく責務を負うのは使命であり宿命である。

 (4)あわせて、現代社会の「環境破壊」というもうひとつ地球資産、遺産破壊の危機に直面していることを、富士山が当初目指した「自然遺産(natural legacy)」では登録できなかったことで深く認識すべきことだ。

 富士山のかっての華麗な雄姿の頂上の三角の頂(いただき)や雄大にのびる稜線は今は見分けもむずかしい風化ととげとげしさに覆われて、登山者、行事の増加、マナーと合わせて富士山が都市部に近く地球温暖化も影響していることは間違いのないことだろう。

 (5)新聞メディアの働きかけによる富士山清掃活動も以前から始まっており、世界文化遺産登録を受けて登山者の入山規制、登山鉄道開設、入山料徴収なども山梨、静岡の関係自治体で検討されており、今回の富士山の世界文化遺産登録決定で国民の環境保全意識の高まりも期待される。

 国民が日本のシンボルとしての富士山の「世界的価値」を再認識して、国民自らの自覚と良心のもとに入山規制のない自由でいつも楽しめる、より近い存在の富士山とすべきことはいうまでもない。

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復興予算の返還。 return of restoration budget

2013-06-22 19:52:23 | 日記
 (1)民主党政権時代に発生した東日本大震災は国の復興構想会議の立ち上げの遅さに、出した方針が震災発生には「とにかく逃げる」、「高台移転」程度の復旧、復興の基本骨格のない指針で、その間放置された被災地自治体、住民との置かれた生活環境復旧への意識の大きなズレが明らかとなって身動きがとれずに、その後の復旧、復興が一向に進まない要因となった。

 政府は東日本大震災で壊滅的被害を受けた東北太平洋側被災地域一帯の「ゼロ」からの復興に対して、行政機能の再編からのグランド・デザイン(grand design)を示さずに各被災地自治体に復興予算(restoration budget)をつけて配付だけして、結局被災地各自治体ごとの自由勝手な復旧、復興計画では非効率的、不連続性、連携不足で「動けない」状況の中で、被災地各自治体では処理し切れない復興予算は復興名目以外の目的外支出が次々とあきらかとなって社会問題化した。

 (2)国の復興方針、政策の遅れを批判していた被災地自治体も、被害者意識の中で同情を買っていたが復興情報を国民と共有することはなく、復興行政の中身は被災者住民本位のものとはほど遠く、国民投資(税)の期待に応えるものでは到底なかった。

 復興「基金」として配分された1兆1570億円が「被災地再生とかけ離れた事業に使われた可能性がある」として調査した財務省と復興庁はこの内、未執行分1000億円の返還(return of restoration budget)を被災地各自治体に求める(報道)こととした。

 全体として2兆円を超える膨大な復興予算が国の明確な復興計画、指針(グランド・デザイン)もない中で被災地各自治体に渡って有効活用、処理し切れない中での、政治の無策(lack of policy)の必然的な結果だった。

 (3)東日本大震災での「ゼロ」からの復興には、被害をまぬかれた東北3県を含めた行政協力機能、道州制を視野に行政機能の再編を含めた国の復興グランド・デザインの必要性を書いてきた。
 その指針もなく被災地各自治体が有機的に連携し、総合的、統合的に機能できる復興環境のない中で自由勝手に「動け」と言われても無理な話で、被災地自治体も協同して連携して統合して国と復興計画、復興予算について迅速、具体的に話し合う必要があった。

 (4)国のあまりの無策ぶり、自治体押し付け政策も批判されて当然だが、被災地自治体の無作為行政(復興予算の目的外使用)も批判されるべきことであった。復興予算の目的外使用という国民投資(税)に対する背信行為の現実だ。

 国と被災地自治体が復興情報の発信を怠り、あるいは意図して、復興の「現実」をあきらかにせずに復興が遅々として進まない現実と復興予算の目的外使用で国民投資(税)、意思(寄付)が活かされずに被災者と合わせて救われない不始末結果となった。

 (5)このスパイラル(spiral)な復興無作為、無策の原点は、国の政治責任、統治能力の欠如に専門家による復興構想会議が的確、肝要に復興基本指針を示さなかったことだ。
 東日本大震災が2年余りもすぎて、あまりにも重い復興予算の無分別、理不尽(unreasonableness)な執行状況の実態だ。

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正義と虚構。 justice and fabrication

2013-06-21 19:35:50 | 日記
 (1)石原、橋下共同代表の日本維新の会の凋落(ちょうらく)ぶりは、2000年初頭の六本木ヒルズ族の若手ベンチャー企業経営者の凋落と重なる。

 インターネット社会の情報化産業の時代の矜持(きょうじ)として株取引、株価操作で巨額の利益を得て、一時はプロ野球球団経営、テレビ会社買収にまで意欲を見せて、ついには虚構(fabrication)、見栄を張り続けながら多額の借金経営を隠して投資を募り出資者をあざむいて倒産し、企業背信(unfaithfulness)に問われて刑期を科せられた。

 (2)若者のベンチャー事業、起業参加への社会的期待の大きさ、高まり、社会財産に対して、自らの背信行為、虚構、見栄により一過性のものとして後に続くものの道を閉ざしてしまった。
 特殊技能はあっても企業としての生産性、成長性、健全性、倫理観の精神性、実績に欠けて、ついには手段を選ばない「金儲け」に偏向して跡形もなく消えてしまった。

 (3)橋下大阪市長は府知事時代から地方行政の重複、ムダ解消のため「都構想」を打ち出して、その政治手法は旧態然として停滞した議会、行政機関との対立により行政改革を主張して、従来から悪しき慣行の職員による仕事中の組合活動や選挙活動を厳しく規制見直して、府民、市民の高い支持を得ていた。

 橋下さんの府知事、市長としての政治目的は「都構想」、「道州制」導入であったが、それ以外にこれといった政策、行政実績もない中で既得権益保護、自己防衛に走る議会、行政機関との対立という「正義(justice)」の政治構図の中で、府民、市民の高い支持だけは得てきた。

 (4)その間にも、職員のメール無断閲覧、思想アンケート調査で前時代的な強権独断的な政治手法が批判されてもいたが、時代が既得権益保護、密室政治、大企業中心の自民党の長期政権終焉(えん)にこれに代わる民主党政権の誕生とその期待を裏切る迷走の中で、「問題」に切り込む「政治正義観」が注目を集めた。
 政治、行政スタイルとしては実績もなく前時代的なもの(弊害)へのアンチテーゼ(anti these)としての注目度、存在感であった。

 (5)橋下さんは大阪府知事、市長ではあるが政策力に欠けて、都市開発政策、活性化、持続力ビジョンがなく、大阪は経済力も生活力も停滞から抜け出せないでいる。
 政治正義観による高い人気、支持を背景に都構想、道州制に懸けて国政に進出(日本維新の会)したが、不足の政策よりも目先の党勢拡大に走って「異質」の石原さん(太陽の党)と組んだのが自らの特性、存在感を見失うことになった。

 (6)日本維新の会の中身は橋下さんからすれば正義ではなく「虚構」であり、社会的期待の大きさ、高まりへの背信であった。今や日本維新の会の支持率は、ひと桁前半の数パーセントのともしびだ。
 
 原点にかえって世直し起爆剤としてやり直せれるのか。

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