●ネコあしといっしょ●の記録

ヤプログ!で更新していたブログの記録。からの続きの日々。

本●『沼地のある森を抜けて』梨木香歩

2006年06月26日 12時27分39秒 | book
       沼地のある森を抜けて
『沼地のある森を抜けて』 梨木香歩/著 新潮社



久しぶりの本の紹介。
・・・紹介ですが、私の覚書も兼ねて


1年近く前に出版された本です。
やっと手に取り読むことができました。

分量のわりに、一気に読むことができましたね

もちろん最後まで読みましたが、消化不良もいいところです
というか食べて欲しいものがまだまだ残ってるって感じです。


食べた(と思ってる)ものも消化不良なのに・・・
1度じゃムリムリ。





    


今までの作品と趣が少し変わってました。

比べるのはおかしいかもしれないが
ついつい、同じようなものが出てくると期待してる自分がいる


不思議と自然と、自己と人とのつながり、という点は変わらないのですが
それぞれ少しづつちがう。



表面的にちがうのは、植物の話が出てこなかったこと!!
あんなに、草花の話がいたるところに出てくる人だったのに
これにかわって、今回「ぬか床」が話の中心にでてきます。

なので真核生物がどうのとか・・・つまり「酵母」なんかの話が出てきます


「酵母」やら「変形菌(粘菌)」やら
登場人物も発酵科学研究の人
ミクロフローラ、分離培養、嫌気性菌、DNA etc・・・
ちょっと私が反応しそうな懐かしい名称が沢山
(そういう意味で、少しうきうきしながら読んでしまった・・・)

誤解があると困るので補足しますが難しい、理系の話ではないですよ・・

登場人物の一人(?)という感じです。



内容は、かなり考えさせられます。
初めは、梨木さんらしい怪奇な現象がきっかけ

「家守奇譚」のようでした。
終盤は、スピードも早くなって壮大な内容になってくる。


読んだ人の、読んだ時の精神状態によって随分感想がちがってくるのでは
とにかく、もう1度読んでみないと・・・何とも言えないなぁ
もう1度読んだら、少し間をあけて(熟成?)さらに読む


「生命」とは?

「自己」「個」とは?

結局「シマ」ってなんなんだ~っ!!

といいつつ、漠然と私なりに「シマ」の解釈は出来上がってるようですが・・・

私にはお気に入りの大作です。

また読まなきゃって気にさせてくれたし。


でも正直万人受けはしないと思います。(なんでもそうだけど)
「コレっ絶対お勧めっ!読んでみてよ~っっ」って声を大にして言えないです
・・・自分に自信がないだけかもしれないけど・・・


あっ1つびっくりしたのは、少々(ほんとに少々)色恋が・・・

梨木さんには珍しい。(皆無ではないですが)
でも内容的にコレを素直に恋愛と思っていいのかそれも疑問だ・・・



最新の画像もっと見る

コメントを投稿