いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民による選挙改革。 innovation of election by people's judgment

2013-06-28 19:59:14 | 日記
 (1)結局、国会審議の1票の格差是正問題は衆院可決通過の3党合意の衆院小選挙区「0増5減」か野党主張の「定数削減」かで参院で審議が進まずに、60日間すぎても採決されずに参院での「みなし否決」が確定したとして政権与党で3分の2以上を占める衆院で再可決されて成立した。

 これで一応最高裁が1票の格差是正範囲とした2.0倍以内のきわどい1票の格差1.998倍(対象10年人口データ)となったが、これは数字上の整合にすぎずにその後の東日本大震災の影響など人口流出入の必然結果によってはどうにでも変化、オーバーランする範囲内のものだけに、最高裁が指摘するように「0増5減」程度では抜本是正改革にはならないのはその通りだ。

 (2)野党主張のように「定数削減」による選挙制度抜本改革が必要なのは言うまでもない。利害関係にある国会議員の身分、資格を国会当事者の審議に委ねても結論を導き出せるほど有能で良識、見識ある議員人材が揃(そろ)っているわけでもなく、国民を含めた専門家第3者機関、委員会を設置して迅速に「結論」を出して違憲(状態)の1票の格差問題を解消して国民権利の公平(fairness)、公正(justice)を実現すべきだと書いてきた。

 (3)そういう考えは一部政党間でも出されたことはあったが、政党の既得権益を守ろうと問題にされることもなく実現することはなかった。
 今度は安倍首相がようやく「選挙制度改革でも必ずや結果を出したい」として、衆院の定数削減を含む選挙制度改革のための有識者による第3者機関を国会に設けることを提案(報道)した。

 首相直属の第3者機関ではなくて衆院議長のもとに置く考えだ。これでは結果はこれまでと変わらずに改革実現にはほど遠いものだ。衆院議長も「結論にはみんなが従うという前提でなければ引き受けられない」と現実感を示している。

 (4)利害関係にある国会当事者が1票の格差是正による議員の身分、資格(定数削減)を決めれないのだから、国会とは切り離した外部の国民を含めた第3者機関、委員会を設置して結論を得て、「国民」の「意思」として選挙制度改革を推し進める必要、「責任」がある。

 1票の格差問題は国会議員の身分、資格の死活問題である以上に、憲法が保障した国民の基本的権利(fundamental rights)の公平、公正履行問題である。国民が自らの手で解決、改革(innovation of election by people's judgment)することこそ本質論だ。

 (5)もちろん選挙の争点にして国民の審判を求める方法論はあるが、その選挙の違憲性を解消することが前提条件の1票の格差是正問題であるから、国民主体での国会外部の第3者機関、委員会による選挙是正改革が本筋だ。

 国会が国民の意思、結論を無視すれば民主主義政治は成り立たない。

 

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